2022年10月26日

【写真で社会見学】足もとの「フタ」を見てみよう

きっかけはうちのワンコ。散歩の途中、意地でもマンホールの上を歩かない。これ「犬あるある」なんですよね。で、飼い主も気になってマンホールをよく見てみれば「いろんな形や図柄があるんだな」と感じ入った次第。ということで、そのいろいろな、旭川の路面にある「ふた」をレポートします。


マンホールとは

地下にある下水道や電線の点検や補修、清掃等の管理のために作業員がはいるために開けた穴(正確には人孔という)、もしくは、その蓋(ふた)のことをマンホールという。
人(man)が入る穴(hole)だからマンホール。造語じゃないです、列記とした英語デス。

ちなみに、うちのワンコや、多くの犬がマンホールを避けて通るのは、鉄の固い表面は土の上やアスファルト路面のように爪がかからない(足がすべる)からだそうな。また、その下に感じる異様な気配(水の流れる音とか、匂いなど)がコワいからという説もあり。
ちなみにうちのワンコは、ある日、あるマンホールの上を歩いたら、ガコンと鳴った(揺れた)。怖かったのか、それ以来、すべてのマンホールを避けるようになった(笑)

下水道のマンホール

地下にあるので一般市民はまず目にすることはないが、地面の下には下水道管には汚水管と雨水(うすい)管がある。これらは総称して「下水道」と呼ばれる。

汚水管のマンホール

文字通り汚れた水(生活排水など)が流れるのが汚水管。これにより汚水が直接川へ流れ込むことがなくなるので、環境が保たれるのだ。

これを点検するため地上から作業員が入孔できるよう、取り付けられたのがマンホール。
旭川市の場合「ああ、ここに汚水管が通っているんだな」というのがマンホールを見れば一目で分かる。

なぜなら、ちゃんと書き記してあるからだ。

 

上はその典型的な例。
明記とはまさにこのこと。前述の説明がひと目で分かる。

 

街でよく見かけるのがコレ。みなさん、意識にありましたか。
旭川で開催される国内最大規模のクロスカントリースキー及び歩くスキーの国際大会「バーサーロペット・ジャパン」の意匠をあしらったマンホールだ。
こんなカタチで「バーサーのまち」をアピールしていたんだね。
バーサーの初開催は1981年(昭和56年)だから、このフタは同年あるいは、それ以降に設定されたものだろう。

デザイン下部に「OSUI」と記されている。
「汚水」のことと思われるが、「汚い水」じゃイメージが悪かろうという配慮なのかな。

 

こんなデザインの汚水管用のフタを見つけた。
「下水道」「汚水」の文字が実にアンティーク。鍵穴の位置も違う。
ひょっとしてバーサー以前のものだろうか。
いずれにしても、表面は摩耗しかなり古いものと思われる。つるつるしてそうで、うちのワンコなら絶対にいやがるだろうな(笑)

雨水管(うすいかん)のマンホール

雨が降り、道路の脇にある側溝に流れ込んだ雨水は、河川に放出される。それを集約するのが雨水管だ。
汚水管同様、これにもマンホールが取り付けられている。

 

代表的なものはこれだろうか。
「あさひかわし あまみず」と書いてある。平かなで「あまみず」とは、子どもに迎合必要があるのかどうか分からないが、ともかくは、この下にあまみずが流れてますよ、ということが分かる。
デザインは相当にお役所的。旭川市のマーク、旭川の木「ななかまど」のイラスト、それでは足りないと「ナナカマド」と明記。

 

上も、同じく雨水管のマンホールであるが、「あさひかわし あまみず 車道」と書いてある。
どうやら歩道用・車道用と蓋は区別されているようだ。
違いがあるのかな。

これも某所にあった車道用
長年、車のタイヤに踏まれ文字がつぶれている。
ご苦労なことである。

 

ほか、インフラのマンホール

道路の下には、下水道のほか市民の生活に欠かせない設備が埋設されていて、それに関わる各企業がそれぞれにマンホールを設置している。

電力会社のマンホール

 

ガス会社のマンホール

 

路面で違和感のある鋼鉄製のマンホールだが、これは歩道のデザインと同じタイルが貼り、同化を図っている

 

電話会社のマンホール
マークがNTT以前なのでかなり古い

 

これらの他、買物公園には平成の頃の電線地中化工事で設置された、共同溝というのがある。
これは電線とともに電話会社、街頭放送などの設備が埋設されているらしい。

 

環境や福祉に配慮したマンホール

都市部では、景観に配慮したマンホールを確認することができた。
細かな工夫が施されていて、なかなかに興味深い。

これも同様に、歩道と同じタイルを貼っている

 

ここまでくると、もうこれは擬態だな(笑)

 

また、車道に必要な表示や、視覚障害者のための造作物に対しても、マンホールはそれらと同調する。

車道用マンホール。
道路管理者は容赦無くセンターラインを。

 

必要とあらば点字タイル(視覚障害者の誘導表示)にも擬態する。
これ、大事。

 

かと思えば・・・

公共事業ぜったい優先!!と点字タイルを寸断するマンホール。
どっちが先にあったのか知らんけど、なんたる自治体の福祉意識の低さ。

 

ちょっと珍しいマンホール

 

こちらはポケモンマンホール「ポケふた」。

「ポケふた」とは、ポケモンの絵が描かれたマンホール蓋のこと。
「Pokémon GO」のポケストップだとかなんとか、残念ながら筆者にポケモンは興味の範疇にあらず。

 

「道の駅あさひかわ」の正面玄関横に設置されています。

 

中心市街地の大きな交差点付近に見つけた、方位を記したマンホール。
ああ、あっちが北なんだなと分かるが、本当の目的は不明。
設置した当時はもっと美しいものだったのだろうが、現在はごらんのように傷んでいる。

編集後記 街は穴だらけ(笑)

何となく見回しただけでマンホールがある!! ある!! ある!!
こりゃもう、それ程に我がまちのインフラは整備されているということなんだろうなと感心するしかないですな。

穴という点では、ヒトが入るわけじゃないからマンホールとは言わないが、中にヒトのいる建物(ビルや民家)の付近には「汚水ます」の蓋が。

 

これはトイレから出た汚水や、キッチンや浴室からの排水をスムーズに流すため、ゴミなどの固形物を底に溜めるための桝(ます)。

ほんと、フタもいろいろです。


この記事のキュレーター

美味しいもの、旨い酒を味わう時間が何より大事。
不惑の呑兵衛を目指すべく、きき酒師の資格を取得。

・SSI認定FBO公認 きき酒師
・日本酒WEBメディア SAKE TIMES ライター