2021年09月16日
地域全体で高齢者を支えるために、様々な分野の専門職やボランティアが活躍しています。
核家族化や高齢化が進み、1人暮らしの高齢者や認知症の方が増えています。高齢者の孤立や孤独死は社会問題になっており、地域のつながりは重要性を増しています。医療や介護が必要になっても「住み慣れた地域で安心して暮らしたい」という高齢者の思いをかなえるためには、家族だけでなく、専門職やボランティア、地域住民が連携し、地域全体で高齢者を支える仕組みが欠かせません。今回は、高齢者のサポートに携わる方の思いや取組みを紹介します。
仕事以外で自分にできることを探し、3つのボランティアに登録しました。小さなことでも喜んでもらえます。以前は家事と育児に追われるだけでしたが、今はめりはりのある、充実した日々を過ごしています
ボランティアスタッフ
渡辺 尚弘さん
介護施設で働き、スキルアップになると思い、福祉除雪を始めました。勤務状況に応じて訪問時間を調整していただき、休日は子供も一緒に参加しています。高齢者に安心してもらい、生活の質を高めることができたらうれしいです
高齢者や認知症の方の生活を支えるのが有償ボランティアです。旭川市社会福祉協議会センター事務局が条件や希望を事前に聞き取って調整し、提供会員(手助けしたい人)と依頼会員(手助けが必要な人)をつなぎます。
旭川市社会福祉協議会では、次のとおり、3種類の有償ボランティアがあります。興味のある方は、お気軽にご相談ください
【詳細】旭川市社会福祉協議会(5の4 23・0742)
家族からの依頼を受け、高齢者宅で食事の準備・片付け、掃除、洗濯等の家事支援や、買い物・通院の付き添い、話し相手などをします(1時間700円、以降30分ごとに350円、別途交通費)
家族からの依頼を受け、認知症の方の見守りや話し相手、散歩等の外出や趣味活動の支援をします。また、家族の休息のためにも利用できます(1時間500円、以降30分ごとに200円、別途交通費)
ファミリーサポートセンター介護型と認知症サポートセンター、この2つの提供会員になるには養成講座の受講が必要です
高齢者や認知症の方を支える有償ボランティア(提供会員)の養成講座を開催します。有償ボランティア募集右の2つの提供会員になるには養成講座の受講が必要です
日時 9/28㈫ 9:30~16:00
ところ いきいきセンター神楽(神楽4の3)
詳細 旭川市社会福祉協議会 23・0742
※ 10月・11月にも別会場で開催予定。
約15㎝以上の降雪があった日に、スノーサポート隊が自力での除雪が困難な高齢者世帯等の自宅に出向き、玄関から公道までを除雪します(30分500円、以降30分ごとに500円、別途交通費)
厚生労働省によると、ボランティアなど社会参加の割合が高い地域ほど、転倒や認知症、うつのリスクが低い傾向があると示されています。社会参加で、健康寿命が延びるかもしれません。
社会福祉協議会で、4地域に1人ずつ配置しています。住民組織や関係団体と連携し、情報をまとめ、支援の充実を図ります
生活支援コーディネーター
藤井 大介さん
これまで埋もれていた困りごとをキャッチし、解決するための新しい仕組みを、住民と一緒に考えています。日頃から地域の人と挨拶を交わすなど「いつでも関わっていいですよ」という合図を送り合ってほしいです
厚生労働大臣から委嘱され、市内34地区で782人が活動しています。支援が必要な方を見守り、専門機関につなぐ身近な相談相手です
民生委員
猫山 房良さん
定年後、社会への恩返しになればと思い、民生委員を引き受けました。「あの人は困っているかもしれない」と先回りして声を掛けています。困ったときはお互いさま。他愛のない話から始めて、互助を広げたいです
高齢者の総合的な相談窓口です。社会福祉士・保健師・主任ケアマネジャーと、市が独自に置く精神保健福祉士が支えます
末広・東鷹栖地域包括視線センター センター長
渡瀬 千代美さん
いつでも適切な支援が行えるよう、圏域内の町内会と定期的に意見交換を行い、町内会マップを作成しています。町内会や民生委員と情報共有し、専門職と地域住民との連携による高齢者のサポート体制を築いています
認知症地域支援推進員(長寿社会課職員)
大谷洋人さん
認知症は、加齢により誰でもなり得る病気です。統計によると、令和2年の時点で、65歳以上の6人に1人が認知症といわれており、同7年には5人に1人になるといわれています。
認知症になっても誰もが自分らしい生活を送るためには、子供から大人まで、全ての方が認知症について正しく理解し、認知症の方やその家族を地域全体で支えること、早期に認知症を発見して治療すること、一人一人が正しい方法で認知症を予防することが重要です。市では、認知症の方やその家族を包括的に支援するため、市内11か所に地域包括支援センターを設置し、各センターと市に認知症地域支援推進員を配置しています。推進員は、関係機関と連携し、住民へ向けた認知症に関する知識の普及啓発、認知症の方やその家族を支援するための体制づくりに取り組んでいます。身近に認知症が疑われる方がいた場合は、早めに推進員に相談してください。
また、市内各所で高齢者を対象とした認知症予防教室を開催し、脳トレなど認知機能の低下を予防するプログラムを実施しています。少しでも早く相談することで、地域で通える場やボランティアを紹介するなど、選択肢が増えます。
認知症の方が住みやすいまちは、誰もが住みやすいまちだと思っています。地域や職場で温かく見守る人が増え、本人が望む生活をかなえられる旭川にしたいですね。
介護予防教室の様子
脳トレや体操など、脳や体をたくさん使うことが、認知症の予防につながります
高血圧症や高脂血症、肥満などの対策や、運動・食事などの生活習慣病対策が、認知症の予防に効果的です
家族や友人と楽しく過ごすなど、社会との接点を持つことが、認知症の予防に効果的です
国際アルツハイマー病協会と世界保健機関(WHO)は、毎年9月を「世界アルツハイマー月間」と定めています。市内でも、9月に認知症の啓発活動を展開しています
市では次の取組みを行っています
認知症に関する相談先などをお知らせするポスターを掲示しています
市内の図書館で、認知症の啓発パネル展を開催しています
住民一人一人の理解と行動の積み重ねが、住みやすいまちづくりにつながります。皆さんも、自分でできる範囲や自分のペースに合わせてできるボランティアに参加してみませんか?
【詳細】長寿社会課 25・6457
この記事のキュレーター
ボランティアスタッフ
森 梢さん