2020年04月12日
旭川市の【豊岡産科婦人科】で院長を務める【久田孝司先生】に登場していただき、さまざまな身体の悩みにお答えしてもらいます。※この記事は2017年8月に発行されたタウン情報誌『asatan 9月号』で掲載した記事を再編集したものです
友人が昨年末頃から「生理がひと月に2、3回もある」と心配していました。生理の出血は多い時と少ない時とがあるようです。生理痛もある時とない時があると言っていました。普通は月に1度だと思うのですが、何か悪いところがあるのでしょうか?
(20代/会社員)
月経(生理)周期は通常【ひと月に1度】。その【間隔は25日から35日ほどが普通】です。20日よりも短かったり、45日よりも長ければ、何か問題があると考えていいでしょう。
周期が長いよりも短い方が身体にはよくないのです。頻繁に出血をすることで、貧血になりやすいからです。
お友だちの状況ですが、情報が少なくてあまり正確なことは言えませんが、本当の月経の中間に、排卵期の出血があるように思います。これは排卵の時期に女性ホルモンのひとつであるエストロジェンがやや過剰に分泌されて、子宮の内膜が厚くなり、【出血しやすい状態】になることで起きます。
月経と月経のちょうど中間あたりで起きることから、中間期出血とも呼ばれています。右か左の下腹部に張ったような軽い痛みを伴うこともあります。これを【排卵痛】といい、排卵した卵巣の側が痛みます。
出血量が少ないのであれば、この排卵期出血はそれほど問題になりません。【量が多かったり、1週間も続く】ようなら婦人科を受診してみて下さい。超音波検査で排卵前後に見られる卵胞というものを確認し、視診で頚管粘液に混じった血液が見られれば、ほぼ確定します。
排卵期出血の多くは数日で治まりますが、先ほど述べたように1週間以上続いたり、いつもの月経の量以上に多いようなら診てもらう必要があります。軽いようなら【止血剤】のみ、なかなか止まりそうになければ【ホルモン剤】の投与になるでしょう。
毎月量の多い、そして長く続く排卵期出血があるようなら、継続的にホルモン剤の投与が必要になるかもしれません。
このほかにも、本当の意味でのホルモンのバランスが崩れた状況(女性ホルモンの分泌が少ない)でも不正出血が起こります。ただ、この場合の出血は【時期が一定ではなく、下腹部の痛みを伴うことも少ない】のです。
若い女性の場合は卵巣そのものの異常ではなく、卵巣をコントロールする脳下垂体からの性腺刺激ホルモンが乱れていることが多いようです。その原因として、【ストレス】や【過激なダイエット】が挙げられます。
拒食症で月経が止まることはよく知られていますが、逆に【不正出血】が起こるということもあります。これが、生理がしょっちゅう来る、と嘆く原因になります。ひどくなると、出血していない日がない、というまでになってしまいます。
血液検査などでホルモン分泌状況はわかります。あまりこじらせないうちに、早めに受診することをおすすめします。
豊岡産科婦人科
院長:久田孝司
住所:旭川市豊岡4条1丁目1-10
電話:0166-31-6801
※コラムの内容については、筆者の見解を尊重したものであり、すべての読者に当てはまるとは限りません
この記事のキュレーター
出典:asatan