カラダのお話し 2017年7月

このコーナーでは、旭川市内で医院を開業されている先生に登場してもらい、読者が抱える身体の悩みにお答えしてもらいます。
あなたの誰にも相談できないカラダの悩みに先生がお答えします。

Q. 最近は梅毒にかかる若い人が増えている、と聞きました。本当でしょうか。梅毒なんて過去の性病だと思っていました。症状にはどんなものがあるのでしょうか。
相談者:20代会社員

A. 梅毒はSTD(性行為感染症)の1つです。昔は花柳病などと呼ばれ、売買春で感染することが多かったようです。昔の病気と思われがちですが、このところ目立って増えてきています。梅毒に対する知識が失われ、注意をしなくなったことが一因と考えられます。梅毒は昔の病気ではなく、今でも注意すべき感染症なんです。

原因、症状は?

梅毒の原因は、トレポネーマという菌です。この仲間には結核菌もいます。このトレポネーマが局所感染し、全身に広がることによってさまざまな症状が出現します。初期には外陰部の硬結、鼠径リンパ節の腫れなどですが、特に女性は症状が分かりにくいことが多いのです。痛みもほとんどないため、この第1期で見つかることは多くありません。それでも感染力は強いので、この時期に他人に感染させてしまうケースが少なくないのです。私も最近、梅毒の患者さんを治療させていただきましたが、帯下が多いとのことで診療にこられて、外陰部の硬結(硬性下疳)があるのに気付き、血液検査をして梅毒とわかったのでした。幸いその他の症状は見られず、第1期として抗生物質の投薬治療をしました。その後の血液検査では治癒が確認されてほっとしました。

進行すると、症状は?

第2期以降になると、バラのように紅い発疹、いわゆるバラ疹が見られるほか、梅毒性乾癬、扁平コンジローマなども現れます。第3期以降は菌が全身に広がり、第4期になると脳を始め、神経系統にまで菌が及びます。そうなると治療は難しいものになります。初期であれば、ペニシリン系の投薬治療で済みます。変だな、ちょっと危ない性行為をしたな、と感じたら、速やかに婦人科を受診することをお勧めします。

どのような検査?

視診、触診、血液検査で確定します。これにはさまざまな検査があり、偽陽性(梅毒に感染していないのに陽性に出る)もあるので、そうした場合は精密検査に回します。治療は先ほど書きましたように、ペニシリン系の抗生物質を服用します。症状が進んでいる場合は、抗生物質の注射や点滴になります。梅毒トレポネーマは、幸い抗生物質に耐性を持ちませんので薬の効きやすい菌です。初期にわかれば、完全に治癒する病気なのです。

豊岡産科婦人科
院長:久田孝司
住所:旭川市豊岡4条1丁目1-10
電話:0166-31-6801

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