カラダのお話し 2018年11月

このコーナーでは、旭川市内で医院を開業されている先生に登場してもらい、読者が抱える身体の悩みにお答えしてもらいます。
あなたの誰にも相談できないカラダの悩みに先生がお答えします。

結婚して2年近くになります。子どもがほしいのですが、なかなか妊娠しません。これって、いわゆる不妊症でしょうか。
(相談者:30代/主婦)

A. 結婚してから避妊をしないで、1年以上妊娠しない場合不妊症の可能性があります。不妊症は決して珍しいものではありません。その原因として女性側ばかりが注目されますが、実際は女性側と男性側、それほど差がありません。不妊症の検査は、本来なら女性、男性同時に進めた方がよいのです。ですが日本ではまだ、女性側に責任があるように思われ続けています。古くから「嫁して三年、子なきは去れ」などといって、三行半(みくだりはん)を突きつけられ、泣く泣く離婚させられた、などという話がありました。その頃からの誤りが、今でも影を落としているのでしょうか。検査は男性側の方が簡単なことを考えると、不妊症が疑われたなら、第一に男性の精液検査、ホルモン検査を始めるのが合理的と思われます。

 女性側の原因として頻度が高いものには、卵管に原因がある、排卵がうまくいっていない、があります。このうち排卵については、婦人科を受診する前に、数ヵ月基礎体温を測っておけば役に立ちます。基礎体温は毎日測らなくてけっこうです。グラフにして、基礎体温が低温相と高温相の二相性になっていればいいのです。大まかな形がわかれば十分です。婦人科では脳下垂体というところから分泌される性腺刺激ホルモン、卵巣から分泌される女性ホルモンを調べます。こうしたことから、排卵がうまくいっているかどうか、おおよそのことはわかります。少し痛みを伴うのは、卵管が通じているかどうかの検査です。通気法、超音波下通水法などの検査がありますが、子宮卵管造影法(HSG)が一般的でしょうか。いずれの検査も多少の痛み、発熱などが伴うことがありますが、子宮卵管造影法では子宮の形の異常なども判断できます。いずれは必要な検査と思ってください。

 排卵がうまくいっていない場合、それを促すための種々の方法があります。排卵誘発剤の使用などです。単に薬を服用するだけのもの、注射で卵巣を刺激するもの、様々です。相談すれば、あなたに合った治療を選んでくれることでしょう。卵管が原因の場合は少し複雑です。多くは過去の炎症による、卵管のつまりです。特にクラミジア感染による卵管閉塞が問題になっています。これまで骨盤腹膜炎(PID)などを経験された方は、一度卵管の疎通性を検査した方がいいと思います。閉塞が高度で両方の卵管に及んでいる場合、体外受精を選ばざるを得ないことがあります。過去に下腹部が痛くなり、熱が出たなどの覚えがある方は要注意です。

 そのほか、排卵期に精子の運動を助ける頚管粘液が分泌されているか、も大切な検査です。頚管から粘液が出ているかを見る、とても楽な検査ですが、排卵の有無を、時には超音波で卵胞の成長を見るよりわからせてくれることがあります。頚管粘液を採取し、それを乾燥させて結晶を見るのですが、乾燥させなくても見ただけでわかります。安直ですが、確実性の高い検査と言えるでしょう。
 精子頸管粘液適合試験(フーナーテスト)などもありますが、それらも決して、つらく危険な検査ではありません。安心して婦人科を受診してください。

豊岡産科婦人科
院長:久田孝司
住所:旭川市豊岡4条1丁目1-10
電話:0166-31-6801

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