ヴォレアス北海道

ギリシャ神話の北風の神「ボレアス」の頭文字をVに変えて命名した『ヴォレアス北海道』、それがチーム名。8月に行なわれるお披露目試合に向け、着々と準備が進められているなか、正式発表されている池田・加藤・白石の3選手に、プロへの取り組みについてざっくばらんに話してもらった。

チャレンジ精神がプロチーム設立へ

プロチームをつくることになったキッカケは?

池田憲士郎さん(以下:池田) 一昨年の9月か10月頃にバレーボール関係者との立ち話から始まったんです。その方に「おまえのところでやれよ!」って言われて、「本当にやってほしいのなら、やりますよ」って。みんな冗談だと思っていたと思いますが、やっちゃうのが僕なので(笑)。
加藤伊織さん(以下:加藤)クラブカップが終わった後ですか?

【池田】 そう。北海道出身者に、いい選手がたくさん居るのはわかっていたので、彼らが北海道に戻ってプレーをしたら強いチームになると思った。それと、北海道コンサドーレ札幌、レヴァンガ北海道、北海道日本ハムファイターズが、ドンドン盛り上がってきて、北海道からバレーボールがなくなってしまうんじゃないかという恐怖と危機感があったから。それで、内々で進めていた時に、伊織の存在を思い出して電話したワケ。それが去年の4月。バレー界や北海道に対する僕の思いなどを全部話して「一緒に0から作ってみないか」って声を掛けました。それで騙されて来たって感じ。

一同 爆笑

【加藤】 タイミングが良かったんです。Vリーグが終わり、ちょうど進退を考えていた頃です。監督が変わってから出場機会が減っていて、バレーボール選手としては6年目で、選手としての引き際を考えていたんです。ここでスパッとやめて、所属していた豊田合成の社員に専念するのも悪くないかなぁと思っていた時でした。もともと北海道に帰りたいという願望もあったし、北海道でバレーボールができて、なおかつ仕事もある。さらに1からプロチームを作るって、純粋に面白いなって思ったんですよ。 騙されました。

一同 爆笑

【池田】 ヒロは、もっと後だよね。

白石啓丈さん(以下:白石) 僕は、7月頃ですね。

【池田】 ヒロの場合は、僕の思いを全部伝えている後輩経由。彼が、「力になります」って言ってくれて、ヒロを紹介してくれました。

【白石】 以前在籍していたチームを、ちょうど辞めたぐらいのタイミングで連絡がきて(笑)。ほかのチームからの誘いもあって、そこは公務員の職にも就けそうだったので、そっちに気持ちは流れていたんですけど…。ただ、つまらない人生になりそうだなって思えてしまって。池田さんの話しを聞いていたら「面白そうだな」って引き込まれて… 騙されました。

一同 爆笑

【池田】 結局みんな安定より挑戦を選んでいるんですよ。僕もそうだし、それに共感してくれて来てくれていると思っています。

【白石】 バレーボール界の中で、ほかのチームにないことをやっていると思ったので、そこが面白いなと感じたし、バレーボール界が変わってくれたらいいかなと思って。

【池田】 1年経ってどう?

【加藤】 思いに変わりはないです。ただ最初は、Vリーグを目指そうってビジョンはあったんです。かなり面白そうなことをやるし、プロチーム作りに携われるなら、これ以上楽しいことはないと思ったんですけど、僕の中では、漠然としたビジョンしか見れていなかった。でも日を重ねるごとに、ビジョンに対するプロセスがかなり明確になっていく、そしてまた新しい可能性を見出していくことが実感できて、すごい楽しいですね。目標に向かって進んでいくプロセスと、目標がどんどん上がっていっているって様が…。

【白石】 まだ半年も経っていないけど、今もどんどん大きく動いているので、すごい楽しいし、自分もこの先が楽しみ。

【池田】 たぶん普通のチームが辿ってきた道と、まったく違うことをやっているんですよ。バレーボール界の暗黙のルールのような常識的なステップを悪い意味じゃなく完全無視して、「プロスポーツって、こうあるべきなんじゃないの?」ってことを実行しています。

業界初尽くしで強いチームづくり

例えば普通はバレーボールのファンだけにフォーカスするんですけど、僕らはバレーボールをやっている人はもちろん、それ以外の人たちにどれだけ知ってもらい、見たいなって思ってもらえるかが生きるか死ぬかのポイントだと思っています。なので、そこに重点を置いて活動しています。

選手でもあり、フロント的役割もしているんですか?

【池田 そうですね。活動内容に広報活動やメディア対応も入れています。既存のチームを見ていると、選手は選手なんですよ。ファンサービスはしますが、やらされているなって感じがします。だからバレーボール界って、あまり人気がないんだなって思っています。
 個人でも応援してくれる人を選手一人ひとりが真剣に自分で探しに行くような、そういう選手が集まって本当に応援されるチームになると思っていますし、そういうチームを目指しています。なので、選手一人ひとりに広報活動をしてもらうし、スポンサーを集める泥臭い動きもしてほしいと思っています。それは単に僕が楽をしたいとかじゃなく、実際に動くことで大変さがわかるじゃないですか。それがチームの力になるなと考えています。それらを含めて、理解し実践できる人を、と考えています。

今は、どんな広報活動をしているんですか?

【加藤】 まだ具体的な活動をしていないにも関わらず、フェイスブックのフォロワーが935人もいます。男子バレーボールチームは26チームありますが、9番目ぐらいに多いんですよ。

【白石】 チャレンジⅠぐらい?(笑)

【池田】 そう、そう(笑)。フェイスブックの『いいね!』は、プレミアリーグを除いたら1番多い。ほかのチームには公式インスタグラムが、ほとんどない。ツイッターは470人ぐらいと、まだ少ないですけど、そもそもバレーボール界でSNSを真剣にやっているチームが、ないんですよ。しかも、広報全般に力を入れているチームもないんです。それってどうなの? って思っていて…。

【加藤】 今のこのSNSがすごい時代に無頓着なんですね。投稿するとしても、シーズンが始まってから、試合結果ぐらいじゃないですか。

【池田】 実業団に所属している選手は、引退した後も会社に居れるという反面、ストイックさとか必死さがなくなるんです。生きるか死ぬかの世界ではないんですよ。でもプロだったら自分の給料を稼がなくてはいけないとか、ファンを増やさなくてはとか考えると思うし、そのことによって競争も生まれる。来年の年俸は自分の活躍で決めるんだってなるじゃないですか。これがプロだと考えています。

【加藤】 今、僕らがプロチームを作るということは、北海道のバレーボールをしている人たちの目標が僕らになると思うんです。そうなったときに僕らのプレーや立ち振る舞いを見て、「バレーボールの選手ってすごいね」って感じて欲しいので、僕らが変なことはできない。バレーボール選手として、プロとして最低限のことはしっかりとやらなくてはダメ。ただ単に強いだけでは、魅力のあるチームだと思わない。「強いし、北海道にいいチームできたね」って言ってもらえることをしていきたいと思う。

【池田】 現時点では社員のみで構成されていますけど、これからプロ契約の選手も増やします。独自運営できなかったら終わりです。だから関わる人間すべてが必死になるはずです。従来のスポンサーは、現金出資が主流ですが、それ以外でのサポートシステムを導入しました。電力会社レジェンド電力さんが、新電力自由化に伴い、電力会社との契約を切り替えることでチームを応援できる仕組みを提案してくれたんです。「協賛金お願いします」って言いたいですし、欲しいんですけど、継続を求めたときには、なかなか難しい。でも、このシステムであれば、直接的な現金負担がなくサポートして頂けますから、僕らは電気を変えて頂くだけで十分うれしいです。実際にお話しをしないと理解頂けないので、僕らが直接説明できればいいなって思っているんです。

【加藤】 練習に関しても、期間限定でビーチバレーのコートを使い、トレーニングとして取り入れているのは、たぶん僕らが初めてですね。

【池田】 日本のスポーツ文化として朝から晩まで毎日練習した方が勝つっていうのが慣例なんですけど、僕らには本業もあるので、そこでも新しいやり方に挑戦しようかなと。というのも、僕らはこれから毎週飛行機で遠征になるんですが、結構不利なんです。必ず飛行機での前日入りになり、1日練習時間が少なくなります。でも“強い”に挑戦するためには、いかに計画的に効率よく休むかが重要です。ある意味、休養も練習だってことを発信できたらいいなと思います。  それと、チーム専属のトレーナー兼栄養士が、効率の良いウォーミングアップの仕方や、食事の摂り方を指導してくれています。疲れない身体の動かし方、ウォーミングアップやクールダウンの仕方とか。たぶんバレーボール界で珍しいですね。例えば、試合開始から逆算して、当日の朝5時起床で、散歩してから朝ご飯食べるとか全部決められている。そうすると実際に1試合目の1点目から相手と僕らの動きが全然違うんですよ。相手にエンジンがかかってきた頃には、もう手遅れ。後半になっても同じです。相手に少し疲れが出てきているときも、僕らのパフォーマンスは落ちない。食べた物は身体のエネルギーに変わるまで4~5時間かかります。食べた物はすぐにはパワーにならないんですよ。だから、逆算して、朝5時に食事をするんです。
 
【白石】 アスリートの食事と、いわゆる一般の健康的な食事は明らかに違います。朝から食物繊維を摂ると消化に時間がかかるので野菜もダメです。できるだけ早くエネルギーにするためには、白飯をたくさん食べなくてはならないのです。幸い、北海道のお米はとてもおいしいのでたくさん食べられます。

一同 爆笑

【池田】 練習が終わった後も、筋肉がボロボロの状態で、栄養を欲しているのにリカバリーが遅れたら、次の日に影響出ますので運動直後に「すぐ食べろー」って言われています。ここまで徹底して実践しているバレーボールチームはないんじゃないでしょうか?

どんな選手編成を考えているんですか?

【池田】 まだ言えないな。

一同 爆笑

【池田】 ビッグネームと交渉中です。6~7月ぐらい、8月のお披露目の前ぐらいには…。

専用の練習場は決まっていますか?

【池田】 鷹栖町とパートナーシップを結ぶ予定です。町の総合体育館を週2回、練習場所として無償提供して頂くことが決まりました。あとは旭川大学の体育館を週1回お借りして計週3回は確保しています。8月にイベントがあるので、それに向けてゴールデンウィーク明けから徐々に練習は始めます。8月を過ぎたら、またちょっと休んで、今度は11月のリーグ戦へ向けての練習がスタートします。

【加藤】 準加盟の正式な通知が7月1日(土)にはVリーグから届くので、そこからはヴォレアス北海道として試合に出場していきます。

【池田】 先程もチラッと言いましたが、8月5日(土)、ちょうど旭川まつりの日に旭川市総合体育館にて、お昼からヴォレアス北海道のお披露目イベントを予定しています。お酒も解禁して、エキシビジョンマッチだけではなく、ショーアップされた楽しくてかっこいいイベントにしていきますので、みなさん是非とも来てください!

旭川に本拠地を置く『ヴォレアス北海道』の応援方法はいろいろ。

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