2021年07月26日

ここも見て!【旭山動物園】の隠れた人気者

場所柄スルーされがちだけど、愛すべき動物たちはたくさんいるよ。動物園好きの筆者が、動物園のディープな楽しみ方を紹介します。


ダチョウ

 

昔は総合動物舎というエリアに暮らしていたダチョウだが、住処は「かば館」の新築を機に同館の一部として吸収され、施設案内には「ダチョウ舎」などの記載はない。

ダチョウの屋外放飼場は、かば館の入り口をオモテとするなら、そのウラ手にある。はっきりいって裏通りなので来園者の往来もまばら。逆に言えばその分、ゆっくりと観察できる、ともいえる。

 

首を長くして待っている、訳ではないが、ダチョウはこうして遠くを見ていることが多いように思う。
ダチョウとの距離はかなり近いので、大きな目の輝きがよく観察できる。

 

ダチョウの屋外放飼場は、かば館の屋上からも中を観ることができる。
さすが上手く設計されていて、昔の総合動物舎ではこうはいかなかったね。

ちなみに画像の2頭のうち(鳥だから2羽だね)、毛の色が(鳥だから羽根)黒い方がオス、茶色がメスだ。

このように画像で高みの見物をしている分には感じないが、実際に見るとダチョウはとにかく大きい。

 

ほら、体長はご覧の通り。背比べをしたら筆者より高い。

間近で観察してると伝わって来る、歩くダチョウの羽根がゆさゆさと揺れる動物的な空気感。
よくもまあ、こんな進化を遂げたものよと、感心することしきり。

ペリカン

 

人だかりの絶えない「きりん舎」内のずっと奥。そこにペリカンはいる。

旭山にペリカンなんているの?というヒトも多いが、いたんですよ。ずっと前から。
昔は総合動物舎でサイの近くで暮らしていた。確か何羽かいたはず。

 

今じゃ1羽。ホームページの動物図録にも載ってない、そんな扱いがちょっと寂しい。
という状況であるが、以前のコンクリートの上という飼育環境よりは、いささかでも快適そうに見えるのが救い。池も広いしね。

ペリカンよ。筆者はお前を忘れてないからね。

 

カモメ

 

あざらし館は屋外放飼場の片隅にヤツはいる。本名をオオセグロカモメという。
この同居はアザラシの野生環境を再現するため、とのことらしい。
アザラシとカモメは互いに相手のことは全然気にしていないようで、放飼場の静かな日常は続く。

北海道小動物

東門階段のスロープ(通称:ゆっくりロード)で繰り広げられる北海道小動物コーナー。
場所が場所だけに正門や西門から入場した来園客は足を向けにくいが、ここを見ないのは損というもの。
今年度は、エゾモモンガの専用施設もオープンして見どころもアップしている。
現在展示中/エゾタヌキ・エゾモモンガ・エゾユキウサギ・エゾリス・エゾクロテン・ホンドテン・キタキツネ・チゴハヤブサ・カラス

キタキツネ
草が茂っているのでちょっと見つけにくいが、よく探してみよう(寝ていること多し)

 

チゴハヤブサ

 

ホンドテン

 

エゾユキウサギ

 

冬は真っ白なエゾユキウサギも夏はごらんのとおり。
巣穴にいることも多いのでさがしてみよう。と、巣穴を観察していたら、何やら小さなものがちょろちょろっと出てきたぞ。

 

なんと赤ちゃん!
筆者は赤ちゃんウサギを初めて目にしたのだった。通っていると良いこともあるもんだ。
=7月18日撮影=

 

これが今年度新設されたエゾモモンガ舎。
モモンガは夜行性なので、日中の展示ではその姿を見られることは稀。そこで園は夜間にライトで昼を演出し、昼間は暗くする昼夜逆転の仕掛けを考案。
開園中、この室内は夜ということになっているので、案の定モモンガはけっこう活発に活動してる。
といっても暗いので、よーく探してみて。

 

北海道の魚類

 

あざらし館、館内のマリンウエイなどを見学したら、さあ次に行くぞと急ぎ足。
ちょっと待って。魚もいるよ。
地味だけど、よく見りゃ興味深い。水槽の中にはホッケやソイ、ホタテなどがいるが、考えてみれば日常の食卓に上がる魚だ。ホッケは開きしか見たことのない子どもに是非見せてあげたい。

真ホッケとホタテ
つい「食べたい」と思ってしまうのは、筆者だけはないはず

 

キョン

「てながざる館」ではロープや鉄棒を伝って素早い動きをするテナガザルが見もの。
上ばかりを見上げているため気づかない来園者も多いが、地面で静かに同居しているのがキョン。

 

よくシカの赤ちゃん?と間違われるキョン。もともと身体の小さなシカの仲間。これでもオトナだ。
テナガザルは樹上、キョンは地上というふうに棲み分けているので争うことはないとのこと。
のようだが、気の小さそうな大人しいキョンは、テナガザルの激しい動きにちょっとオドオドしているように見えなくもない(筆者の感想)。

 

トナカイ

 

「おらんうーたん館」に隣接した森のような放飼場。トナカイはこちら側から離れた場所に寝ていたりすることが多いので、ちらと横目で見て通り過ぎる来園者多し。
たしか昔はラクダがいた場所じゃなかったっけ。昔から地味なスポットかも。

でも、よく探してごらんなさい。スゴイのがいるから。

 

どうしてそこまで?と感心してしまう立派な角 =7月11日撮影= 。
早く見に行かないと角が取れちゃうかも。ちなみにト角はオスにもメスにもある、これが他のシカとは違うところ。

アフリカのゲテモノたち

とまあ、こんなのは序の口。
他に居るのはアフリカオオヤスデ・マダガスカルコックローチ・イベリアトゲイモリ。
さすがに、ここでは画像は控えさせて頂きます。

 

「かば館」の地階。
カバが生息するアフリカに因んでの展示とのことだが、園もよくぞここまで開き直ったと感心してしまう。
だって、カバを見て多くの人は「可愛い」というのに、こっちを見たら「キモッ」だもんね。

アフリカウシガエル

 

ウガンデンシス・オオツノカナブン

 

ニワトリ・アヒル

ハクショクレグホン(ニワトリ)

 

一昨年、新設された「ニワトリ・アヒル舎」。
既存の「こども牧場」からニワトリとアヒルが引っ越してきた。

アヒルが思いのほか人気なようで。

 

テレビCMの影響はすごい。
アヒル見て「アフラック」と言う子ども。「ほら、アフラックいるよ」と子を誘うママさん。そのキャラが人気のようだ。
そういうのは動物園としては本意ではないかもしれないが。

ちなみに、このアヒルはオス。
尾尻の羽根がはね上がっているのがオスの特徴。
とか、そういうことも観察しましょうね。

さあ、動物園に行こう

いかがでしたか。
気になる動物はいますか。あるいは新たな発見があったでしょうか。

ちょっと目先を変えれば、動物園もひと味違うかも知れません。
たまには、こだわって見学してみてはいかがでしょうか。

 

余談ですが、タコの水飲み場。
古くから動物園に通う人々には感慨深いアイテムです。
動物じゃないけれど、こうしたものに目を向けるのも、面白いですよね。


この記事のキュレーター

美味しいもの、旨い酒を味わう時間が何より大事。
不惑の呑兵衛を目指すべく、きき酒師の資格を取得。

・SSI認定FBO公認 きき酒師
・日本酒WEBメディア SAKE TIMES ライター