カラダのお話し 2018年7月

このコーナーでは、旭川市内で医院を開業されている先生に登場してもらい、読者が抱える身体の悩みにお答えしてもらいます。
あなたの誰にも相談できないカラダの悩みに先生がお答えします。

中学2年の娘が、思春期子宮内膜症の疑いがある、と言われました。中学生くらいでそんなことがあるのでしょうか。合わせて、思春期子宮内膜症について教えてください。
(相談者:40代/主婦)

A. 婦人科で言われたのか、小児科で言われたのか、そこのところがわかりませんが、一般的に思春期子宮内膜症の症状は、まず月経痛(以下、生理痛)が挙げられます。そこは成人してからの子宮内膜症と同じです。ですが、思春期子宮内膜症では、生理痛よりもただお腹が痛い、運動時に痛くなる、排便痛などの方が著明なことがあります。さらに、お腹が痛いと同時に吐き気もあることが多いようです。
 思春期にこうした症状があっても婦人科を受診することが少ないため、これまで見過ごされてきた、とも言えます。多くは内科か小児科を受診されるのではないでしょうか。そのため、この病気はデータが少なく、本邦でこれだという治療法は確立されていません。
 治療は基本的に成人の月経困難症(強い生理痛)に準じます。鎮痛薬(プロスタグランディンを抑制するNSAIDsなど)、LEP(低用量エストロジェン、プロゲステロン製剤)が選択肢となります。プロゲスチンやGnRhアナログは、エストロジェンを抑制して骨の成長に悪影響を与えかねないので、一般的には使われません。私個人は、身長が十分にある方には、LEP(ルナベルULDなど)を投与して、ほとんどの方に有効だと判断しています。生理痛や運動時の腹痛が改善され、QOLの改善が得られています。なかには、頑固な便秘が解消された、という方もいます。
 ご相談者の娘さんがどんな症状なのか、どの程度なのかがわかりませんが、生理痛で学校や部活を休まなくてはならない、鎮痛剤(ロキソニン、ボルタレン、イブ、セデスなど)も効果が薄い、などの時は、ぜひ婦人科に相談してみてください。内診をすることはあまりありません。経腹超音波などで十分わかります。生理の血液が腹腔内に逆流しやすい子宮の異常などが見つかることもあります。
 この思春期子宮内膜症は、子宮の出口(頸管)が狭くなっている、母親も生理痛が強く、子宮内膜症と診断された、初経が早く訪れた、などの方に多いと言われています。
生理が来るのが怖い、生理中はただ我慢して家にこもっている、などを放っておいては、これからの人生が楽しくなくなります。高校受験を前にして、勉強との兼ね合いで相談に来られる母親もおられます。もう少し前から、娘さんの生理の状況を把握して、しかるべき手を打つことが大切だと思います。私も少なからず思春期月経困難症の方々を診ています。ほぼ全員、薬を飲んでから楽になったと言っておられます。幸せ、と喜ぶ方もいます。恥ずかしいことはありません。悩んでいても解決しません。診てくれる先生にお任せして、QOLの改善を図っていただければ幸いです。

豊岡産科婦人科
院長:久田孝司
住所:旭川市豊岡4条1丁目1-10
電話:0166-31-6801

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