2021年08月12日
緑にあふれたまち・旭川。私たちの周りの花壇や公園を守り育てる取組みは、たくさんの ボランティアに支えられています。緑を楽しめるスポットや、 ボランティア活動に携わる方の思いを紹介します。
福祉施設の多い福祉村がある春光台地区には、12㎞にわたるフラワーロードがあります。フラワーロードは、種から花の苗を育てる北海道療育園、その苗を沿道に植え育てる2つの市民委員会や地元の学生など、延べ約5千人の市民が携わり、支えています。現在、マリーゴールドなど約4万4千株の花が植えられ、道行く人の心を和ませます。
春光台地区市民委員会
菊地芙美恵さん
活動のきっかけは、約30年前、当時の北海道療育園の理事長が、施設内に200mの花壇を設けたことでした。「福村への目印になり、利用者や道行く人に風景を楽しんでほしい」という思いから、園内で育てた苗を地域に贈ると、共感の輪が広がり、地域住民の手で、沿道を花で彩る活動が始まりました。障害者と地域住民が「共に生きる」を形にしたこの活動は、今も続いています。
活動に携わる、鷹の巣福祉村地区市民委員会会長の横山孝さんは「療育園で作った苗を、地域の住民が植え育てています。住民が顔を合わせ、近況を伝えるコミュニケーションの場でもあります。若い力を借りて、長く活動を続けたいです」と話します。
春光台地区市民委員会会長の菊地芙美恵さんは「春光台地区はコミュニティ・スクールが盛んで、学校もフラワーロードの活動に積極的です。地域の子供が『春光台はきれいだね、と友達に褒められた』と教えてくれ、私もうれしくなりました。これからも若い世代と一緒に活動を続け、地域全体で子供を育てていきたいです」と語ります。
自分たちの地域を良くしたいという住民の思いが、息の長い活動を支えています。
北海道療育園
担当スタッフの皆さん
今年は職員たち15人で種から4万株を育てました。毎日変化があり大変ですが、やりがいもあります。満開の花を見に来てください
旭川駅に直結する、あさひかわ北彩都ガーデン。全国でも珍しいこのロケーションづくりを支えるのは、約90人の市民ボランティアです。ボランティアが作り上げた花壇と、四季の自然が織りなす風景は、訪れる人をほっと癒やしてくれます。「市民が守り育てる」を目指して誕生したガーデンは、市民の思いに育まれ、市の新しい顔になりつつあります。
市民ボランティア
元住 稔さん、美代子さん
ボランティア7年目の元住稔さん・美代子さん夫妻は、隔週で花壇の手入れをしています。自宅のベランダで花を育ててきた美代子さんが、稔さんを誘ってボランティアに応募。「皆さんと気楽に作業できて楽しいです。草取りが好きで、無心になれます。訪れた方に、きれいですねと言われると、少しは役に立っているのかな、とうれしくなります」と言います。
家庭菜園をしている稔さんは、野菜がある農のガーデンを担当しています。「未経験の植物を育てると新しい発見や感動があり、勉強になります。ガーデナーやボランティア仲間とは、和気あいあいと楽しく続けています」と笑います。
二人が忘れられないのは、旭川へ遊びに来た幼い孫が、喜んでガーデンを走り回っている光景です。「素敵な場所だねと言われ、自分がここを手入れしているんだと改めてうれしくなりました」と誇らしげです。ガーデンと日常的に関わることで、季節はもちろん、1週間ごとに変わる花の表情を楽しめます
市民ボランティア
坂本直美さん
駅の近くに素敵なガーデンがあると知り、昨年からボランティアを始めました。季節の花を間近で感じ、香りに癒やされます
①ハーブガーランド作り=8/28㈯10:00~11:30
②ハーブロープ作り=9/4㈯ 10:00~11:30
③ガーデンガイド=9/11㈯・18㈯ 10:00~11:00
各10人 ①②1,000円 8/20㈮からガーデンセンター(宮前2の1 74・5966)
山﨑千恵子さん
100年以上の歴史がある常磐公園。花の管理などをボランティアが支えています。
中でも、30年以上ほぼ毎日通う84歳の山﨑千恵子さんは、知る人ぞ知る縁の下の力持ち。朝7時台から、ごみを拾い、バケツに水をくみ、雑巾とスポンジで公園中のベンチと水飲み場を拭き上げています。
山﨑さんは、常磐公園の近くで生まれ、公園と共に暮らしてきました。あるとき公園を歩いていると、ハトのふんや泥などベンチの汚れが目につき、「ここは自分の庭みたいなもの」と思い、人知れず公園の清掃を始めました。
「観光客に『まちなかに素晴らしい公園があるのですね』と言われると自分のことのようにうれしくなり、公園を訪れる市民からのねぎらいの言葉も支えになっています。ボランティアとして関わる花壇には、日々癒やされています」と話してくれた山﨑さん。
美しく手入れされた常磐公園には、黙々と汗を流す人の思いが詰まっています。
千葉弘子さん
旭川駅近くのマンション・ロジェ宮下通。玄関に面した市道脇の花壇を、マリーゴールドなどが彩ります。入居者の有志で管理し、その活動は今年で5年目を迎えます。
かつて、この花壇は雑草だらけ。「もったいない」と感じた入居者の千葉弘子さんが、市の花株助成事業に応募したのが始まりでした。緑のセンターに助言をもらい、夫の富久男さんと手探りで育て始めました。2年目は、その様子を見た入居者たちが輪に加わりました。
「道行く人が立ち止まって見てくれたり、声を掛けてくれたりするようになりました。今では近隣の建物の前にも植えられ、まるで“花街道”です。新型コロナウイルスで暗くなりがちなので、見てくれる人を明るくしたいですね」と千葉さん。毎年花を植え替えることで、人の輪がつながっています。
今年も、道北造園建設業協会からマリーゴールド2,000株が市に贈られました。昭和通を色鮮やかに彩っています。
道北最大級の花のイベント「花フェスタ2021旭川」が、オンラインで開催中です。オープンガーデンの紹介や、花のミニ講座などを、特設サイトで楽しめます。
花フェスタ2021旭川サイト
花フェスタ2021旭川インスタグラム
道路脇の花壇や公園などに咲く花々を紹介します。
ルドベキア
フロックス
オミナエシ
エキナセア
インパチェンス
マリーゴールド
サルビア(スプレンデンス)
サルビア(ファリナセア)
エゾミソハギ
ペチュニア
ラベンダー
シュウメイギク
ヘメロカリス
ベゴニア
ミヤギノハギ
ムクゲ
ユリ(カサブランカ)
アナベル
アスチルベ
ワレモコウ
私たちの暮らしに癒やしを与え、人と人のつながりをもたらす緑。新型コロナウイルスの感染拡大で外出自粛が続き、緑が持つ力を感じる人も増えています。
日々、何気なく目にしている草花や公園は、多くのボランティアの協力があって、美しく保たれています。身近な公園に足を運ぶなど、美しい緑に触れてみませんか。
【詳細】公園みどり課 25・9705
この記事のキュレーター
鷹の巣福祉村地区市民
委員会・横山 孝さん