それは今から20年程前、私は営業職で1件1件の家をピンポンと押して回っていました。
営業職をしているとその家によっては気味が悪く感じる家もあるのは確かですが、私には霊感は一切ないので見たことはありませんでした。
その日は真夏で外の気温も暑く、成績もままならず辛い一日。
旭川市の某T地区をテリトリーとして回っていた時です。
その建物は4階建てのマンションで、日中にもかかわらず入り口が暗くなにか嫌な感じはしましたが、仕事なのでまずは4階まで上り営業を開始しました。
鉄筋コンクリート作りのそのマンションは夏場でしたがひんやりと涼しい感じで、暑かった私は気持ちよさすらも感じました。
ただ、建物全体が暗いのを除いては…。
在宅率が悪く4階、3階と何の成果もなしに2階へと。
夏場で暑いせいか、ドアを少し開いて風通しを良くしている家がありました。
「あそこは在宅しているから、良い人ならいいな」と思ったのを覚えています。
そのドアが少し開いている家の隣の人も玄関先まで出てきてくれました。
「今日は暑いですね~」等と世間話から入ったのですが反応は薄く、何を喋っているのか分からないままドアを閉められ終了しました
次はドアが開いている部屋の前に来て、呼び鈴を押す。
「ピンポーン」「ピンポーン」
誰も出てこない、当時はよくあったのですが「居留守かな?」と思い少し待つことに。
それでも反応がなく、ドアも少し開いていたのでその隙間から「すみませーん、こんにちは」
あれ?何か雰囲気が変だぞとそこで気付きました。
私の喋った声が部屋の中で響いている、よく空き家で話すと声が響くあれです。
「誰も住んでないのかな?どうしてドアが開いてるんだろ」と思った私はドアノブに手をかけ、思い切って少し開けてみることにしました。
「すみませーん」という声と同時にドアを開いて部屋の中を覗くと。
え!!??
部屋は空き部屋で薄暗くガランとしており、部屋の中央に何やら物があったのでよく見てみると…。
"絶句"不気味過ぎるものが…。
部屋の中央にちょこんと、両脇に盛り塩と中央に大きめのお札があったんです。
幾度となくこういうケースで空き部屋の中を見たことはありましたが、こういうケースは初めてでさらに部屋の壁を見るとまたお札が…。
私は見てはいけないと思い、そっとドアを閉じ手を合わせました。
違う隣の家の方も出てきてくれたので、さきほどの部屋の中の様子を話し、あの部屋で何かあったのか尋ねたのですが、何も知らないという事でした。
いまだにそのマンションは実在しますが、こうして人知れず事故物件(真実は分からずじまいでしたが)というのは増えていくのかなと思った夏でした。
今話題のサイトでこの場所を見てみましたが、炎はありませんでした。
ひょっとしたら皆さんの近くにも…
画像はイメージです