2020年02月18日

比布町にポケモンが出現! 日本一過保護なマンホールって何!?【ポケふた】

JR比布駅のすぐ横にポケモンが出現するという情報を聞きつけ、役場職員の方に取材! その正体はなんと、ポケモンの絵柄が描かれたマンホールでした♪ しかも噂によると”日本一過保護なマンホール”と呼ばれているそうで…? 今回はそんな気になるアレコレを紹介いたします!


『ポケふた』って知ってる?

『ポケふた』とは『ポケモンマンホール』のことで、各地域の来訪客を増やすことを目的に株式会社ポケモンが始めた試みです。

それぞれに景色や特産品といった地域ごとの特色がイラストに反映され、これまで日本各地に55枚を超える数のポケふたを設置。2019年の11月末には北海道で新たに、15枚のポケふたの仲間入りが発表されました♪

その内の1ヵ所となる比布町のポケふたが、”日本一過保護なマンホール”と呼ばれ注目を集めていると聞きつけ、早速お話を伺ってきました。

こうして生まれた比布町の『ポケふた』 描かれているのは"あの"ポケモン!

取材に応えてくれたのは、比布町総務企画課の新井さん。ゲームやアニメで『ポケットモンスター』を楽しんだバリバリのポケモン世代だそう。

初めてゲットしたポケモンは『キモリ』。

出典:asatan

 

比布町での『ポケふた』設置の構想がスタートしたのは2018年の8月頃。北海道から、ポケふた設置への意向に関する調査の書類が届いたことが始まりでした。

「ポケふたによる町おこしの期待もあったが、それ以上に“地域の方々に喜んでほしい”」との思いから、新井さんは「ぜひ設置したい!」とすぐに返事を返しました。

それからしばらく経った2019年3月。道からの連絡があり、なんと比布町でのポケふた設置が決まったのです。

「北海道には179の市町村がありますが、設置が決まったのは【たったの15か所】だけ。設置自治体がどのように選定されたのかはわかりませんが、比布町が選ばれてとても嬉しく感じたのを覚えています」と、新井さんは当時の喜びを振り返ります。

キャラクターやデザインは、すべて株式会社ポケモン側で決められたそうで、初めて絵柄を見たのは「こんなマンホールが届きますよ」と連絡が来た9月頃でした。

赤色のラインは比布町名産のいちごがイメージか
出典:asatan

 

「そこには、ペンギンがモチーフの人気ポケモンポッチャマと、北海道をPRする『北海道だいすき発見隊』隊長のポケモンアローラロコンが、雪だるまと一緒に可愛く描かれていたんです。スキーのまち 比布町を象徴する冬らしいデザインで、とても感激しました」と目を輝かせて話します。

ポッチャマが描かれた理由として、ポッチャマの英語名『ピップラップ』が『比布』に掛かっているから、という噂も。

設置は意外にもひっそりと…

新井さんの手元にポケふたが届いたのは11月22日の金曜日。「“設置式”のようなイベントを企画しても良かったのですが、やっぱり地域の方たちに早く見てほしいから」と、その翌週、新井さんともうひとりの職員 工藤さんの2人だけで設置することに。

マンホールは意外と重く、100kg近い重量。JR比布駅前までトラックで運び、設置個所の地面を手作業で掘り、慎重にマンホールを置いて…と、 作業はとても大変だったそう。

設置後、嬉しさのあまり自撮りをする工藤さん
写真提供:比布町総務企画課

 

「当初は旧比布中学校の駐車場にあるマンホールと置き換えようと考えていたのですが、どうしても人や自動車が踏んでしまう位置だったんです」と新井さん。

株式会社ポケモンとの話し合いのなかで『配管の整ってない場所にダミー(偽のマンホール)として設置してもOK』とのアドバイスがあり、それならと、人通りが多くカフェも併設されたJR比布駅のすぐ隣に設置することに。

「ほかの自治体では屋内に設置したケースもありますが、【より気軽に見に来てもらおう】と考え、屋外での設置を決めました」。

日本一過保護なマンホール(?)の誕生

こうして設置された比布町のポケふたですが、実は一部の人々の間では密かに“日本一過保護なマンホール”と呼ばれているんだとか。

一体どういうことなのか、新井さんに伺ってみたところ、「その場所に行けばきっとわかっていただけるはず」との返答が。

実際にJR比布駅前へ足を運んでみました。

出典:asatan

 

出典:asatan

 

「こちらが比布町のポケふたです」

新井さんに導かれるまま歩いて行くと、駅舎に向かってすぐ右側にポケふたが。…ってあれ? テントが建てられていますね?

出典:asatan

 

すぐそばにはスコップとほうきも。持ち手には『ポケふた用』と書かれたラベルが張られています。

「これが日本一過保護と呼ばれる理由ですね」とちょっぴり得意げな新井さん。

「比布町はスキーのまちと呼ばれるくらいですから、当然、積雪量が多い地域です。そこでマンホールが埋まらないようにと、テントを建てました」。

テントには看板まで。「ゲット」の表現が粋。
出典:asatan

 

「それでも雪に埋もれてしまうことがあるので、見に来た方が各自で除雪できるように道具も用意したのですが、これが良かったみたいです。色んな方から『自分でポケモンを見つける感覚がゲームみたいで楽しい!』と反応があって。見るだけでなく、体験まで楽しんでいただけて嬉しいです」。

「雪で埋まっていたら、やさし~く除雪を」と新井さん
出典:asatan

 

ちなみにポケふたのすぐ隣には、比布町のキャラクター『スノーベリーちゃん』が描かれたマンホールもありました。「ポケふたを通して比布町のことも知ってもらえたら」と、ポケふた設置の後に置いたんだとか。

出典:asatan

 

なんと【ポケふた保存会】と呼ばれる組織がある?

取材の終盤で、新井さんから衝撃の一言が。「このマンホールが日本一過保護と呼ばれる理由はこれだけではありません。『ポケふた保存会』の活動がSNSで話題になっていることも挙げられます」「会長が近くに住んでいるので、お会いしてみますか?」

ん?『ポケふた保存会』?『会長』? 気になるフレーズが2つも登場してしまったので、お言葉に甘え会長のご自宅へ伺うことにしました。

ポケふた保存会会長の谷口さん
出典:asatan

 

訪ねたのは町内でクリーニング店を営む谷口さん。この方が『ポケふた保存会』の会長だそうで、この会についての詳細を聞いてみました。

最初のコメントはなんと「まずね、ポケふた保存会は"組織"でも"グループ"でもないんですよ。しいて言うなら”活動”のことを指します」。

というのも、ことの発端は谷口さんが自らポケふたを除雪する様子をTwitterにアップしたことに始まったそう。

「当初は町を盛り上げたいと思って、除雪とTwitterでの情報発信を定期的にやっていたんです。そしたら友だちが冗談でハッシュタグ【#ポケふた保存会】とか、【「会長」】とか書いちゃって(笑)。次第に噂が広まっていったんです」と照れ笑いを浮かべる谷口さん。

ほぼ毎日のように除雪をする内にポケふたへの愛着が沸いたそうで、クリスマスにはマンホールのもとへケーキを持って行ったり、元日にはしめ飾りを飾ったことも。

「私の活動がきっかけかはわかりませんが、ポケふたを守る活動をしてくれる方は少しずつ増えています。ポケふたを大切にしたいと思ってくれた時点で、皆さんは保存会の仲間です。この輪をもっともっと広げ、ポケふたを通して比布町に興味を持つ人を増やしていけたら」と笑顔で話してくれました。

おわりに

今回は、比布町のポケふた設置の経緯から、町民の活動までを取材しました。

"日本一過保護"と呼ばれる比布町のポケふた。ただ守られるだけでなく、人と人、人と町を結ぶ大切な役割を担っていました。

これから先、どんな取り組みが行なわれ、どのように「過保護」にされるのか注目です。

「まだ見に行っていない」という方は、お早めに足を運んで、雪のなかからポケモンを"発見"してみてください♪

【比布町ポケふた】基本情報

名称:比布町ポケふた
住所:北海道上川郡比布町西町2丁目6-1(JR比布駅舎横)
電話:0166-85-2111(比布町役場)
駐車場:あり

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この記事のキュレーター

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