2020年07月10日
新しいお店を巡るのも面白いですが、ちょっと待った! 忘れちゃいけない、旭川のラーメン文化の土台を創りブーム黎明期の立役者となった老舗の存在を。いや知ってるよと思っても、改めて食べてみれば新しい発見があるかも知れませんよ。さあ、ラーメン好きのための、旭川ラーメンに還る旅へ出かけてみませんか。移転されてきた方、あるいはラーメンビギナー必見です。
あちらこちらで実によく見かける、もう旭川の風景といってもいいくらい。
行く先々にあったものだから、所用のついでとよく世話になったものだ。というか現在進行形で通っている筆者である。
数ある中、今回は本店にご登場願いましょう。
Photo:KOTA
いかにも典型的なラーメン、といった風体。であるが、筆者には昔から変わらないこの表情が映えそのもの!透明感あるスープに浮かんでは散り漂うラード。この様子からして、ああ、ほっとする(笑)
ひと口。すっきりとした醤油の香りに、さらに心が和む優しい味わい。
お馴染みの、ちぢれた麺の食感と相まって、食欲が増す。
で、どうしても一緒に味わいたいのが・・・
Photo:KOTA
白いごはん。
普段はゴハン不要な筆者だが、無性に食べたくなるんだな。醤油ダシの効いたスープとよく合い、ご飯の旨みが増す。これが病みつきなのである。
熊っ子はそのくらい庶民的な味、と今回の記事で書こうと思っていたが、先般、改めて味わってみれば、それはシンプルでありながら思っていた以上に洗練され繊細である。
長年親しまれているだけあるなと感服。
店名:旭川熊っ子ラーメン本店
住所:旭川市大雪通7丁目
電話:0166-24-0696
営業時間:11:00~20:00
定休日:不定休
駐車場:あり
「特一番」も物心ついた頃から市内のあちこちにあったように思う。
筆者がよく訪ねたのは東光店と、特に印象深いのは今は姿を消したアサヒビル(宮下8丁目)の地下にあった店。確か太い丸太をぶった切ったようなテーブルで食べたような・・・。
懐かし話はその位にして、今回訪ねたのは、そんな所にもあったのねという感じの三条店。
Photo:KOTA
3条と聞けばサンロク?みたいなイメージもあるが、はるばる来たぜ、ここは21丁目。
Photo:KOTA
いつもながらコク深いスープが、醤油ダレの風味をまろやかに美味しくしてますな。
そう、これこれ。いつ食べても飽きの来ないノスタルジックな味わいが特一番だ。
多店舗展開を図った同店。まちのラーメン通の間では、特一番各支店は独自に味わいを変化させているという説もあるが、それはそれで悪くはないと思う。微妙な味の違いを楽しみに、特一番探索も楽しいかもしれないね。
店名:特一番 三条店
住所:旭川市3条通21丁目右10
電話:0166-32-1457
営業時間:11:00~20:00
定休日:不定休
駐車場:あり
店舗は、5条通7丁目と3条通15丁目に。昔は旭川駅の地下にもあった(旧駅舎時代)。
筆者が初めて訪ねた店は、その小路が「ふらりーと」と呼ばれる、そのずっと前。そう、今でいう五条創業店だ。まだ高校生だった当人は小路の暗くて猥雑なムードに、コワい人が出てくるんじゃないかとドキドキしたもんだ(笑)。
Photo:KOTA
理由は思い出せないが、とおるチャンという友達がおごってくれた1杯に、筆者はこんな旨いラーメンがあったのかと驚愕。以来、その虜になったという次第。
その頃のメニューはラーメン、チャーシューめん、野菜めん(タンメン)。それにライス、ビールという感じだった。ラーメンも今でいう醤油のみで、味噌とか塩はなかった。
時代は変わり、三代目の台頭を機にメニューが増えたのだが、昔はひとこと、「ラーメン、ふつうで」で済んだが、今じゃ、何ラーメンですかと問われるので、あらかじめ「醤油」と言わなきゃならないのが少々はがゆい(笑)。そうそう、「ふつう」とは油の量ね。「油はどうしますか」と量の加減を店員さんに問われるので、通は先に「ふつう」とか「濃く」とか言うのだ。
Photo:KOTA
まろやかな豚骨スープの舌触り、コクのある魚介ダシと焦がしラードの香り、もっちりとした麺。ひと口ごとに心身が癒される。
ある者はその旨さを「やみつき」と言う反面、ある者はその味を「苦手」と言う。
好きか嫌いかで市民を真っ二つにし、友人間や職場で蜂屋論争まで起きる。かつてこんなラーメン屋が世にあったろうか(笑)
で、筆者はというと、ここに載せる位だからもちろん「やみつき」の蜂屋マニアだ。
支持派が言うように、豚骨に魚介ダシの効いたスープと、焦がしラードがクセになっている。
店名:蜂屋 五条創業店
住所:旭川市5条通7丁目
電話:0166-22-3343
営業時間:10:30~19:50
定休日:不定休
駐車場:あり
長い歴史を誇る同店。今では中心街に1店、永山はラーメン村に1店と、幅広い客層を獲得しているご様子。
今回は前者の四条店を訪問。昼時の行列はお馴染みの光景だ。
Photo:KOTA
旭川ラーメンに、明確な流派はないものの、ここのラーメンは硬派だと筆者は思っている。
主張の強い動物系ダシ、つんと鼻をつく醤油は醤油らしくと言わんばかりの醤油ダレ、それらを覆いアツアツを演出するラード。麺はこれぞ低加水中太縮れ麺のお手本と言わんばかりのクオリティ。
全てがソウルフルである。
Photo:KOTA
広告やメニューの写真ではチャーシュー枚ってことになってるんだけど・・・。
ちょっと小さいから3枚ね、ってことかな。良心的である。
Photo:KOTA
さらに、もっちりとしたチャーシュー、さらりと歯ごたえの良いメンマ。
それらの一体感、というかバランスも素晴らしい。
見た目は奇をてらうことのない普通のラーメンだが、食べると、やっぱり天金だなといつも感心する筆者なのだった。
店名:らーめんや天金 四条店
住所:旭川市4条通9丁目1704-31
電話:0166-27-9525
営業時間:11:00~20:00
定休日:火曜日
駐車場:あり
まず出会ったのは、さんろくの味特。もっぱら宵越しのお付き合い。
その後、豊岡に支店が出来て、車で出かけたついでのランチなどで便利になった。
Photo:KOTA
店舗画像を見ただけで、あの旨みをたっぷりと蓄えたこってりスープの香りを思い出す。
Photo:KOTA
醤油ダレは、チャーシューをじっくりと煮たんだろうなと思わせるコク深さ。
そしてコシのある中太麺と、それらがそれぞれに昇華して独自の食べ応えある一杯が出来上がっているようだ。
それはそうと、味特に関しては、我が人生(呑兵衛の人生)において、さんろく街にある本店を置いては語れない。
本店 Photo:KOTA
旭川市3条通7丁目つかさビル1F
TEL(0166)23-6574
PM5:00~AM3:00
不定休
はしご酒の締めはラーメン。行きつく先はもっぱら味特だった。
酒を飲んだ後は、味特の味の濃さがしっくり来るんだな。
おまけに、宵越しのラーメンは、朝、寝起きの調子がいい気さえしたものだ。そんな刷り込みもあって、呑んだ後はラーメンというパターンが身についていたんだと思う。
※医学的根拠は不明(個人の思い込み)
店名:ラーメン専門 味特 豊岡店
住所:旭川市豊岡1条1丁目3-18
電話:0166-32-0916
営業時間:11:00~21:00
定休日:月曜日
駐車場:あり
そういう話ならあそこがある、ここもあると多くの方がそれぞれに推す店が多々ございましょうが、ここでは筆者自身が長く親しんだ、かつ、現在もなお食べ続けている店ということでセレクトさせていただいた。
で、どこが一番旨いのかって?
いやいや、断じて甲乙をつけられるものじゃございません。レシピやスペックは二の次で、自分にとってはどこも、ただただ慣れ親しんだ味なのであります。
自分なりのラーメン感。あなたも振り返ってみませんか。
この記事のキュレーター
Photo:KOTA