2021年03月14日

【旭山動物園】ちょっとおせっかいな見学ガイド(屋外展示編)

さあ春休み‼ 冬期営業(4月7日迄)ならではの面白さを見逃すな!! 動物園マニアがお伝えする動物園をより濃く楽しむコツのあれこれ。数ある屋外展示から見どころをピックアップしてお届けします


いま、動物園は

コロナ禍は、旭山動物園も例外ではありません。
感染予防対策から人気の「もぐもぐタイム」などのアクティビティは、ほとんどが実施を見送りとなっています。
が、その分、時間の制約を受けず自由に過ごせるというもの。
また、道外や海外からの来園も少なく園内は閑散としていますが、おかげで以前より並んだり待たされることも断然少なくのんびりと過ごせます。
皮肉な言い方になりますがじっくりと楽しむなら、今がねらい目‼

では次章で筆者オススメ〝屋外展示〟の見どころをご紹介。

ほっきょくぐま館

 

ホッキョクグマの巨体が水に飛び込むシーンが圧巻と、動物園人気の原動力のひとつとなった施設。
ひところは長い行列が続いていたが、近頃はのんびりしたものだ。

春の日差しに誘われ、ついウトウトなんてシーンも。

 

水中のホッキョクグマを観るならば、館内へ。
館内には、プールがあり、建物の中からその水面と水中を観察できる。

▼まずここが、入口からすぐのゾーン。

 
 

▼運よく混みあっていなければ、こんなのも撮れる。さあチャンスを狙え!

 

通路を進んでいくと、今度は冒頭の画像にあった屋外放飼場に面する窓がある。
ちょっと足をとめて見てみよう。クマが現れるかも。

 

その距離わずか数十センチ!なんてこともしばしば。
このガラスの前は偶然にもクマが行ったり来たりとウロウロするコースなのだ。なので、けっこうな確率で上の画像のような状況を期待できるが、ともかくはクマが寝ていないことを祈るのみ。

ここをさらに進んでいくと、先ほどのプールを今度は上から観られる場所へ。そして出口(ここからは入場禁止、館内は一方通行)となる。

もうじゅう館

トラ、ライオン、ヒグマ、ヒョウ類がいる「もうじゅう館」。見学ルートとしては、「オオカミの森」側から入るルートと「ペンギン館」側から入るルートがある。

 

上の画像は「ペンギン館」側からの見学ルート。
見学しているヒトのさらにその先は、本来は屋上観覧施設や建物反対側に続くのだが、冬期は積雪のため通行止めになっている。

ロープが張ってあるので、その向こうに行こうとしない人が多い(そりゃそうだ)のだが、実はそのロープの手前が「見逃すなスポット」なのだ。(いつのまにそんな名前が?)

※この記事が公開される頃には雪が解けて通行止めが解除されてればいいですが

 

この、シェルターのような内部からは左手にトラ、右手にライオン(同居してはいない)をガラス越しに観ることができるのだ。
ここに立ち寄らないなんて、ああ勿体ない(笑)

じゃれ合うアムールトラの若き兄弟

 

岩の上で日向ぼっこのライオン

 
 

また、ガラスの間際にはライオンが休みやすいような板を置くなどの仕掛けがしてあって、上の画像のように、まさに間近に観察することができる。

 

上画像、さらに面白いのがこの小窓。ここからも放飼場が見えるのだが、筆者の密かなお楽しみとしては、あえてこの窓枠が写り込むようにカメラを構えて撮ると・・・

 

ちょっと映える、絵画のような1枚に。

※観察窓は譲り合うように気を付けて

 

一方、こちらが「オオカミの森」側からのルート。エゾヒグマを通過し、ユキヒョウ、アムールヒョウがいるエリアだ。
向かって左側に向かって進んでいくと、屋上に上がることができ、上からもヒョウたちを観察できるようになっている。

 

筆者が撮った高い位置にいるユキヒョウ。
向こう側にカメラを構えた二人がいるが、そこが屋上。つまり、この放飼場は1階と2階の違う高さから、本来ヒョウは木の上でも活動するというイメージが分かりやすく観察できる仕組みになっている。

 

上画像は屋上の様子。夏期ならこの先から階下に降りられるのだが、冬期は通行止めになっている。

レッサーバンダ舎とその周辺

レッサーパンダの橋渡りが面白い、人気スポット。

 

飼育数も多く見ごたえはかなり良い。
給餌の時間を工夫し調整しているのか、レッサーパンダは餌を食べるなどして寝てばかりということもなく、開園中はいつもちょこまかと動いているように見受けられる。

 
 

とまあ、レッサーパンダは概ね安定して見学できるので、これでよし、と(笑)

はい、次、行きますよ~

コチラから見ればレッサーパンダ舎の右隣りの小獣舎。冬期は1種だけ公開中。

小獣舎 マヌルネコ

 

あれ?いない。
箱の中?木の向こう?冬だから出してないんじゃない?
と、簡単にあきらめて立ち去る人々多数。

いやいや、いますから。
向こうの壁、上の方に。

お金出してんだから、ちゃんと見ましょうよ(笑)

 

分かりにくいよねぇ。でも、こっちから分かりにくいというのは、向こうにしてみれば安心してるんだろうか。

筆者が思うに(筆者が通りかかると)、マヌルネコは大概そこにいる。

 

今は冬毛でもこもこ中のマヌルネコ。筆者も動物園でこれを見るまでは知らなかった。

園のHPによれば、シベリア南部から中国、イラン、アフガニスタン等の標高が高い草原や半砂漠に棲むヤマネコの一種なんだそうな。体長は50~60cm。「マヌル」はモンゴルの言葉で「小型のヤマネコ」の意味。

寝ていること多し。目でも開けていればラッキー!くらいに思っておけばいいかな。

ホッキョクギツネ

 

お次は、さっきの小獣舎の反対側、レッサーパンダ舎の左隣り。
雪だらけ、というか、もともと小山になっている放飼場なのでこのように。

またいなじゃないかよー、どーなってんだよー って?

います。ちゃんと見て。

 

体毛が保護色になってるかなあ(夏は灰褐色:冬は白)。慣れるとすぐに見つけられるんだけどね。

はいカメラさん、ぐっと寄ってみて。

 

やっぱ寝ておる。元来は夜行性だから仕方ない。
というか、飼い犬もそうだけど、この手の動物は1日の半分以上は寝てるから。

という日もあれば、いくら目を凝らして探しても、このまんじゅうのようなのが見つからない!と、そんな日には、この施設の向かって左側サイド(ほっきょくぐま館側)に移動せよ。

 

左側、雪がこんもりとしているその周辺を探すべし。
つまり正面からは見えなかったどこかに、あやつは隠れているはず。

 

ほら、いた。オモテにいなけりゃ裏にいる。

これがホッキョクギツネ。文字通り北極圏に棲むキツネの一種。
冬毛のせいでごらんのようにモフモフだが、夏はすっきりとスリムな体型だ。

シロフクロウ

 

ぱっと見では分かりにくいが、ちゃんといますよ。
オス、メスの2羽。

下の方にいるのがオス。なぜか向こうを向いていること多し(?)。
上の方にいるのがメス。

 

あ、こっちを向いてくれた。

 

筆者は未定なのだが、外国の少年魔法使いの映画に、この白いフクロウが出ていたとかで、ハマるヒトにはハマるようだ。
もとより筆者はシロフクロウが大好き。

▼ほら、こんな表情に平和を感じませんか

 

ぺんぎん館

すべてはペンギンの気分次第?

屋外放飼場には大概ペンギンがいて、いわば見学の安定株的スポットだが、その他はペンギンの気分次第。

 
 

ぺんぎん館の名物といえば、プールの中を360度見渡せる水中トンネル。
頭上のペンギンたちが空を飛ぶように見えたり、水中を驚くほどの速さで泳ぎ回る様子は圧巻だ。

 
 
 
 
 

しかしコレ、1日中泳ぎ回っているわけではないので、気に留めておいていただきたい。
地上にいるのも水の中に入るのもペンギンの気分次第。

でも仮に見られなくとも、順路を進んでいけば、館内ならではのペンギンの見え方というのがある。

 
 

館内には、屋外放飼場と行き来できるまるでコロニーのような室内放飼場がある。ガラス越しとなるが、それぞれのペンギンが何をしてるのか観察するのも楽しい。

さらに進んでいくと、屋外放飼場にいるペンギンを、足元から観察できる窓がある。

 
 

まあ、これだけでも館内に入った甲斐はあるというもの・・・? いや、価値あり。

さて、再び外に出てみると、おや、何やら不思議な造りものがあるぞ。
これは、人類がペンギンのいる場所へ行ける橋?

残念、違うんだな。

 
 

これは冬期、雪深くなってから設置される「トボガン広場」。
ぺんぎん館の屋外放飼場から、ペンギンが橋を渡って画像こちら側にある雪のプールにやって来るという仕組み。
ペンギンたちが雪と戯れるシーンを間近で観察できるというものだ。

ちなみに「トボガン」とは、ペンギンが腹ばいになって雪の上をそりが滑るように進む動作のこと。

 

ペンギンたちが橋を渡り、ここで過ごす様子は・・・
これも気分次第。
もし居なくても、園内を回るついでに何度か立ち寄ればその様子が見られるかも。

きりん舎

 

大きな動物は人気ありますなぁ。
これを観ている子ども連れ、を観ている自分までほのぼのと(笑)

積雪があると面白いシーンが見られるぞ。これも冬期営業ならでは。

 

深雪を食むアミメキリン。
アフリカ生まれのDNAを持つキリンが雪と戯れるなんて、よく考えたらスゴイことかも。

しかも、手を伸ばせば届きそうなところで!

 

注意 展示時間が違います

 

きりん舎の展示は11:00~14:00となっているの。
早く来すぎても遅すぎても、キリンに会えないのでご注意を。

赤ちゃんは春以降に

昨年末、メスの結(ゆい)が赤ちゃんを出産。
噂を聞きつけてやってくる方もいるようだが、今のところ室内で子育て中だ。
公開は気候が温かくなってから、のようだ。

さる山

 

「さる山」というくらいだから、あまり興味のないヒトが山の部分を遠巻きに眺めて「サルいたー」くらいで立ち去るのを時々見かけるが、いやいや、もっと近寄って下を見てみて!

 

寒い日ならではの光景。
サルたちが身を寄せ合って暖を取っているのが微笑ましい。
(春の日差しが強いときには腹出してウトウト寝てますが ^^; )

 

いわゆる「サルだんご」。これが観られるのも今だけだ。

もっとよく見たいなら、順路に沿って進んでいけば、山のふもとから観察できるようになっている。

さる山の入り口から進み、通路を折り返す

 
 

窓から観ると、サルたちがより間近に。

 
 

旭山動物園名物、異なる動物を一緒に飼育する「共生」は、さる山でも。
地べたではイノシシがうろうろしているので、探してみよう。
意外に大きい。

 

北海道小動物コーナー

東門と園内を、階段を使わずにゆったりとした傾斜で行き来できる「ゆっくりロード」と呼ばれるエリアに同コーナーはある。
飼育されているのはエゾタヌキ・エゾモモンガ・エゾユキウサギ・エゾリス・エゾクロテン・ホンドテン・キタキツネ。夜行性の動物も多く、必ずしも観られるという訳ではないが、その分、探す楽しみもアリ。ゆっくりロードだけに、ゆっくりと散策してみて。

 

まずは、動物園のポスターのモデルにもなったエゾタヌキ。

 
 

上画像はホンドテンのいる放飼場。
見つからなければ、巣がのぞける扉を開けてみよう。
ビックリさせないように、そぉ~っとね。

▼開けてみると・・・

 

下はエゾユキウサギ。雪の中では見事に分かりにくい(笑)

 

次は、丸くなって寝ているキタキツネ。

 

寒いから丸まっているのだろうが、春の日射しを浴びてちょっと気持ちよさそうにも見える。

その他、屋外展示ピックアップ

オオカミの森
概ねいつ立ち寄ってもどこかここかにオオカミを見つけられる。
ほのぼのファミリーの様子をごらんあれ

 

こども牧場
ここにはヤギ・ヒツジ・ブタなど家畜っぽいラインナップ。
食育にも言及しているところが興味深い

 

あざらし館
館内のマリンウエイもお見逃しなく

 

室内展示編はこちらから

SPOT DATA

開園時間にご注意を

冬期は夏期よりも開園時間が短くなっているのでご注意を。

【冬季開園】 
・2021年4月7日(水)まで
 午前10時30分~午後3時30分(最終入園/午後3時00分)
・期間中定休日なし

※2021年4月8日(木)から4月28日(水)まで休園

【2021年度夏期開園】
・2021年4月29日(木/祝)~10月15日(金)
 午前9時30分~午後5時15分(最終入園/午後4時00分)
・2021年10月16日(土)~2021年11月3日(水/祝)
 午前9時30分~午後4時30分(最終入園/午後4時00分)
・期間中定休日なし

SPOT DATA

旭川市 旭山動物園
〒078-8205 旭川市東旭川町倉沼
代表電話番号 0166-36-1104


この記事のキュレーター

美味しいもの、旨い酒を味わう時間が何より大事。
不惑の呑兵衛を目指すべく、きき酒師の資格を取得。

・SSI認定FBO公認 きき酒師
・日本酒WEBメディア SAKE TIMES ライター