2022年06月27日
まず大概の蕎麦屋には必ずあって、花形のカツ丼や天丼に比べると地味な存在だが、それだけにお手頃価格でハズレのない確かな旨さを物語る。そんな玉子丼の、店それぞれの美味しさを紹介したい。 ※情報は取材当時のものであり、料理の内容や価格は現在変更されている場合がありますのでご了承ください
同店の丼物は6種類がラインナップ。
価格も500円台から800円台と、なかなかに庶民的なのがウレシイところ。
玉子丼も勿論ありまっせ。
ほわっと甘い香り。
シンプルで飾り気のないスタイル、いい意味で地味。うんうん、これでこそ玉子丼。
タレが染み込んだ褐色の玉子が食欲をそそる。
玉子はしっかりと火が通っているが、ふんわりとした口当たり。
具は玉ねぎ(けっこう多い)とシイタケ。玉ねぎはこってり目のタレがよーく味がしみていて、筆者的にはかなりツボだ。
総じてご飯との相性がとても良く、ハフハフと難なく掻っ込んで食べられる。
このシンプルさも玉子丼の良さだ。カツ丼だと、カツとカツ以外、バランスを取りながら食べなきゃとか余計な気を回す(というのは筆者だけ?)。
店名:そば処 わらべや
住所:旭川市南1条通20丁目
電話番号:0166-32-3735
営業時間:10:30~15:00
定休日:月曜
駐車場:あり
周囲は役所を含むオフィス街。正午を合図にお昼休みの方々で瞬時に混むので、ゆっくりしたいならちょっと時間をずらすのがコツ。
店はこじんまりとしているけれどメニューは多い。
丼物はざっと8種類。
玉子丼(500円)
そばセット(600円)
おっと、意表を突いたのが、どんぶりのフタとお椀のフタ。
出前じゃないのに、厨房から席まで数メートルと料理の冷めない距離なのにフタをしてくれるとは。このお行儀のいい感じ、好感が持てる。
パカッとフタを取ればご覧のとおり。
地味さは期待通りだね(笑)。
量は少な目(個人の印象です)。
いや、これは少ないとは言わないんだ。そばの発祥は江戸時代、酒のアテや労働者の間食にあり。
だからこの位が普通ともいえる。
具は前掲同様、玉ねぎとシイタケ。玉子はゆるーい部分もあり、とろりとイイ感じ。
タレの味は濃くも薄くもなく、口当たりが良い。
なので、さらさら完食。量は少な目なので、満腹度も八分目という感じだが、時はお昼。すぐに仕事に戻れそう。
周囲の企業には事務系サラリーマン(身体を動かさないので小食)も多いので、ニーズに合っているのかも。
足りないよというお方は、そばセットをぜひ。
店名:そば処 伊奈屋
住所:旭川市7条通8丁目
電話:0166-25-7807
営業時間:11:00~20:00
定休日:日曜日
駐車場:なし
さんろくの顔。こうして見ると風格ありますね。
で、ここの丼物も8種類。けっこう豪華なラインナップで、うな丼まである。
ところで同店、スタッフ間でのオーダーのやり取りは江戸前の「通し言葉」が飛び交い、これが粋でカッコいい。
例えば、「もりそば一つ」は「もりで一枚」、うどんのことを「台代わり」と言ったりする。卵のことは「ぎょく」と言い、玉子丼は「たまごどん」でなく「ぎょくどん」となる。
玉子丼(847円)
そばセット(1,012円)
わー!玉子丼さんゴメンナサイ。今まで地味だなんて言ってゴメンナサイ。
見て、この玉子丼のどこが地味だろうか。たっぷりな海苔。三つ葉まで飾ってある。かつ、ちらっと見えるなるとの赤が華を添えている。
具はお馴染みの玉ねぎにシイタケ。おまけにナルト、タケノコまで入っていて、けっこうゴージャス。勿論これの食感がまたよろしい。
タレはどちらかといえば、あっさりタイプ。
タケノコの風味も手伝って、さらりと粋な味わいに仕上がっている。
具が多い割にあっさりと食べやすい玉子丼。これが老舗の品格というやつでしょうか。
店名:はま長本店
住所:旭川市3条通6丁目
電話:0166-22-2731
営業時間:11:00~翌1:30
定休日:日曜
駐車場:なし
いかがでしたか。
シンプルメニュー「玉子丼」も、やはり店によって個性が出るものですね。
たしか東京(浅草だったかな)で、マジで玉子のみの玉子丼(溶いた玉子をつゆでふわふわと煮たものがゴハンに掛けてある。ネギとか一切入ってない)というのを食べたことがあるのだが、これが絶品。
旭川でそれに出会えないかと願う筆者であります。
この記事のキュレーター
玉子丼(550円)