2021年01月31日
「今朝ノ酒」に「蔵酒一番しぼり」等々この冬もNEWSな旭川の地酒。近頃発売の商品をさっそく味わってみました。それに合う自作の酒肴も紹介しています。
まずは、男山酒造り資料館の売店へ。
酒造りが始まったことを知らせる酒林(下画像の丸いもの)は、まだ青々としています。
男山ファンなら、この時期は見逃せない!と楽しみにしているのが「今朝ノ酒(けさのさけ)」。酒造りが行われる限られた期間だけ同社の酒造り資料館だけで販売されるレアな生原酒です。
さて、何がどうレアなのか。
日本酒の多くは製品化の際、加水(アルコール度数を調整する)と、加熱(酵母の発酵を止める)という作業を行います(これによって品質を安定させる)。男山の人気商品、生もと(きもと)純米、上撰なども工程を経て出荷されるのですが、あえて、これを行わずに出荷しようというのが「今朝ノ酒」。
加水、加熱を行わないものを「生原酒」といいます。生原酒は濃厚な香りと味わいが特徴で、それは何ともフレッシュでフルーティー。
つまり、普段から愛飲している男山の原酒が味わえる、かつ、期間限定というからファンは飛びつくのは当然といえましょう。
男山には多数の人気ブランドがあり、その数だけタンクがあります。何をいつ瓶詰めするかのスケジュールに合わせ、今朝ノ酒の発売が決まります。例えば、○日は上撰の日、△日は復古酒の日・・・てな感じですね。
前述の加熱等の工程の前に、朝のうちに生原酒のまま瓶詰め。だから「今朝」なんですね。
ちなみに、筆者が買い求めたのは1月22日。その日は「雪しばれ」の日でした。
雪しばれは筆者も垂涎の冬季限定品。香味の爽やかな薄にごりのある特別純米生酒です。
市販品は↓こんなラベルです。
生って書いてあるよ。それも、生酒じゃないの?
はい、いいとこに気がつきましたね。
加熱をしてない点では生酒なんですが、市販品は加水がしてあって、そのためアルコール度数は15度。対して雪しばれの原酒は18度です。この濃~い感じ、飲み比べて味わってみたいってのが人情ってもんでしょ(笑)
朝、工場で瓶詰されたものはすぐさま酒造り資料館に運び込まれます。そしてショップのスタッフさんがラベルを手貼りします。
丁度、そこに通りかかったので様子を撮らせて頂きました。ますますレア感たっぷりでしょ。
で、
さあ、念願の1本!
おもむろに味見です。というか晩酌開始です(笑)
ワイングラスを使うのは、グラスの形状がテイスティングに向いている(香味がとても分かりやすい)から、また、冷酒を冷たいまま味わうためです。
ほんのりと甘い香りに誘われてひと口。
口当たりは軽く、生酒らしいぴちぴちとした舌触りがフレッシュです。
瞬時に、口の中に軽快な旨みがじゅわっと沁みてきました。そしてスッとキレる。いい感じです。
なーんて、きき酒師ゆえこんな言い方をしますが、何のこっちゃですよね(笑)
率直に言えば(早く言えよ)、さらりとすっきり。それでいて日本酒らしい旨み程よく美味。
原酒らしい甘味もあるが、甘すぎないところがとてもいいです。こんなに飲みやすいのにアルコール度数は意外に高いので飲み過ぎ要注意、ですね。
酒のアテはボンゴレ。ふつうは白ワインでしょという場面に、こういうタイプの日本酒は鉄板です。ワインを凌駕する相性の良さを実感できますよ。
この晩酌。パスタの風味で生酒の旨味がさらに引き立ち、酒が進んで仕方ない(笑)
いやはや、堪能致しました。
今朝ノ酒は2月も他ブランドが発売される予定です。
詳しくは酒造り資料館にお問合せ下さい。
男山 酒造り資料館
住所/旭川市永山2条7丁目
電話/0166-47-7080
開館時間/9:00~17:00
休館日/年末年始
さて、こちらも蔵元直売所だけの限定発売品から1本を。
同社の人気商品、明治酒蔵売店限定品「蔵酒一番しぼりシリーズ」の販売が、この1月中旬よりスタートしたようです。
一番しぼりとは、酒を搾る際に一番最初に流れ出たもののこと。これを加熱、濾過をせずに瓶詰めした酒は、フレッシュで華やかな香りと爽やかな喉越しが特徴、とされています。
同シリーズには、北海道産米(吟風・彗星・きたしずく)や美山錦で醸し、全8種類のラインナップがあり、酒質も純米大吟醸酒から本醸造酒までと様々。
現在は『純米大吟醸酒 蔵酒一番しぼり(吟風)』と、今回、筆者が購入した『純米酒 蔵酒一番しぼり(きたしずく)』の2種が発売中。
「きたしずく」とは北海道産の酒造好適米(よく酒米と呼ばれる)の名称。現在3種類ある道産の酒米の中では比較的新しい品種で、旨みと酸味のバランスが良く、淡麗な酒を造るのに向いているとされています。
ではさっそく味見を。
ほんのりと甘酸っぱい香り。すっきりと軽い口当たりながら、確かな素材味も感じられる、なんとも楽しみ甲斐のある酒。きたしずくの良さを引き出した、通好みの酒とも言えましょうか。
前掲の「今朝ノ酒」同様、パスタともよく合います。料理が酒の美味しさを引き立てる、そんな仲だと、飲み飽きもしません。
軽いといっても、そこは原酒。確かな旨みを持っていますから、チーズや粕漬など発酵食品をツマミにするのも大いにアリです。
ほんと、すいすいと呑み進んでしまいます。
このシリーズ。1月末には、『純米大吟醸酒 蔵酒一番しぼり(彗星)』も発売予定と、順次ラインナップされる模様。
蔵元の発信によれば、それぞれ、年に1度しか瓶詰されない貴重な数量限定商品なので、売切れ次第販売終了とのことです。
蔵酒一番しぼりシリーズのラインナップはこちらをご参照下さい。
高砂酒造 明治酒蔵(直売店)
住所/旭川市宮下通17丁目
電話/0166-22-7480
開館時間/9:00~17:30
休館日/年末年始
先の記事でちらちらと見えていた酒のアテはこれです。
和風ボンゴレ。
まず、油はオリーブオイルでなくサラダ油で。
そして、本来は白ワインを使うところを日本酒で、パセリを使うところを三つ葉で作ります。
穏やかな香味のボンゴレになります。
ほんのりニンニクの香り、そして磯の風味が日本酒と絶妙な相性に。
この記事のキュレーター
雪しばれ
出典:男山様HPより