2021年11月23日
巧みな技術で私たちの暮らしを支える職人たち。経験を重ねるごとに魅力を増す、技能の世界を紹介します【詳細】産業振興課 65 7074
装飾と保護のため、建物の外壁や内装を塗る「建築塗装」。ローラーや刷毛などを使って、手作業で塗るケースが一般的です。高所では足場を組んで作業します。
父が農業機械を整備する職人で、私も手に職を付けようと考えていたところ、求人情報で塗装工の仕事を知りました。「気難しい職人が多いのかな」と想像していましたが、優しい人ばかりで、温かく迎えてくれました。現場の女性は私1人ですが、周りの職人に教えてもらいながら、作業に励んでいます。休憩中はYouTubeでペンキ店の動画を先輩と一緒に見るなど、気さくな雰囲気の職場です。
慣れないうちはサポートしてもらいながら、足場を組んだり、20㎏ある塗料の缶を運んだりと体力的に大変でしたが、今は筋力も付き、コツもつかんだので、重い物も持てるようになりました。
病院や学校、住宅など様々な現場があり、1か月ほど通うこともあります。同業他社と一緒になる現場では、女性の職人と会うこともあり、すぐに仲良くなれます。
5年目の今も、塗料を無駄にせず、均一に素早く塗るのは簡単ではありません。リフォームの現場だと、壁の状態によって塗り方を変え、表面を補修する場合があります。奥が深いので、日々勉強です。母によると、私が天井を塗った日の夜、壁を塗るように、腕を上げて寝ていたこともあったそうです。
建物の印象を左右する仕事なのでプレッシャーがありますが、完成した建物を見ると、うれしい気持ちでいっぱいになります。最初の現場は自宅近くのドラッグストアで、今でもその外壁を見て「きれいに塗れたな」と思います。始めの頃はくじけそうになるときもありましたが、今は楽しんで仕事をしています。
色を混ぜる「調色」が苦手なので、上達したいです。来年は国家資格の一級塗装技能士に合格し、胸を張って「職人」と言えるようになりたいです。
平成29年に未経験で「ひだの塗装工業」に転職し、現在5年目。二級塗装技能士。病院や学校、個人住宅の壁などの塗装を担当。
学歴や資格を問わず、未経験者が多く活躍しています。就職先は塗装会社や工務店が一般的。旭川高等技術専門学院では、塗装を学べる色彩デザイン科があります。国家資格に「塗装技能士」があります。
この記事のキュレーター
塗装職人 小西侑希奈(こにしゆきな)さん