2025年09月22日

昭和レトロな酔い心地 【ホッピー】 が飲める店

「ホッピーって何?」そんな人にもおすすめ。ビールのようでビールじゃない、ユニークな飲み物の正体と楽しみ方を深掘り。また、楽しめるお店をご案内します。 ※情報は取材時のものであり、現在、商品の内容や価格が変更されている場合がありますので、予めご了承ください


ホッピーってなに?

『ホッピーとは、麦芽とホップから作られた、ビールテイストの「清涼飲料水」です。アルコール度数は1%未満のため酒類には分類されません。甲類焼酎などを加えて割って飲むのが一般的で、割り方や好みに応じて自分だけのオリジナルドリンクを楽しめます。低カロリー、低糖質、プリン体ゼロというヘルシーな特徴もあり、そのまま飲むこともできます。』
以上、GoogleのAIさん解説。

東京は浅草の飲食街、その名もホッピー通りでこれを知り、とりこになった若かりし頃の筆者。
その後、旭川でもたまに、これにお目にかかることができ、しばしば愛飲している次第。こよなく愛す東京下町に思いを馳せながら呑むホッピーは格別だ。

ホッピーの注文のしかた・飲み方

 

上:これがホッピー。
黄色のラベルが「しろ」と呼ばれる、ごく普通のビヤテイストタイプ。
黒いのは「くろ」と呼ばれる、いわゆる黒ビールテイストのもの。

 

画像合成がちょっと雑で申し訳ないが、上が、白・黒それぞれに割ったもの。
早い話が、こんな感じのものを楽しむ訳だが・・・

知らないヒトには、まず注文がちょっとしたハードル。
割った飲みものといっても、「ホッピー割り」というドリンクはメニューに存在しない。
焼酎と、それを割るホッピーの両方を注文し、自分で割って飲むのがお作法。
面倒なようだが、量のあん分(濃い薄い)を自分で決められる、自分だけのホッピー割りを楽しめるというのは楽しいものだ。

いざ、注文!!

では、ホッピー用語を説明しておこう。はい、ここ試験に出ますよぉ~(笑)。
居酒屋のメニューには大概こう書いてある。

ホッピー セット○○円 
ナカ○○円 ソト○○円

ナカとは、グラスで提供される焼酎のこと。ホッピーと混ぜ合わせる中身のことなのでナカ(中)と呼ばれる。
ソトとは、ナカに対して外側という意味のホッピーのこと。

テロップ製作:筆者

 

まず、よーいドンで注文すべきは「セット」。ホッピーと焼酎の2つが同時に提供される。これがなきゃ始まらない。

大概の店ではグラスに1/4~1/3程度の焼酎を入れてくれる。
焼酎の味を濃くして吞みたければホッピー少なめ、焼酎を薄くしたければホッピーを多く注げばよい。
で、飲み干して2杯目というとき、ホッピーが残っていれば「ナカ」のみを注文し、再びソトで割る。

また、例えばさらに飲み干して3杯目。「ナカ」を注文したが、「ソト」が足りないぞというときは「ソト」も注文すべし。
ちなみに筆者、ホッピーは香りづけ程度で十分なので、かなり少なく注ぐ。ので、「ソト」1本で「なか」3~4杯呑むかなりの節約型。決してケチっているわけではないので悪しからず。
ちなみに、浅草ホッピー通りでは、多くの店が出すナカは焼酎の炭酸割りだ。

ホッピー 昭和レトロたる由縁は

ときは戦後の混乱期。酒場には粗悪な酒が流出、ビールなんぞ庶民には高嶺の花。
そんな中、誕生したのがホッピーだ。割りものの材料としてではなく、ビール気分を楽しめるというコンセプト。
であったが、安価な焼酎もこれで割るとビールの風味を再現できる!! と話題に。以来、特に東京下町の大衆居酒屋を中心に、爆発的に人気を集めたそうな。
これがホッピー誕生の歴史。昭和レトロたる由縁だ。

ちなみに、ホッピー割りの発祥は新橋の居酒屋だった説が有力。

下町気分で乾杯!ホッピーが呑める店めぐり

お酒や とほにほ

 

いかにも呑み処な風情がたっぷり。
しかも!! 「ホッピー」のポスターが!! これは嬉し過ぎますよ。

 

同店のホッピーは

セット...550円
ナカ...250円
ソト(白・黒)...各390円

さらに同店は焼酎にこだわりアリ。

 

上はメニューを抜粋したものだが・・・
あ、ホッピー、昔のデザインだ。なつかしい。
キンミヤとは、近年ちまたで人気の焼酎の名前(ニックネーム)。
ほのかな甘みとまろやかな口当たり、すっきりと軽やかな味わいで、東京の下町で人気となったというシロモノを、同店は扱っている。
この焼酎でホッピーをやれるなんて、ますます嬉しい。

ちなみに「シャリキン」とは、キンミヤを凍らせてシャーベット状にしたもの。
しゃりしゃりしたキンミヤ、だからシャリキン。
より冷たいホッピーが楽しめる。

ホッピーにはコレ!!

ハムカツ(490円)

 

ホッピーにお似合いなアテを紹介。

下町情緒をより楽しむなら、やっぱハムカツ。
トンカツよりカジュアルな味わい、しかもお手頃な、いかにも庶民のオカズ。
同店のハムカツは、なかなかの厚切りで、ちなみに一番人気だとか。
たしかに旨い。

お店情報

店名:お酒や とほにほ
住所:旭川市2条通7丁目
電話番号:050-5328-8853
営業時間:17:00~0:00
定休日:不定休
駐車場:なし

サンロクのらくらセンター

 

同店のホッピー取扱いは長い。
移転前、3条通6丁目にあった創業店の頃からあり、当初は白だけだったのに対し「黒も置いて」と懇願しメニューを増やしたのは、この筆者だと自負している(だだの思い込みだろ)。

 

同店のホッピーは

セット...550円
ナカ...200円
ソト(白・黒)...各350円

ホッピーにはコレ!!

手前:ポテトサラダ(440円)

 

ホッピーにお似合いなアテを紹介。

吞み屋といえばコレでしょ。定番中の定番はポテサラ。
でも何でだろう・・・という疑問は置いといて、まろやかまったりなポテトがよく合うこと請け合い。
特に、ほんのりビターな黒と甘酸っぱいポテトの相性は抜群。
ちなみに、向こうは程よく酢の効いた「長いもザクザク(330円)」。

ほか、名物の「ガリサバ」もおすすめ。
ホッピーは、お口の中をさっぱりさせるので、脂ののったサバとも相性良し。

お店情報

店名:サンロクのらくらセンター
住所:旭川市3条通7丁目
電話番号:0166-74-3339
営業時間:14:00~24:00(金・土・祝前日は25:00まで、日は23:00まで)
定休日:水曜
駐車場:なし

旭川ほるもん 七輪屋

 

え?焼肉屋さんにも?

って、それが何か?
庶民の行くところホッピーあり、です。

ホルモンといえばモツ。
浅草のホッピー通りは、またの名を「もつ煮通り」と。
界隈の店は大概もつ煮を出している。
すなわち、ホッピーとホルモンは切っても切れない間柄なのだ。

 
 

七輪とホッピー。これまた絵になりますなぁ。

同店のホッピーは

セット...550円
ナカ...300円
ソト(白・黒)...各270円

ホッピーにはコレ!!

 
 

ココは良い肉を置いてるから、牛サガリや牛タンなども勿論イケるが、ホルモンをころころしながら、ホッピーをやるのが絵になりますな(筆者の勝手なイメージですが)。
数あるメニューから、おすすめしたいのは、辛みそ系。辛みそホルモン、辛みそ豚サガリなど、そのこってり感がすっきりとしたホッピーの飲み口と相性良し。

また、前の章でも述べたが、焼肉で口の中が脂っぽくなった時こそ、ホッピーですっきり。
焼肉の良き友なのだ。

お店情報

店名:炭火焼肉/旭川ほるもん 七輪屋
住所:5条通7丁目5.7小路ふらりーと内
電話番号:0166-22-4682
営業時間:17:00~23:00
定休日:火曜
駐車場:なし

おまけ マドラーはどうすれば?

マドラーとは、グラスの中の飲み物をかき混ぜるぼっこのこと。
ぼっこ? 棒状のものと言いましょう。

 

上がぼっこ、いや、マドラーだ。
通常、ナカにはマドラーが添えられていて、ソトを注いでかき混ぜる訳だが、それが済んだあとが問題。
酔っていたりすると、吞もうと口を寄せたときに鼻の穴に刺さったりすることがよくある(笑)。
ので、取り出したいが、どこに置く?

焼酎やウイスキーの水割りセットを頼んだときなら、アイスペール(氷が入ってるやつね)やピッチャー(水が入ってるやつ)に刺しておくものだが、さて。
店は、ここに置いてねと、皿とか出してくれない。濡れたまま、テーブルに直置きする訳もいかず、仕方ない方そのまま飲んで、また鼻に刺すか(笑)。

 

あ、それね。ホッピーの瓶に刺しといて。

と教えてくれたのは、ホッピー通り某店のおばちゃん。
そうか、なんか粋だな。

決まりでも法律でもないが、こうすることがやっぱスマートですかね。


この記事のキュレーター

美味しいもの、旨い酒を味わう時間が何より大事。
不惑の呑兵衛を目指すべく、きき酒師の資格を取得。

・SSI認定FBO公認 きき酒師
・日本酒WEBメディア SAKE TIMES ライター