2021年11月18日
豊かな自然で育った旭川の農作物には、全国に誇れる品質や収穫量、多様さがあります。先進技術で挑戦する農家や、丹精して酒米を育てる高校生、担い手の個性も光ります。旭川の農業の魅力を紹介します。【詳細】農政課 25・7417
大雪山からの伏流水と盆地特有の寒暖差で、おいしい米が育ちます。令和2年産の作付面積は道内2位、収穫量は道内1位でした。
少量・多品目が特徴で、市内の栽培品目は約60に上ります。シュンギクやチンゲンサイの令和2年産の出荷量は道内一。寒締めホウレンソウなど、冬期野菜の生産も広がりつつあります。
市内の主なソバ産地は江丹別です。製粉工場で挽きたてのソバを首都圏へ直送し、高く評価されています。
旭川青果連ではロゴマークを統一し、品目ごとに異なる動物のイラストを旭川産野菜のパッケージに印刷しています。新鮮で旬な地元の野菜を、ぜひお買い求めください。【詳細】農業振興課 25・7438
農薬や化学肥料を減らすなど、環境に配慮した農産物を、北海道が「北のクリーン農産物表示制度(YES !clean)」で認証します。市内では、道内最多の17品目・19集団が認証されています。【詳細】農業振興課 25・7438
田植え機とトラクターにGPSを搭載し、運転席のモニターで進路や位置を見て作業しています。約5年前、市の助成で
GPSの基地局が設置されたことを機に、効率化のため導入しました。
田植えでは数百m先まで見通して真っすぐ進み、苗の植付けをチェックすることが必要です。約46ヘクタールの水田があり、短期間で田植えを行いますが、自動操舵もできる田植え機は、GPSのおかげで定規で線を引くように走れ、以前と比べ操作も簡単になりました。私が体調不良のときには、従業員が作業することもあります。
田起こしに使うトラクターは、作業機の幅が広く、畔に接触しないように周囲を確認しながら作業するのが難点でした。それもGPS機能により、従業員はどこを走行しているか一目で分かるため、安全に運転できるようになり、教える時間も減少しました。暗くても雨天でも作業できます。
今は人手不足で一戸当たりの作付面積が年々増加し、生産者の負担も増えています。スマート農業で効率化できれば、自分の時間もつくりやすいと思います。
GPSを搭載したトラクター
ロボットやAI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)など先進技術を活用する農業。深刻な担い手不足の中、省力化や負担軽減につながると注目されています。
旭川農業高校では、生徒自ら栽培した酒米を使った酒造りに挑戦しています。市内の老舗「髙砂酒造」や、米作りの
プロなどと一緒に取り組む「旭農高日本酒プロジェクト」です。
同校での酒米生産は初めて。寒さに強い「きたしずく」の種をまきハウスで育て、校内にある3,750㎡の水田に植えました。今夏の厳しい暑さの中、稲の管理を徹底。順調に成長し、一等米の評価を得ました。
生徒たちは四合瓶4,000本分を予定する醸造の一部や、ラベルデザインを体験。酒粕の加工品開発も手掛けます。完成したお酒は、生徒が20歳になると贈られます。
プロジェクトに挑戦する生徒たち
旭川農業高校3年生
羽根有哉(はねゆうや)さん㊧、伊藤蒼良(いとうさら)さん
(伊藤さん)
おいしいお酒になってほしいです。地域との連携や新技術で、農業を盛り上げたいです
(羽根さん)
仕込みが楽しみです。将来は酒米を作り、酒蔵と連携して、地元を元気にしたいです
農作業・農産加工を体験し、農村文化に触れ、農業者と市民が一緒に旭川の農業や食について考えます。
市内の小学4~6年生が、田植えや稲刈り、果樹の収穫や酪農を体験。秋には料理を作って食べる収穫祭もあります。
市では、グリーンツーリズム(農村観光)のガイドブックを作成しています。農業体験できる農園や、農家民泊などを紹介しています。
この記事のキュレーター
石坂ファーム 石坂寿浩(いしざかとしひろ)さん