2021年03月09日
さあ春休み‼ 冬期営業(4月7日迄)ならではの面白さを見逃すな!! 動物園マニアがお伝えする動物園をより濃く楽しむコツのあれこれ。数ある室内展示から見どころをピックアップしてお届けします
コロナ禍は、旭山動物園も例外ではありません。
感染予防対策から人気の「もぐもぐタイム」などのアクティビティは、ほとんどが実施を見送りとなっています。
が、その分、時間の制約を受けず自由に過ごせるというもの。
また、道外や海外からの来園も少なく園内は閑散としていますが、おかげで以前より並んだり待たされることも断然少なくのんびりと過ごせます。
皮肉な言い方になりますがじっくりと楽しむなら、今がねらい目‼
では次章で筆者オススメ〝室内展示〟の見どころをご紹介。
ジェフロイクモザルとカピバラが共生する展示施設。どちらも寒さに弱いため冬期は室内で過ごしている。
一応、冬期も展示とマップに載っているので、ここまで歩いては来たが「なーんだ、サルいないじゃん」と素通りする客多し。実に勿体ない。
建物の両サイドでそれぞれが室内展示されているのだ。
まず向かって左側に回り込むと、クモザルが待っているぞ。
ドアを開けると、ガラス越しにクモザルの部屋を観ることができる。
ここでは、屋外展示で観るときよりも、ずっと間近にクモザルを観ることが出来る。
ちょっと狭いけど、クモザルが第五の手足と言われる尾を使って動き回る様子が手に取るように分かるよ。
でも、時には「あれ?いないねえ」なんてことも。
いやいや、よく見て。
左上のあたりに、うずくまってるクモザルありけり。
どうやら休憩中。
まあ、こんな日もあります(笑)
で、カピバラはどこに?
はい。今度はまるで反対側「くもざる・かぴばら館」の右側に。
カピバラのイラストがたまらなく素敵。
ドアを開けると、カピバラ好きには堪らない世界が!!
おおっ!いた。(当たり前です)
しかも近い。クモザル同様、夏期よりも断然間近に見られるのだ。
冬期だけの展示。これは見逃せない。
だから、ほら。
ネズミなのに足に水かきがあるのがよく分かったりもする。
もしも、お子様連れでしたら、このへんポイントですからよく見せてあげましょう。
ちなみに「世界最大のネズミなんだよ」も付け加えて。
おだやかに暮らすカピバラたち。
静かな館内で、知らずのうちに心が癒される、そんなスポットだ。
左側の何やらごちゃごちゃして見えるのは「オランウータン舎」。これは夏期のみの展示なので何も観ることは出来ない。
冬期は右側の四角い建物「おらんうーたん館」へどうぞ。
上が内部の様子。オランウータンが棲むボルネオの森をイメージしているので、けっこうな高さだ。
ところで、オランウータンはどこに?
「動物を出してないなら開館するな!」と警備員さんに怒ってる客がいたが、いやはや、警備員さんもいい迷惑(笑)。
オスのジャックはここでくつろいでいる(寝ている)ことが多い。
初めておいでになる方は、ちょっと気づきにくいので、見過ごすことのないようご注意を。
何かを黙々と食べるジャック。
いつまでたっても顔を見せてくれない時もしばしば。
まあ、そんな日もあるということで(^^;
かと思えば、違う日はぜんぜん違う光景が!
向かって左がモリト(オス/13歳)、右がその妹のモカ(6歳)。
妹のモカ
仲の良いこの二人は前出のジャックの子どもだ。ちなみにお母さんは数年前に天国へ。
オランウータンのオスは子育てをしないため、三人が一緒になることはない。
そのため、ジャックと子どもたちは交互に展示される。
ちなみに、動物の数え方(普通は1頭、2匹など)だが、一人、二人と数えるのは、オランウータンはサルではなく類人猿だから(ヒトに近い)。という筆者のこだわり。
前掲、オランウータン舎に隣接した「てながざる館」。
夏期ならば高さ14メートルの高さをシロテテナガザルがブラキエーション(腕でぶらさがり枝から枝に移動する)する様子などが観られるが、冬の寒さが苦手なので冬期は屋内施設にいる。
入口は建物の向かって右側に。
中にはシロテテナガザルの部屋が。
ガラス張りだ。柵とか網じゃないので見やすいのだ。
テナガザルは天井の柵にぶら下がって、室内を移動する。いや、移動と言うか飛ぶような俊敏さで動き回るので、撮影にはけっこう大変だ。
ちなみにサルの部屋より人間の立つスペースの方が狭い。なので譲り合って見学すべし。
と、そこへ・・・
筆者入室時は、ほかに5~6人の見学者がいて、皆が譲り合ってガラスから距離を置いて和やかに観察していたのだが、そこに割り込んで入ってきた1名ありけり。
随分と旭山動物園に慣れているふうで①大声でテナガザルの名前を大声で叫んだり、②バッグに着いてる何かをガラス越しに見せつけてサルの気を惹こうとしている様子。
園内では特に②は禁止事項。動物がストレスを感じるからだ。
ガラスに近づきたければ姿勢を低くするとか「前に出ていいですか」くらいは言うべきだろ。
ま、動物に対して支配欲をむき出しにしたところで、サルは知らんぷり。
動物をからかってるつもりが、実はからかわれているのは人間の方なのだ。
園内では比較的新しい施設。
屋外放飼場でカバを見られるが、何たって面白いのは室内だ。
カバが水中を移動する様子を様々な角度で観察できるプールがあるほか、ダチョウ、イボイノシシの室内放飼場もある。
また、地下は隣接の「きりん舎」とつながっており、とにかくキリンの見ごたえが満点!
では、順路にそってご案内。
まず入口。
ここをすたこらさっさと通り過ぎないで!
館内に向かう右手には屋外放飼場に面した窓が。ここからは、外にいるカバをその距離数十センチなんて感覚で観察できる(そこにいればの話ですけど)。
皮膚の質感までよく分かる、その臨場感!
ざらざらしてるんだねえ、なんて子どもさん連れの方は必見だ。
少し進むとプールが広がる。
ところで、かば館に暮らすカバは3頭。オスの百吉(モモキチ)、メスの旭子(アサコ)、2頭の間に昨年1月に生まれた娘の凪子(ナギコ)だ。凪子ままだ小さいので母親といつも一緒。
百吉が屋外にいれば、凪子たちが屋内。逆に凪子たちが屋外なら・・・というローテーションで展示されている。
悠々と泳ぐカバ。このプール(水槽)はとても深くて、地階からもその内部をガラス越しに観ることができる。
プールの横を通り順路に従い階段を下りると、地下の展示スペースへ。ここが圧巻!!
地下では水槽の様々な角度からカバの様子を観察できるようになっている。
左側壁面の丸いものも、実は観察窓である。
また、頭上にもカバがいることが!!
1階で見た水面が上として、今はその中。一体どういう構造になっているのが、頭の悪い筆者ではその三次元が理解できないのだった(笑)
大人しそうに見えて実はどう猛な獣として知られるカバ。水の中では実に生き生きとしていて「野生」が垣間見える。
カバの目つきや、想像以上に俊敏は運動神経が見どころだ。
上の画像は、別な壁面にあるワイド画面のような四角い窓から観たカバ。
水中、左側に丸い観察窓がありますね。
つまり、向こう側からのぞくと下のように見えているはず。
とにかく、ここはカバを探す楽しみが満載! 思わず時間を忘れてしまうほど。
この雪が降ってるようにちらちらと見えるものは、カバの糞(が舞い散ったもの)。
カバは自分の縄張りをアピールするため撒き糞をするという性質があるので、水中はどうしてもこうなってしまうのだとか。
でも、臭くないのでご安心を。
話を、階段を降り地下の展示スペースへ~に戻しますね。
左側の丸いのが前述の観察窓。その奥の通路を進むと出口。その前にイボイノシシ、ダチョウの屋内展示(冬は寒いので室内にいる)がある。
あ、出口だからと急がないで。右側がこれまた面白い。
おおっ! キ、キ、キリンがこっちを見降ろしてる!
大型動物が好きという方には堪らないのが、ここ、観察テラス。
丁度この上にキリンの餌が置いてあって、ここにいると高い確率でご覧のような状態に遭遇する。
▼外から見るとこういう状態
実に良く出来た仕掛けである。
中では、「キリンって大きいんだねえ」と動物園を満喫中の方が。
※前にいるからって、これは前述の迷惑なヒトではありません(笑)
画像を見て分かるとおり、キリンはホントに大きい。
現在、メスのキリンは子育て中(公開はされていない)。夏期営業ではベビーキリンに会えるかも。
で、キリンを満喫したら順路に戻るべく、出口方面に向かって歩き出しますと、右手壁面に・・・
ゲテモノたち・・・って何の因果で⁉
そうか、キリンやカバのアフリカつながりなんだね。
ともかくはスゴイ昆虫たちがいろいろと展示されている。
が、閲覧注意になるのでアップは遠慮させていただきます。
で、ここをそそくさと退散すると・・・
順路は終盤。
イボイノシシとダチョウの室内放飼場エリアへ。
個人的な話だが、イボイノシシは筆者お気に入り指折りの個体である。
が、何てこと⁉
イボイノシシ「ドゥニア」心不全により死亡、とある。
つい先日じゃないか。
ロケに行ったのはこの数日後のこと。実は2月上旬、旭川で鳥インフルエンザが発生し、感染予防対策でこのエリアは2月後半まで閉鎖となっていた。そのためドゥニアに会えず寂しい思いをしていたのだが、まさかこんなことに。
いのちの輝きを伝える旭山動物園。
だからこそ、動物の死を隠すことなく真摯に知らせてくれる。
上は、ひざをついて無心に餌を食べるドゥニア(1月下旬撮影)。
下は前の年、屋外で威勢よく活動していたドゥニア。迫力満点。
この愛すべきキャラクターを現場で皆さんに紹介できず残念です。
合掌。
さて、いよいよかば館のラスト。
ダチョウの室内放飼場をご紹介。
おっと、Outside Now!(欧米か)
北国もそろそろ春。陽気のよい日は室内にいる動物も外に出したりしているのだ。
ということで、出口へLet’sGo!(もういいって)
▼館内にはこんな展示もあるので、よく見てね。
屋外放飼場では、ダチョウが雪の合間を縫うようにうろうろと。
それでも遠くの景色を眺めたりしながら、気持ちよさそうだ。
と、かば館のガイドはこれにて終了。
かば館は出口から入れない(当たり前か)、つまり入口からの一方通行になっているので、一旦入場したら否が応でもダチョウまで観察することになるので、あと五分で駐車場に戻らなきゃとか時間のないお方はご注意を(笑)
牧場というと「外」と思いがちだが、ここにも室内展示が。ヤギなどがいる屋外放飼場のに隣接する牧歌的な建物の中がそうだ。
ここではモフモフな生き物が待っている。
入口をギ~ッと開け中に入ってみると、牛舎?のようだが、モソモソ、カサカサと小さな音のする中をのぞけば、カイウサギ、モルモットがわんさかと。
カイウサギ
モルモット
普段なら、ウサギなどをひざにのせ撫でたりできる、子どもに人気のイベントが設けられているのだが、今年度はコロナ禍のため見合わせ。
館内は暖房が効いていて、小さな動物たちを眺めているといつの間にか心身がほっこりと。
ここでは、ヘビ・カメ・カエル・サンショウウオを展示。
ヘビと言っても巨大アナコンダとか、そんなのはいないので過度な期待はしないように(笑)
身近な、ちょっとした場所に暮らす生き物に興味を持ってもらおうという実直な施設なのだ。
それにしても、園内に入るやいなや小学生の男の子の多くは「ヘビ観たい!」と。
男の子は好きだもんねえ。対してお母さんは複雑な顔に。
ということで、アップの画像は控えておきますね(笑)
冬期は屋外施設「チンパンジーの森」は閉鎖となっているので、屋内のみの展示となる。
が、ガラスで仕切っただけの屋内放飼場では、その暮らしぶりが手に取るように観察でき、面白さ満点だ。
動物園には2ファミリーのチンパンジーが居て、それらが交互に展示される。
ボスを筆頭に、その奥さんや子供たちの暮らしぶりは興味深い。
室内放飼場は下からも上からも観られるように設計されている。
他にも、ペンギン館やホッキョクグマ館も館内で動物を観られますが、室内展示というより屋外放飼場を館内からも観られるという仕掛けなので、追ってアップする「屋外展示編」で紹介させていただきます。
冬期は夏期よりも開園時間が短くなっているのでご注意を。
【冬季開園】
・2021年4月7日(水)まで
午前10時30分~午後3時30分(最終入園/午後3時00分)
・期間中定休日なし
※2021年4月8日(木)から4月28日(水)まで休園
【2021年度夏期開園】
・2021年4月29日(木/祝)~10月15日(金)
午前9時30分~午後5時15分(最終入園/午後4時00分)
・2021年10月16日(土)~2021年11月3日(水/祝)
午前9時30分~午後4時30分(最終入園/午後4時00分)
・期間中定休日なし
旭川市 旭山動物園
〒078-8205 旭川市東旭川町倉沼
代表電話番号 0166-36-1104
この記事のキュレーター
兄のモリト