2019年10月29日

旭川にも多く住んでるネパール人!カレーだけじゃない彼らの魅力

気がつけばスーパや公園でも見かけることが多くなった外国人。そんな中でも国内で急激に増えているのが、ネパール人。ネパールにも住んでいた僕が伝える彼らの魅力と、僕にしか聞けないインタビュー。世界でも特に気が優しく、フレンドリーと言われるネパール人に迫ってみました。


なぜみんなカレー屋を始めるのか

 
気が付けば、旭川の市内でも至る所に店舗を構えるようになったネパールカレー屋さん。旭川に限らず日本全国でとても多くのネパールカレーや、インドカレー屋が目立つようになりました。もっと言えば、日本のみならず海外の先進国では、ネパールカレー屋がどんどんと増えています。
日本でネパールカレー屋が増えている理由のひとつは、ビザの取得のしやすさ。他の職種を始めるよりも、比較的ビザが取りやすいのが理由です。また、多くのネパール人が海外へ働きに出るのですが、日本は人気の国のひとつでもあるのです。理由は、安全、高収入、国民性…など。

親戚関係で経営

ひとりが日本で生活し始めると、それを機会にどんどんと家族や親戚を呼び寄せるのがネパール人の特徴でもあります。
旭川を中心に「スーリヤ」を展開しているネパールカレー屋もそのひとつ。北海道に多くの店舗を構えていますが、働いている従業員は、最初は親戚関係から始まりました。スーリヤに限らず、このような展開を行なっているのは特別なことではありません。
ネパールで働いて1ヶ月の賃金は、日本だと1日で稼げる賃金なのです(地域による)。ですので、多くのネパール人は親戚のツテを使って国外で働くことを選択します。

多くのネパール人は転々と

 

長く旭川に住んでいるネパール人もいれば、その逆も。

様々なツテやネパール人のネットワークを使って、他県で働いている他の店舗から働きに来るネパール人もいれば、こちらの生活に慣れて自分のお店を展開するネパール人も多数。

沖縄の宮古島や石垣島にもネパールカレー屋さんはありますし、稚内にもネパールカレー屋はあります。むしろ、今ではネパールカレー屋のない地域を探す方が難しくなっています。そんなふうに、全国各地を転々としながら働いている従業員が多数います。

日本の何が好き?何が大変?

 
彼らが好きな日本の食べ物はラーメン、寿司はもちろんのこと日本の魚が美味しいとのことです。
海がないネパールでは、あまり多くの魚は流通していません。また、北海道のトウモロコシは彼らいわく「甘すぎる」とのこと。これが普通で育ってしまった道民には理解しづらいかもしれませんが、基本的にどこの国のトウモロコシも甘く育つものはありません。なので、北海道のトウモロコシは意外な味になってしまうのです。

行ってみたいところは意外

東京に行ったことのないネパール人は「東京に行ってみたい」と言います。
しかし意外にも多い意見が、広島や長崎。実はネパールに限らず、海外で日本国内で有名な地名は東京の次は広島や長崎が多い傾向にあります。理由は、どこの国でも学校教育で唯一原爆が落とされた町として勉強するので、多くの人が知っている地名でもあります。

不便なところ

(日本語の書類にいつも悪戦苦闘)

 
日本なので仕方ない部分もありますが、英語が通じないのにはやはり最初は苦労することも。
基本的にネパールで放送されるテレビ番組は、英語圏での放送をそのまま放送することが多いので、多くのネパール人は英語での会話は難しいことではありません。特に今の若い世代ですと、大体90%は英語でのコミュニケーションがとれるそうです。
また、首都圏から遠い旭川などで、部屋を借りるのもひと苦労しています。外国人に免疫の薄い北海道民はまだまだ、外国人に部屋を貸すということに不安を感じています。賃貸書類の難しさよりも、その前の段階で苦労することの方が多いのです。

ネパールの祭りを旭川で!

 
ネパール人はお祭り好きな国民性を持っていて、ネパール国内でも一年に大きな祭りが4回ほど。小さなお祭りも含めると、相当な数になります。
そんな彼らは、お祭りの時にネパールに帰国することができないので、スーリヤでは全道に散らばる系列店から毎年10月に旭川に集まりダサインというお祭りを祝います。
普段お店では出していないネパール料理や、ネパールの音楽をかけて踊る彼らのお祭りスタイルを2020年以降、旭川を拠点にして旭川の人たちも一緒に楽しめるようなお祭りを計画しています。
旭川にいながらネパール人スタイルのお祭りを楽しんで、普段あまり接することのないネパール人たちと交流してみましょう!彼らもまた、日本人や旭川の人たちと交流できることを、とても楽しみにしています。
このダサイン祭りを日本で大きくやってみようと計画しているのは、日本では初めてのことなので、興味や賛同してくれる人はぜひ、4dgypsy@gmail.comまでご連絡ください。

是非とも伝えて欲しいこと

長年親交のある、左アミットと右キラン(スーリヤ川端店)

 
今回取材した彼らから、どうしても記事に書いてくれと強く嘆願されたことがあります。
「私たちは北海道でも色々なところで生活しましたが、旭川の人たちは本当に優しい。日本人自体が優しいが、それでも旭川の人たちは特別優しくしてくれる。この場を使ってありがとうと言いたい」 この発言には聞いているこちらも驚きました。インタビューを受けている彼らからの要望だったからです。 またネパールはサッカーがあまり発展していないこともあり、日本代表のサッカーが好きな人も少なくありません。
特に人気なのが元日本代表「本田圭佑選手」。
「僕たちは日本代表のスポーツを見るときは日本のサポーターです!」嬉しい限りですね。

この記事のキュレーター

バドミントン元全日本ジュニアチャンピオン。20代半ばよりオーストラリアで生活後、アジア、南米、北米を1年半放浪。帰国後は沖縄の宮古島、兵庫の淡路島などで島生活を経てバドミントンネパール代表のコーチに就任。その後メキシコでジュニア代表もコーチし、マヤ族と一緒に生活。海外ではクリスタルやオパールなどの天然石の買い付けも行い、マクラメジュエリー、アトリエ「名もなき石屋」を幌加内で運営。著書にノンフィクション「旅を終えると君の余命は1年だった」を出版。英語、スペイン語、手話での会話が可能。