2026年06月15日
市では、手話言語に関する基本条例が平成28年7/1に施行され、今年の7月で10周年を迎えます。手話は、聴覚障害のある人にとって大切な言語です。市では手話が言語であることや手話の理解が進むようさまざまな取組みを行っています。条例制定当時も振り返りながら、条例の意義を再確認し、手話を身近に感じてみませんか。
本条例は「手話は言語の1つである」との認識に基づき、ろう者を含む全ての市民が互いに尊重し、安心して暮らせる地域社会の実現を目的とします。
市の責務として手話に対する市民の理解の促進、手話の普及や手話通訳者の養成等を定めているほか、市民や事業者の役割も明記しています。
市では手話の普及に向けたさまざまな取組みを行っており、多くの市民が参加してきました。
職場や地域、学校など団体で手話を学ぶことができるよう、出前講座を実施しています。希望する団体は、障害福祉課へご連絡下さい。
年5回
※冬休み頃に実施予定 (詳細は、障害福祉課)。
●初級手話講座 年間25回
昼の部・夜の部 1回1時間30分
●中級手話講座 年間27回
昼の部・夜の部 1回1時間30分
●手話通訳者養成講座
1年目37回、2年目41回 1回1時間30分
※いずれも令和8年度分は申込終了。令和9年度は来年4月に募集予定。
聴覚障害者や聴覚障害者から依頼を受けた団体等から手話通訳の派遣要望があった場合に、手話通訳者を派遣しています。詳細は障害福祉課へお問い合わせ下さい。
手話を身近に感じてもらい、手話への理解や普及を図るため、手話によるあいさつや簡単な単語を紹介する動画を市HPに掲載しています。
簡単なあいさつができるだけでも、聞こえない人とコミュニケーションが取りやすくなります。
①人差し指と中指で時計の正午を指す。これに
②あいさつで表現
①顔の前で両手のひらを交差し、暗くなる様子を表す。これに
②あいさつで表現
勝ち力士が手刀を切る様子に由来するといわれている
今回は、手話条例の制定に尽力され、その立ち上げ時から関わってこられたお二人にお話を伺いました。条例施行後の10年間での変化や手話を取り巻く社会の状況について、率直な思いや現場ならではの気付き、今後への期待など幅広く語っていただきました。
旭川市手話施策推進会議会長を務める
旭川市立大学 保健福祉学部 教授 栗田克実さん
旭川市は全ての市民が安心して暮らすことのできる環境づくりに取り組んできました。とりわけ聴覚障害者に対する取組みでは、日本で初めて「ろうあ者相談員」を配置し、北海道内で初めて「手話通訳協力員制度」を導入するなど、先駆的な実践を積み重ねてきました。平成25年に石狩市が手話条例を制定したことで旭川市でも条例化を望む声が上がり、平成27年に検討委員会が発足、私も参加しました。委員15人全員の意見を条文に取り入れたいと、議論は8か月にも及び、制定後の具体的な施策の議論までありました。
条例の精神に基づいた取組みを続けた結果、「手話施策の状況を検証する推進会議の中でも取組みが進んだ」との意見もあり、この10年で手話関連施策は充実してきたといっていいでしょう。とはいえ災害時の避難や救急時の意思疎通、医療現場での手話通訳者の配置は今も課題です。次の10年も時代に即した内容に見直すことが大切だと思います。
推進会議で内容を決め実施する意見交換会には、幅広い立場の人が集まるようになりました。身振り手振りで災害時のコミュニケーションを図るなどの「体を動かす体験」や共同作業で、相互理解を深める機会と活発なやりとりは増えましたが、課題は手話と条例に関する市民の認知度を上げることです。その施策として小学校にリーフレット「手話ってなあに」の配布、動画配信や子ども手話講座、出前講座などを行っています。
条例を作った時の思い「手話は独立した言語であり、ろう者が視覚言語である手話を用いて安心して暮らすことのできる社会」が、この旭川市で実現することを期待しています。
令和7年度の意見交換会の様子
一般社団法人
旭川ろうあ協会 副理事長
中川雅敏さん(ろう者)
手話は言語であり、音声言語と同様にジェスチャーとは違います。きこえる人の第一言語は日本語で、私たちの第一言語は手話です。その意味を含めて手話の理解を広めたいという思いから、旭川市手話条例検討委員会に参加しました。
きこえる人、きこえない人、きこえにくい人が共生するには情報保障が重要ですが、デジタル機器頼りだとブラックアウトなどで音声情報の入手が難しく、やはり手話は大切です。最近は手話講座の申込みが定員を超えるなど手話への関心が高まり、街で聞こえずに困っている時に「手話が少しできますが…」と気にかけてくれる方が増えまし。過剰にならず当たり前に接してくれるのはうれしいですね。
手話言語は大人より子供の方が覚えが早く、学校の手話講座では最初は楽しく手の動きを見ながら手話に慣れて、高校生くらいで手話が身に付くといいなと思います。昨年「手話施策推進法」が施行され、国連が定める手話言語の国際デーの9/23が、日本でも「手話の日」になりました。そこできこえない・きこえにくい人に対する理解と手話言語の普及を目的に、常盤ロータリータワーでシンボルカラーのブルーライトアップを行い、「手話フェスタ」も開催しました。
これは私の夢ですが、旭川市が「手話のまち」になればいいなと思います。聴覚障害者は見た目では分からないので、応答がない場合に「なぜ無視するのか」と誤解を受けがちなんです。そんな時も手話で対応してもらえるよう、社会の理解が広がっていけばいいなあと願っています。
●映画「ぼくが生きてる、ふたつの世界」上映
●ろうの俳優 忍足亜希子さんの講演
と き:9月実施(詳細は改めてお知らせします)
映画「ぼくが生きてる、ふたつの世界」
と き:6/17㈬~7/1㈬
ところ:総合庁舎1階ロビー
と き:7/1㈬~31㈮
ところ:総合庁舎1階、イオンモール旭川駅前 ほか
この記事のキュレーター
①朝の表現に、
②2人がおじぎをする様子のあいさつで表現