2021年06月14日

旭川の歴史や文化を巡ろう!旭川市内の指定・登録文化財 その4

明治23年、上川郡に旭川・神居・永山の3村が置かれ旭川市の歴史は始まりました。130年にも及ぶ旭川の歴史や文化を刻んだ貴重な文化財が、現在もたくさん保存されています。今回は、旭川市内の指定・登録文化財の紹介第4弾です。


あさでん春光整備工場(旧第七師団騎兵第七連隊覆馬場)

 

「旧第七師団騎兵第七連隊覆馬場」は、旧陸軍第七師団が積雪時に軍馬を訓練するために造った切妻造煉瓦建造の施設。かつては各連隊・大隊に配置されていましたが、現存するのはこの1棟のみです。

建設されたのは大正1年から2年と推定され、建築面積は1000平方メートル超と広く、換気と採光のため越屋根や屋根窓などの開口部が多く設けられています。

 

「旧第七師団騎兵第七連隊覆馬場」は、平成13年に国の登録有形文化財に指定されています。

現在は、あさでん(旭川電気軌道株式会社)の春光整備工場として利用されていますが、かつての様子が「北鎮記念館」の立体マップで知ることができます。

施設名:あさでん春光整備工場(旧第七師団騎兵第七連隊覆馬場)
所在地:旭川市春光3条7丁目231

松岡家住宅

 

旭川は古くから道北の物流拠点で、家具産業など林業が栄えた街です。6条通13丁目の交差点に建つひときわ目立つ木造建築は、松岡木材の事務所や住宅として使われていた建物です。平成13年に国の登録有形文化財に指定されました。

建てられたのは大正14年。和風棟と洋風棟からなる木造2階建ての数奇屋風の建物で、和風棟は入母屋屋根と広い破風板の曲線、鬼瓦、懸魚の装飾が施されていて、外壁は押縁した黒色の板張りに横長の細長い連続窓など、伝統的な日本建築の外観となっています。また、正面横には小さな洋館があります。

現在も個人の所有で住んでおられるため、内部は見ることができませんが、この地域のランドマークとなっています。

施設名:松岡家住宅
所在地:旭川市6条通13丁目

旭川市市民活動交流センター市民活動支援棟(旧国鉄旭川車両センター木機乾燥場)・旭川市市民活動交流センターホール棟(旧国鉄旭川車両センター第二木機職場)

 

現在は、旭川市市民活動交流センターで利用されているレンガ造りの2棟は、国鉄時代に「旭川車両センター木機乾燥場」と「旭川車両センター第二木機職場」として使われていた建物です。平成27年に国の登録有形文化財に指定されました。

建てられたのは、官設鉄道上川線が開通した翌年の明治32年です。官営の鉄道車輌工場としては、北海道初で全国でも埼玉の大宮、東京の新橋に次いで3番目で、現存する旧国鉄車両工場としては最古のものになります。

施設名:旭川市市民活動交流センターCoCoDe
所在地:旭川市宮前1条3丁目

旧岡田家住宅主屋・住宅蔵

 

かつて旭川にあった酒蔵「北の誉」のオーナーの自宅として、昭和8年に建てられたのが「旧岡田家住宅主屋・住宅蔵」です。平成25年に国の登録有形文化財に指定されました。

現在は、一般財団法人旧岡田邸200年財団が、蕎麦や和食料理が味わえる「おかだ紅雪庭」として動態保存しています。

見積もりのない建て方と言われる屋敷は、外観は洋風ですが、玄関ホールや応接室等は数寄屋風のお座敷。玄関のステンドグラスや階段廻りなどアール・デコ風の意匠も見られます。

「おかだ紅雪庭」の通り、秋には庭に真っ赤に色づく紅葉を見ることができます。

施設名:おかだ紅雪庭
所在地:旭川市5条通16丁目

まとめ

今回は、国の有形文化財に指定された「旧第七師団騎兵第七連隊覆馬場」「松岡家住宅」「旧国鉄旭川車両センター木機乾燥場・旧国鉄旭川車両センター第二木機職場」「旧岡田家住宅主屋・住宅蔵」をご紹介しました。改めて、自分たちが住む旭川の歴史や文化に触れてみてはいかがでしょうか。


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フリーのWEBライター。