2019年10月28日
近年はスタイリッシュなカフェが急増していますが、じつは歴史ある秀逸な喫茶店も多い旭川。たまにはタイムスリップした気分で、純喫茶で穏やかな時間を過ごしませんか?
出典:asatan
旭川市出身の作家・三浦綾子の代表作「氷点」にも登場する、旭川最古の喫茶店です。
創業80年という歴史が見守る店内は、昔と変わらず穏やかな時間が流れていて、ゆっくりと本を読んだり友人と話をするのに最適な空間です。メニューには、店自慢のコーヒーが数種類揃うほか「銅板焼ふわふわリコッタパンケーキとコーヒーのセット」など、世代を問わず愛される軽食も多数ありますよ。
「若い人は入りづらいかもしれないけれど、珈琲もケーキもこだわって作っているのでぜひ来てほしい」とマスター。流行りのカフェでは味わえない雰囲気と、その歴史を覗いてみてはいかがでしょうか。
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常連だった現オーナーの吉川さんが、前任者に声をかけられ引き継いでから早10年、店は今年で創業44年を迎えました。
店内のギャラリースペースでは、月に2回個展や写真展(有料)を開き、市内在住の画家の作品を中心に展示。芸術好きの吉川さんは「絵画を通して人とのつながりができるのが、この店の魅力」と語ります。
ファンが多い「ルルオリジナルコーヒー」は、布フィルターで抽出するネルドリップで、酸味控えめで飲みやすいのが特徴。食事メニューも人気で、早朝には「モーニングサービスセット」もあります。お値段も600円程度でお手頃ですよ。芸術とコーヒーで、疲れた心を癒しませんか?
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店に1歩足を踏み入れるとすぐに、コーヒーの良い香りに包まれる…。コーヒー専門店として店を構えて42年の、神田珈琲園。
コーヒーのことをひたすら考え、東京で厳しい修行を積んだマスターの斉藤さんが淹れる1杯には、生豆の仕入れから焙煎方法まで一切妥協がありません。ちなみにマスターのオススメは、風味豊かな「ブレンドコーヒー」と、店の豆を使った甘さ控えめの「オリジナルコーヒーラスク」のセットだそう。
「珈琲でわからないことがあったらなんでも聞いて」と語る斉藤さんからは、確かな知識と経験に裏打ちされた自信や、仕事に対する誇りを感じます。
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創業41年目を迎えるジャズ喫茶。
“コーヒーと音楽が好きな人に、本でも読みながら落ち着いた時間を過ごして欲しい”がコンセプトの店内は、コーヒーの香りとジャズが心地良い穏やかな空間です。名物は「コーヒーとケーキのセット」で、苦みを強調しつつも飲みやすい沙羅茶館ブレンドと、手作りケーキを一緒に味わえます。お値段は800円程度です。
店では月に1度、全国で活躍する演奏家を招いたジャズライブを開催しています。店主の田中さんは「年数が経って名前は広まったので、これからはいろんな企画を考えて新しい沙羅茶館を知ってもらいたい」と話していました。
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喫茶店そのものに憧れていたご主人が、喫茶店にあまり行ったことのなかった奥様に協力していちから創り上げた店「陽々亭」。今年で創業36年を迎えました。
ご主人のサポートを受けながらも、現在1人で店に立つ陽子さんは、創業当時を「お客さんに助けられて乗り越えられた」と笑顔で振り返ります。
暖色照明のもと観葉植物が並ぶ洋風の店内は70年代の雰囲気で、中でも目をひくのはコーヒーカップをインテリア風に並べたスペース。店を訪れた人が置いて行った思い出の品も多いとか。
常連も新しい客も多い陽々亭。上品な雰囲気と「またきてね」の温かいおもてなしが、来る人を虜にしています。
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この地に移転して19年、創業36年目。昭和の香り漂う店内は、多くの人が喫茶店を待ち合わせやひと休みに、と頻繁に利用していた頃の雰囲気がそのまま残っています。
かつて喫茶店巡りも料理も好きだったという店主の上楽さん。名物の「日替わり弁当」を始めとする、創業時から変わらない真心の込もった料理は、お客さんから「初めて食べたとき、亡くなったお袋の料理と同じ味に驚いた」と言われたこともあるんだとか。
古書、漫画など多くの本が揃うのもまた、この店の魅力です。広々ボックス席で、コーヒーを飲みながら読書をする。36年の時を経ても変わらない、至福の時間がここにありますよ。
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2002年にリニューアルオープンを経た、レトロな造りの隠れ家的名店です。
「ゆっくりしたい時に来ています」という常連のお客さんの言葉通り、年代物のインテリアが飾られた落ち着ける雰囲気の店内は、2015年に公開された映画「愛を積む人」のロケ地としても使われたそうです。
「お客さんのおかげで今までやって来られました。感謝しています」と語る店長の島影さんの人柄も、客が集まる理由のひとつ。メニューはサイフォンで淹れる自慢のコーヒーのほか、根室名物のデミグラスソースがかかったカツレツ「エスカロップ」が人気。11:00~14:00にはランチメニューも豊富に揃っていますよ。
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昭和63年創業。カウンターに大きなサイフォンが置かれた、本格コーヒーを味わえる一軒家カフェです。店名の“古伊万里”は、江戸時代に焼かれた日本で最初の磁器・伊万里焼のこと。
店内には「いつか自分の店を持てたらいいな」と考えていた店主の笹森さんがコツコツと集めた、伊万里焼とアンティーク家具がずらり。もちろんコーヒーは伊万里焼のカップで提供されるため、味も雰囲気も両方楽しめます。
料理はすべて手作りというこだわりで、食事利用の客も多いそう。店舗裏にはその味に魅了された常連客の要望で開いた、テイクアウト専門のパンと惣菜の店もあるんですよ。
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麻雀やインベーダーゲーム、ガラスのサイフォンを備えた“純喫茶らしさ”のスタイルを貫いて15年。
ある時はゲームや会話を楽しむ憩いの場に、またある時は読書やこだわりのコーヒーを味わう個々の空間にと、訪れる人によって多様な姿に変化します。
ママの吉田さんは、多くの喫茶店が店を閉め、簡易的なスタイルのカフェが増えたことで時代の変化を感じつつも「手間を惜しまず、昔風のスタイルのままこの空間を残していきたい」と話します。「多くの人と知り合えたことが財産です、昔来ていた人も懐かしがって来てくれたら嬉しいな」。
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旭川市内、9軒の純喫茶をご紹介しました。いかがでしたか?
いつ行っても、古き良き雰囲気にうっとりしちゃいます…。読書するにも、音楽を聴いてボーっとするのにも、デートにもおすすめですよ。ぜひ足を運んでみてくださいね。
この記事のキュレーター
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