カラダのお話し 2018年12月

このコーナーでは、旭川市内で医院を開業されている先生に登場してもらい、読者が抱える身体の悩みにお答えしてもらいます。
あなたの誰にも相談できないカラダの悩みに先生がお答えします。

Q.最近風疹が流行している、と聞きます。妊婦さんに感染すると、赤ちゃんに先天異常が起こることがある、とも聞いています。私は20代前半の女性ですが、風疹ワクチンを受けています。妊娠する予定はありませんが、注意が必要ですか。
(相談者:20代/会社員)

A. 今年はこれまでの10倍以上風疹にかかった人がいるそうです。台湾から訪れた観光客が沖縄で広めたようですが、そこから本州まであっという間でした。風疹はかつて3日ばしか、と呼ばれたように、症状は発熱、発疹、リンパ節腫脹など、はしか(麻疹)より症状は軽いのですが、感染力ははしかに劣らぬほど強いのです。
 風疹の怖さは、妊婦さんが妊娠初期に感染すると高率に胎児に異常が生じる、という点です。妊娠4週から6週(生理がないな、とわかってから2週間まで)ならほぼ100%、16週(4ヵ月)でも50%ほどに異常が起こります。これは大変な確率です。胎児のためにも、風疹に感染した人を避けることが望ましいのは言うまでもありません。
 風疹がここまで広がったのには、ワクチンの接種が年代によって違う、ということが挙げられます。特に男性です。そもそも現在36歳8ヵ月以上(以降、平成30年12月を基準にします)の年代では、ワクチン接種そのものがされていません。女性でも、56歳8ヵ月以上の年代は接種されていません。ただし年代が上の人たちは、風疹に感染していることが少なくありません。この場合、強い免疫が残ります。再感染することはまずないでしょう。
 39歳8ヵ月から56歳7ヵ月までの女性は、学校で1度ワクチン接種を受けているはずです。ですが1度だけのワクチン接種では十分でない、ということが分かってきました。ここまでは女性だけがワクチン接種の対象でした。ここから下の年代になると、男性にもワクチン接種の機会が訪れます。それでも2回のワクチン接種になったのは、28歳8ヵ月より下の世代からでした。その間の世代は、男女ともに幼児期に個別接種か、中学生で個別接種という状況でした。集団接種の機会がなかったのです。
 つまり28歳から39歳という、最も妊娠の可能性が高い世代が、十分な予防体制に守られていない、ということです。個別接種の場合、特に男性は受けていない可能性が高いことが問題となります。女性は妊娠中の風疹感染に対する怖さを教わっていますが、男性はどこか他人事なのでしょうか、関心が高いとは言えない状況です。妊婦さんの夫が感染源という可能性がある、ということです。
 ワクチンの効果は年とともに低下することが知られています。たとえ2回接種した世代でも、十分な抗体価があるかどうか、1度調べることをお勧めします。1度だけしか接種を受けていない世代はもちろんのことです。風疹抗体価の検査は、内科、小児科、産婦人科など、幅広い医療機関で受けられます。お近くの医療機関でぜひ調べてみてください。
 先天性風疹症候群(CRS)では胎児に白内障や緑内障、心疾患、聴覚異常が起こる確率が極めて高いため、できれば妊娠前にワクチン接種を受けて、十分な備えをしておくといいでしょう。風疹ワクチンは生ワクチンなので、妊娠中、あるいはその可能性がある場合は避けた方がいいでしょう(ただし、風疹ワクチンによってCRSになったという報告はありません)。

豊岡産科婦人科
院長:久田孝司
住所:旭川市豊岡4条1丁目1-10
電話:0166-31-6801

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