2021年06月12日
新型コロナウイルス対策で緊急事態宣言中の今、東京都の学校を中心にオンライン授業が行なわれています。そして旭川市でも旭川東高校が分散登校とオンライン授業を開始。なんでも道内の公立高校で先生全員がオンライン授業を行なえる高校は旭川東高校が先がけなんだとか!?実際の授業の様子や生徒たちの反応を教頭先生にインタビューしてきました。
編集Y:「先日、テレビを見ていたら旭川の公立高校でオンライン授業を始めた『旭川東高校』という名目で話題は持ちきりでした。公立高校がオンライン授業を始めたということで、旭川の企業でもリモートワークを始めたいと注目していると思います。」
「そこで、公立高校でオンライン授業を実施するまでに沢山の弊害があったと思いますが、導入までに1番大変だったことはありますか?」
教頭先生:「一番は回線の問題でした。今年の4月から全道の公立高校の校舎でWi-Fi環境が整いました。
「そして本校では教員が1人1台タブレットを使用でき、教員全員が教室から配信できるようにしています」
編集Y:「ちなみに学校のWi-Fiって、生徒は自分のスマートフォンに繋げて使ってもいいのでしょうか?」
教頭先生:「使ってもらっています。授業中に検索をして調べたりすることもあります」
編集Y:「授業に活用してるとは驚きました。今の時代に必要とされる検索力が上がりそうですね!」
一年生が学習で作成したレポート。
世界で注目を集めていることを題材にして学習している
出典:asatan
編集Y:「ネットが一般化したとはいえ、まだネット回線を引いていないご家庭もあると思います。実際のところいかがでしょうか?」
教頭先生:「本校の生徒を例にしていうと、ほとんどの家庭でネット環境は整っていました。使えない生徒には配慮して対応しています」
「スマートフォンなどの端末は、本校生徒はほとんど全員持っているので問題にはなりませんでした」
英語の先生が使うタブレット。
スクリーンにも同じ画面が表示されていました。
出典:asatan
編集Y:「生徒の皆さんは、そのままタブレットで表示している画像をスクリーンで見て授業を受けているのでしょうか?」
教頭先生:「そのように授業を進めている教員もいます。もちろん従来通り黒板と教科書を使って授業を進める教員もいますし、授業を録画した動画を配信をしている教員もいます」
編集Y:「授業の動画を配信してくれるのは嬉しいですね!緊急事態宣言期間に限らず、入院など病気で学校に来られない生徒に対しても助けになると思うのですが、今後そういった使われ方もするのでしょうか?」
教頭先生:「今後はそのような使われ方も視野に入れていくことになると思います。他には高体連の大会期間中に、今までは公欠で授業に出席できない生徒がいたのですが、オンライン授業のおかげで大会に出る生徒も授業が受けられるようになります」
自宅で学習している生徒は授業終了5分前に質問タイムがある。
スクリーンはマグネット式で持ち運び可能。
出典:asatan
編集Y:「オンライン授業をしていて、自宅にいる生徒はどうやって質問してるんですか?」
教頭先生:「YouTubeの配信の場合は、家庭で授業を受けた次の日は登校するので、その時に質問するという形になっています」
「ほかに数名の教員はZoomを使って配信しています。Zoomだとその場でやりとりが出来るので、その日に質問を受けている教員もいます」
編集Y:「YouTubeとZoomの二つを使われているとのことですが、使い分けがなされているのでしょうか?」
教頭先生:「基本的に教員全員がYouTube配信できるように資料を作り、校内研修を行ないました。そしてIT分野が得意な教員はZoomを使って生徒から質問を受けられるようにしています」
編集Y:「生徒は慣れるのが早いと思うのですが、先生方はいかがでしょう?もう慣れましたか?」
教頭先生:「若い世代の教員を中心に使いこなしていってますね。オンライン授業を始めたのが5月21日なので、だいぶ慣れたと思います」
編集Y:「テストはどのようにしているのでしょうか?」
教頭先生:「6月8日からテストなのですが、授業と違ってテストは発言などをしないため、短時間で通常通り行ないます。これは他の道立学校も同じです」
編集Y:「なるほど!そしてソーシャルディスタンスを保ちながらテストを行なうんですね」
出典:asatan
編集Y:「リモートワークの導入を検討している企業さんだと、オンライン授業で使っている機材に興味があると思います。パソコンは一般的に売られている製品を使っているのでしょうか?」
教頭先生:「配信用のパソコンはChrome bookを使っています。カメラは教員によっては別売りのウェブカメラを使っていますが、Chrome bookのカメラで授業を配信している教員もいます」
編集Y:「高性能なパソコンが必要かと思っていたんですけど、そこまで必要ではないんですね」
教頭先生:「Chrome bookのカメラを使ってYouTubeライブで配信しているのですが、オンライン授業を受けている生徒は、スマートフォンの画面で見ても黒板に書かれていることがある程度鮮明に見ることができます」
休み時間に、オンライン授業を行なっている先生にお話を伺いました。
編集Y:「授業を動画で撮影して、生徒は後から見返せるようになったと聞きました。つまり生徒は復習がしやすくなったのでテストの難易度が上がったりするのでしょうか?」
教員(数学担当):「テストの難易度は変わりません。本来、分散登校だけをしていれば、難易度を下げるところをオンライン授業が行なえることにより、教室で受ける授業と遜色がなくなりました。そしてこれまでのカリキュラム通りに近づけるようになったので、コロナ禍前の授業に少しずつ戻ってきています」
オンライン授業を受けたことがある生徒にもお話を聞いてみました。
編集Y:「実際にオンライン授業を受けてみていかがでしょう?教室で受ける授業と違うことってありますか?」
生徒Aさん:「ちゃんと先生の声も聞こえるし、黒板の文字も見えるので教室で受ける授業と大きな違いはありませんでした。」
生徒Bさん:「出席する人数が普段の半分なので、教室の中での声の数が少なくて少し寂しさはありました」
といった話を聞かせていただきました。
取材時には授業が終わる5分前に先生が、オンライン授業を受けている生徒に向けて「今日はどうでした〜?」と質問をすると、感想を伝えたあとに飼っている猫を紹介して和やかな時間がありました。
コロナ禍で高校生も大変だと思いますが、この時期だからこその思い出にもなるのかなと感じました。
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