2023年03月28日

喫茶の王道【たまごサンド】市内老舗3景

茶を喫する(飲む)と書いて喫茶店。でも昔から喫茶店には、トーストやサンドウイッチといった軽食もつきものです。中でもお馴染みは「たまごサンド」。で、これがまた、作り手によって違うレシピが実に興味深い。ということで、旭川市内の老舗の個性的「たまごサンド」をご紹介しましょう。


定番たまごサラダ ~アラビゴ忠和店

まずは、多くの方が思い描くであろう「たまごサンド」を。
仮にこれを基本形として、以降話を進めたい。

玉子サンド サラダ付き(935円)
コーヒー・コーラ・オレンジジュースいずれか1品付き

 

パンの間で金色に輝く玉子サラダが、何とも美しく食欲をそそる。
いかにも熟練のスタイルという感じ。
アラビゴ(忠和)のレシピは、ゆで卵をつぶしたものをマヨネーズで和えたタイプ。
コンビニなんかで売られているものも、この手が圧倒的に多いので「基本形」とさせてもらった。

 

こういうときの玉子サラダって、塩気が効いていて食が進む。ちょっと厚めなふかふかのパンが、スムーズにお腹に納まっていく。
が、使われている食パンは4枚。食べ応えとしては、なかなかなボリュームだ。

 

お飲み物は何にしますかと問われ、コーヒー。
筆者的には、この組み合わせが最もしっくりくる。

そして、サンドウイッチ片手に、文庫本をぺらぺら。
というのが、もっぱら筆者のくつろぎスタイルだ。今時のお方は、もう片方の手にはスマホでしょうか。

そうそう、サンドウイッチという名称だが・・・
昔々の英国で、ポーカーにのめり込むあまり食事の時間も惜しんだ伯爵が、ゲーム中でも片手で食べらるようにと、料理番に料理とパンを一緒にしたものを作らせたという、そのお方の名前がサンドウイッチ伯爵だった説は有名だ。

お店情報

店名:アラビゴコーヒー忠和店
住所:旭川市忠和4条7丁目
電話:0166-61-4140
営業時間:8:30~22:30
定休日:不定休
駐車場:あり

 

玉子焼きをサンドして ~ ささき

豊岡の老舗は、かなり独自のスタイルだ。
何とも、そのカタチと美味しさは想像以上。

たまごサンド コーヒー付き(600円)

 

パンは3枚重ね。中身は前掲のごとくサラダではなく「卵焼き(オムレツ?)」だ。
しかも、このレイアウト。
初めて注文したというヒトは、目を疑う(笑)

 

ちなみに、諸説あるが、卵焼きをサンドしたのは大阪発祥で、時代は明治にさかのぼるとか。
京都では厚焼き玉子を。それは厚ければ厚いほど珍重されるそうな(テレビで見たことあるが、ほんとにスゴイ)。
対して名古屋はこうだとか、ああだとか、西日本のたまごサンド愛は、かなりのものとお見受けする。

 

たとえサンドウイッチでもお腹いっぱいになってほしいと、マスターが愛情が込めたかのようなボリューム。
そして、卵にケチャップという、卵料理定番の調理はほんのり甘い。
ナポリタンが懐かしいと人気の店では、このサンドウイッチもなにかしらノスタルジックな味がする。

 

ホイップクリーム、アンティークな茶器。
これらが、さらに心を癒してくれる。

ちなみに、店の名物はお茶請けのカステラや揚げパン(サービス品)だが、サンドウイッチの注文にも添えられてくる。
※最初の画像にちらっと写ってます
三枚重ねに、さらに、お菓子をいただき、お腹は癒され過ぎるほどに満足いっぱいになるのだった。

お店情報

店名:喫茶&パーラー ささき
住所:旭川市豊岡1条2丁目
電話番号:0166-26-6588
営業時間:9:00~18:00
定休日:月曜
駐車場:あり

 

さっくりトーストと ~神田珈琲園

一方、まちなかの知る人ぞ知る老舗は、こちらもオリジナリティ感たっぷり。

たまごサンドセット コーヒー付き(700円)

 

おや、この褐色な感じは?

そうか!トーストだね。
なんて白々しく言わずとも、見ればわかりますね(ボケ不要)。

 

サイズ感がまた絶妙。
パンは2枚。これで玉子をサンドして、3等分に切る。
細長いので、口に運びやすく食べやすい。これならサンドウイッチ伯爵も喜ぶだろう。

 

中身はお馴染みのゆで卵をつぶしたタイプのもの。
つぶしたというより粗めに刻みました的な、これが神田珈琲園流の玉子サラダか。
これにレタスのしゃきしゃき感が加わって、それらが香ばしいトーストとともに、良い風味を演出している。

飲兵衛的には、これ、ビールのアテにもぴったりだな、という感じもして、食べ応えは何とも面白い。

お店情報

店名:神田珈琲園
住所:旭川市9条通8丁目
電話番号:0166-26-2016
営業時間:8:00~18:00
定休日:土曜・日曜・祝日
駐車場:あり

 

サンドな後記

いかがでしたか。
喫茶店って、どこも同じようなものを出しているようで、実は思い入れが店主それぞれに多彩なことが、お分かりいただけたかと思います。
たまのランチには、昔ながらのちょっとしゃれた「軽食」のスタイルはいかがでしょうか。


この記事のキュレーター

美味しいもの、旨い酒を味わう時間が何より大事。
不惑の呑兵衛を目指すべく、きき酒師の資格を取得。

・SSI認定FBO公認 きき酒師
・日本酒WEBメディア SAKE TIMES ライター