2022年11月11日
ここ数年でさらに人気が高まっているプラモデル業界。中でも人気のガンプラは、発売と同時に売切れてしまうほどの人気ぶり。年々ガンプラのレベルも上がってきて、組み上げるだけでリアルな仕上がりになるんですが、やはり塗装すると断然かっこよくなるんですよね。今回は、ガンプラ初心者にもわかりやすいように、超細かく組み立てから塗装、ディテールアップまで写真と文章に加え、動画でも解説していきます!これからガンプラをはじめようと思っている方もぜひ参考にしてくださいね。
ガンプラといってもHG(ハイグレード)、MG(マスターグレード)、PG(パーフェクトグレード)など様々な種類があり、各ラインナップにいろんな商品があるので、初心者は何を作ろうか迷ってしまうんですよね。
この記事では、中級者向けながら初心者でも作りやすいRG(リアルグレード)で解説していきたいと思います。
HGだと低価格ではあるんですが、組み立てただけでは完全に設定通りの色にはならなく、細かく塗り分けが必要なので、見栄えを意識するならRGを購入するのが無難です。
ということで今回は、初代テレビ版機動戦士ガンダムのラスボス、人気キットで入荷してもすぐ売り切れちゃうRGジオングを例に説明していきます!
まずはランナー(各パーツが付いたプラスチック製のもの)からパーツを切り出していきます。
切り出す際には専用のニッパーを使用します。
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こちらは先端が細いプラモデル専用のニッパー。
価格はだいたい1,000円ぐらいで販売しています。
ランナーからパーツを切り出す際、狭い場所に付いているパーツもあるので、プラモデル専用のニッパーを使用するのがおすすめ。※パーツがえぐれちゃうので絶対にハサミは使わないで!
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ランナーからパーツを切り離す際、ランナーにくっついているゲートと呼ばれる部分を少し残して切り離します。
パーツギリギリの部分まで薄刃ニッパーで切り離してしまうと、パーツ本体がえぐれてしまうためで、残した部分はこのあと処理していきます。
というような感じで全てのパーツを切り出していきます。
RGともなるとかなりのパーツ数がありますが、一つひとつ丁寧に切り出していきましょう!
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次に使用するのは片刃ニッパーと呼ばれる工具。
刃が片側にしか付いていなく、もう片方は平面になっているプラモデル専用のニッパーです。
これを使ってゲート後をカットすると、パーツがえぐれず綺麗にカットすることが出来るんです。
価格は安い物でも3,000円程と、ニッパーにしては少し高く感じてしまうかもしれませんが、綺麗に仕上げるためには必要不可欠な工具なので1本用意しておくことをおすすめします!
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刃が付いている方をパーツ側に添えて、ゆっくりとカットしていきます。
このパーツの場合、周りに邪魔になる突起などがないのでこのままカットできますが、位置的に難しい場合は90度ずらし、横向きにカットしてきます。
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片刃ニッパーでゲート後をカットすると、このようにあまり跡が目立たなくなります。
普通のニッパーでカットすると、どうしてもえぐれてしまったり、白化といって、パーツに負荷がかかり白くなってしまうことがあります。
少し慣れが必要かもしれませんが、ぜひチャレンジしてみてください!
片刃ニッパーでゲート跡をカットしても、まだ跡は残ってしまいます。
綺麗に仕上げるためにここからが重要な表面処理の工程です。
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使用するのは数種類のヤスリ。
場所や素材、大きさによって使い分けていくんですが、100円ショップに売っているヤスリでも十分対応できます。
人によっては600番→800番→1000番と、ヤスリの番手を順番に変えていく人もいるんですが、個人的にはいきなり1000番で削っても綺麗にできると思うので、今回は1000番のヤスリを使用して説明していきます。
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この青い工具は模型店などで売っている商品で、紙ヤスリを貼り付けて使用するもの。
固いプラ製なので、削った時にパーツの端が削り過ぎて丸くなってしまうことがなく、綺麗に仕上がります。
価格も数100円なのでおすすめ。
ちょっとだけ削りたい時なんかは100円ショップに売っているヤスリでも全然OK。
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削り終えたパーツがこちら。
ゲート跡が綺麗に消えていますよね。
あまり力を入れすぎないのがポイントです。
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RGなど少し高めのキットになってくると、アンダーゲートといって、組み立てた時見えなくなる場所にゲート跡が残るパーツもあります。
ここはしっかりカットして削らないと、組み立てた時に隙間になったりするので、丁寧に処理しましょう。
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また、パーツによってはパーティングライン(プラモデルの成型時に樹脂の接合部分に起こる線)が発生するパーツがあります。
ここも組み立てた時にかっこ悪いのでヤスリで削って、平面にしていきます。
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こんな感じで綺麗に削っていきます。
と、いうような作業を全てのパーツに行っていきます。
パーツ数が多いキットだと途方もない作業で、これだけで数日かかる場合もあります(笑)
ですが、綺麗に仕上げるためにとても重要な工程なので、しっかり丁寧に処理していきましょう。
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中にはこんなに小さなパーツもあるので、無くさないように注意が必要。
削るときもどこかに飛んで行かないよう、優しく削っていきましょう。
完成後の見栄えを良くする手法のひとつとして、ディテールアップがあります。
パーツに溝を掘ったり、プラ板で新たに突起を追加したりなど、かなり色々な手法があるんですが、ここではパーツに溝を掘るスジボリという方法をご紹介していきます。
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まずは元からある溝を彫りなおしていく作業。
手間ではあるんですが、後で行う作業に役立ってくるので、溝の浅いパーツは彫りなおした方が良いです。
使用している工具は、スジボリカーバイトといって、刃の部分は1,500円程。
幅もかなり種類があるんですが、HGやRGの場合は0.15ミリぐらいのものがオススメです。
最初から力を入れて彫ると、滑って違う箇所に傷をつけてしまうので、ゆっくりと何回か削っていきます。
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ディテールがなにもなく、寂しいパーツには新たにスジボリを追加していきます。
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スジボリガイドテープという透明で厚みのある専用のものを、好みのデザインになるようパーツに貼りつけていきます。
テープに沿ってゆっくりと削っていくことで、新規のスジボリを彫ることができます。
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完成したパーツがこちら。
どんなデザインにするかは『スジボリ デザイン』などで検索すると、様々な作例がでてくるので参考にしてみてください。
スジボリや表面処理で削ったあとは、表面が毛羽だったり削りカスが付着してしまうので、100円ショップのメイクブラシや歯ブラシなどで、綺麗にしておきましょう。
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全ての表面処理が終わったらようやく塗装作業に入っていきます。
模型店などで販売しているクリップでパーツを挟み、100円ショップに売っている猫の爪とぎなどに刺して準備します。
クリップで挟む際、完成した時に見えなくなる部分を挟むように注意してください。
爪とぎの台座部分に、どのランナーのパーツか分かるように『A』など書いておくと後から分かりやすいです。
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塗装する際は専用のブースを使用します。
もちろんなくても塗装自体は出来るんですが、部屋中シンナーの匂いが充満してしまいますし、家で動物を飼っている方なんかはブース必須だと思います。
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こちらのブースはインターネットで13,000円ぐらいの物。
窓からホースを出して、塗装の際にでる匂いや粉を部屋に充満しないようにしてくれます。
移動も簡単なので、とりあえずプラモデル製作を続けようと思っている方におススメです。
大きなファンが付いていて、結構大きな音が鳴るので夜は迷惑かも・・・
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塗装に使う塗料はこういったもの。
メーカーも数種類あり、模型店に行くとびっくりするぐらい何百と種類があるので、イメージ通りの色を探します。
作る度買い足して行くうちに、自宅にも200以上塗料の瓶が…。
今回はイメージに近い色にするため、外装のグレーを塗装するのにこちらの4色を使用しました。
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外装パーツの塗装が終わりました。
塗装工程について、詳しくは動画で紹介しているのでそちらをチェックしてみてください。
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次にパーツの情報量を増やしてかっこよく仕上げるために、塗り分け作業をしていきます。
塗装が完了したこちらのパーツですが、グレー1色で少し面白みがないので他の色を使って塗り分けていきます。
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塗分けたい面が覆われるようにマスキングテープを貼り付けていきます。
今回は大き目のマスキングテープ1枚で完全に覆うことが出来ましたが、何枚か使用しても大丈夫です。
貼り付けたら塗分けたい境目の溝を爪などで押し込んで、溝が分かりやすいようにしておきます。
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跡はデザインナイフで溝に沿ってカットするだけ。
ズレないようにゆっくりカットするのがポイントです。
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カットした部分のマスキングテープをはがすとこんな感じ。
あとは、塗りたくない部分を全てマスキングしたらOK。
ここに塗り分けたい色を塗ると塗り分けが完了です。
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塗り分け完了したものがこちら。
単色の時よりもメリハリが出てかっこよくないですか??
これは好みなので、シンプルな仕上がりが良い方は何もしなくても全然OK!
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こちらのパーツ、既に塗り分け完了したものなんですが、『アドバンスドMSジョイント』と言って、RGシリーズによくある最初から組み上がっているパーツなんです。
そのため複雑な構造で塗り訳が面倒だったりするんですが、今回は様々な種類のマスキングを使用し塗り分けしていきます。
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こちらは円形マスキングといって、はじめから円状にカットされた便利なマスキングテープ。
サイズも様々であらゆる大きさに対応しています。
今回のパーツは円状の部分があったので、一度全て黒系で塗装し、そのまま黒で残したい場所をマスキングしていきます。
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細い部分は、カッターマットにマスキングテープを貼り、定規を使い細くカットしたものを使用していきます。
細かい部分をマスキングする際に結構多用するので、多めにカットしておくと便利です。
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マスキング完了したものがこちら。
グレーに塗りたい部分だけが残っている状態です。
完成形が最初に載せた画像になります。
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こちらはメタリックに塗装したパーツ。
奥がメタリック単色に塗装したもので、手前が筆でゴールドをアクセントに塗ったもの。
細かい部分ですが、パイプっぽいものなどはアクセントでゴールドに塗ると一気にかっこよくなるのでおすすめです。
模型店に行くと細い筆がたくさん売っているのでそちらを使用してください。
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ガンプラはだいたい車でいうマフラーみたいな【バーニア】というパーツがついています。
ここは熱くなる部分なので、金属が焼き付いているような雰囲気を出していきます。
元々深い緑のパーツなんですが、その上からまず暗めのメタリックを塗装します。
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次に塗装したのがクリアグリーン。
下地のメタリックが透けて金属っぽい雰囲気がでています。
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最後に、バーニアの縁部分にクリアブルーを塗装します。
焼き付いた感じの雰囲気になったような?
赤や黄色をプラスするともっとリアルな感じになるかもしれません。
ようやく組み立て作業に入っていきます。
説明書通りに組み立てればなんの問題もなく完成しますが、たまーに左右逆に組みつけちゃったりなんてこともあるので、慎重に組み立てていきましょう。
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組み立てたら見えなくなる部分までディテールがたっぷり!
根気のある人はこうゆう所を塗り分けするのもあり。
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塗り分けした箇所も情報量がアップしてかっこいい!
組み立てる瞬間はやっぱり楽しいですよね♪
でもまだまだ作業は終わらない…。
パーツに元々入っている溝や新規で入れたスジ彫りに塗料を入れていくスミ入れ作業を行っていきます。
パーツの境目がくっきりしてかっこよくなるんです。
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使用するのはスミ入れ用の塗料。
明るい色はグレー系、濃い色はブラックというように使い分けていきます。
拭き取り用にエナメル溶剤も用意します。
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スミ入れ塗料は先が筆になっているので、溝に少し当てて上げるとスーっと塗料が流れていきます。
これを全ての溝に行っていきます。
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はみ出た部分はエナメル溶剤を付けた綿棒で拭き取っていきます。
軽い力で簡単に拭きとれるのであまりこすり過ぎないように注意。
もうすぐ完成です!
次はデカールを貼る作業。
キットにはデカールが付属しているんですが、基本的に付属しているデカールはシールタイプで余白が多く、貼るとシール感が出てしまうんです。
別売りで水転写式デカールといって、水に浸して貼る薄いデカールが販売されているので、そちらを使用します。
今回のようにRGジオング専用のものはもちろん、汎用品などかなり種類があるので、イメージに合うものを選んでみてください。
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まずは台紙から貼りたいデカールだけをデザインナイフでカットしていきます。
複数ある場合はまとめてカットしても大丈夫ですが、貼るときに作業しにくいので4つぐらいまでが限度かも。
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デカールをピンセットで掴み、水に浸します。
だいたい3~5秒でOK。
水から出したらキッチンペーパーに両面を軽く当て、デカールの面を上にして1分ほど待ちます。
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その間にマークセッターというデカール専用ののりを、デカールを貼り付けたい場所に一滴塗布します。
大き目なデカールだと数滴塗布するといいかも。
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1分ほど経過したら台紙からステッカーが剝がせるようになるので、ピンセットで剥がし、マークセッターを塗布した場所に乗せます。
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乾くまでは位置の微調整が可能なので、位置が決定したら綿棒を上からころがして水分を抜いたら完成。
結構繊細な作業なんですが、これを全身に貼り付けていきます。
途方もない作業です…。
個人的にデカールはかなり多めに貼り付けた方がカッコいいと思っているので、いつもこれだけで数日かかります(笑)
いよいよ最後の作業!
このままでは塗装面が弱く、テカリが出ていたりする部分もあるので、よりリアルに仕上げるためトップコートを吹いていきます。
艶消し仕上げや半光沢、ツルツルの光沢など、好みによって仕上げるんですが、個人的には一番リアルな質感になるであろう半光沢がおすすめ。
半光沢にも様々な種類があるので、いろいろ試してみるといいかも。
デカールを保護する役割もあるので、トップコートは必ず吹いてくださいね。
トップコートを吹いてようやく完成!!
時間をかけて製作したおかげでかっこよく出来たんではないでしょうか??
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デカールも良い感じ♪
と、完成まで結構細かく説明してみたんですが、参考になったでしょうか??
見るだけだとちょっと難しいし工程が多く感じてしまうかもしれませんが、初めて見ると集中して作業できちゃうんですよね。
初めは製作で分からない部分も多くあると思いますが、これからチャレンジする方もレベルアップしたい方もぜひ参考にしてもらえると嬉しいです♪
動画でも詳しく説明しているので、そちらもチェックしてください!
個人的に一番よく行くお店で、店内には所狭しとプラモデルやラジコン、ガンモデルなどがいっぱい!
男性なら確実にわくわくするお店です。
ガンプラの種類はもちろん、塗料もたくさんそろっているほか、店員さんが丁寧にいろいろ教えてくれるのも魅力。
初心者の方もぜひ行ってみてほしいお店です!
店名:タケウチモデル 本店
住所:北海道旭川市近文町18丁目2782-6
電話:0166-46-9501
営業時間:10:00~19:00
定休日:水曜日
駐車場:あり
豊岡にある模型店で、道内でも屈指の広さ。
とにかく商品数が豊富で、いろいろな商品があるので目移りしちゃう(笑)
2階にはラジコンやミニ四駆のコースがあったりと、家族でも楽しめるのが魅力。
プラモデルはもちろんですが、ラジコン好きの方にもおすすめです!
店名:ホビーショップてづか
住所:北海道旭川市豊岡11条2丁目1-7
電話:0166-33-9126
営業時間:11:00~19:00/土・日・祝10:00~
定休日:火曜日
駐車場:あり
旭川のおもちゃ屋さんといえばこのお店を思い浮かべる人も多いですよね。
子ども用のおもちゃが多いイメージですが、プラモデルもたくさん!
塗料も販売しているので、模型店ではないけどこのお店だけでもいろいろ道具が揃うのでおすすめです。
店名:おもちゃのヨシダ
住所:北海道旭川市本町3丁目437-238 吉田ビル
電話:0166-51-1519
営業時間:10:30~19:00
定休日:なし
駐車場:あり
ここは穴場です!
ホームセンターにも関わらずプラモデルを豊富に扱っていて、中には他店舗で売り切れてしまっているレアキットがあったり!
塗料も販売している珍しいお店なのでぜひ行ってみて♪
店名:DCM 宮前店
住所:北海道旭川市南7条通19丁目2182-83
電話:0166-39-2101
営業時間:9:30~20:00
定休日:なし
駐車場:あり
この記事のキュレーター
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