2024年05月25日

【旭川フォト散歩】 歩道橋のある風景 《後編》

マニアック連載『フォト散歩』。「歩道橋」編の後編となります。 市民の安全な暮らしに必要な社会資本のひとつだが、移動にはもっぱらクルマや自転車を利用する筆者は、日常ほどんど触れるこもなく、いつもはその下をくぐり抜けるだけ。ということで、筆者が歩行者目線でじっくり観察、さらに実際に渡ってみた、道路の上から見える非日常な視界もお届けする。加えて歩道橋のウンチクも。


啓明歩道橋

所在地は南2条20~21丁目。この通り沿いには合同酒精が操業中。
前編で紹介した歩道橋は、クルマの通行量が比較的多い道路に架けられたものがほどんどだったが、啓明歩道橋は、それに比べればちょっと静かなところにあって、歩道橋の設置目的から言うと、ちょっと違和感も。
だが、これを挟むような格好で、西側には住宅街が、東側には啓明小学校があり、忙しく工場を出入りする車と通学の児童の距離を保つという点では、歩道橋の必要性は十分に成り立つか。

 

橋が架かる車道の広さは2車線。前編で紹介したのはどれも4車線と、それらより小さい。
そんなマチにのんびりと建っている、そんなムードなのである。

そういやこの辺りは宮前のとなりまち。昔は宮前に国鉄車両工場や国鉄官舎(社員住宅)、関連施設があった。またこの通り沿いにはボーリング場があったりと、それなりに賑やかで、人や車の往来は今より断然多かったろう。

 

橋と歩道を結ぶ階段は2本。
そのうち1本は東側にある啓明小学校の方へ向いたものか。
あるいは・・・

 

おいおい、うちの前にそんなものを置かれると、玄関前が不便になっちゃうよ。
とJA東神楽さんが言うので、こんなカタチになったものか。
※あくまで筆者の推論です

橋の上から南方向を望む

 

画像上/ 南6条通方面を望む。合同酒精の歴史的建造物「旧蒸留塔」が見える。
その手前、木が茂るそのこっち側に、ボウリング場ゴードーハニーレーン(平成16年廃業)があったんだっけ。
工場隣接という割には、閑静な空気。

橋の上より北方向を望む

 

画像上/ 画像では分かりにくいが、道の左側に筆者の好きなそば屋「わらべや」がある。
おなかが鳴るぞ(笑)

東町歩道橋

所在地は豊岡4条1丁目。
市中心部から4条通りを東に向かい、そろそろ豊岡だねえ、なんて言ってると、カーブの先に見えてくる。

 
 

東町歩道橋というからには、そう、東町は住所にあらず。東町小学校というのが付近にある。
学校ある所に歩道橋アリ、なのだ。
東川線にもつながる道路。さすがに通行量は多い。

橋の上より市中心部方面を望む

 

橋に上がるとニトリ(の看板)がより間近に。
その手前には川が流れ、小さいが橋も架かっている。
左側、薄茶の建物の裏手に小学校のグラウンドがある。
その小学校の向こう側には光陽中学校が。私、光陽だったんだよと言った、昔、ちょっと好きだった女子(こっちの片思い)の、思い出す必要のない記憶がよみがえる。

橋の上から豊岡の中心街を望む

 

ふと、学校と歩道橋の位置関係を考える。
どうせ設置するなら、もっとクルマの往来が激しい向こう側の交差点が適当ではないか(旭川信金やJAのある付近)。
その昔の、まちの情勢によって、ここになったのだろうが、簡単に動かせるものじゃないからねえ。

東、中央橋通り沿いの歩道橋

名称が明らかでないため、こんな表記に。
所在地は東4条6丁目。付近には東五条小学校があるので、他の歩道橋に倣うなら名称は多分「東五条歩道橋」。
市中心部より中央橋通を下ると、右折すると新旭川駅という交差点に架かっている。

金星橋方面より

 

新旭川駅方面より

 

これまでご覧頂いた歩道橋に比べると、この橋の構造は特徴的。

 

階段にフードが施されている。
目的はこれを昇降する児童を雨や雪から守る、以外は思いつかないのだが、ならばなぜ橋には無いのかなと、なかなかに「?」な歩道橋である。

 
 

橋に上がってみようとフードに侵入してみると、あらら、老朽化がかなり残念なレベル。
ここに限ったことではないが、歩道橋はどれも年季が入っていて、今後の運営が課題となっているようだ。
利用者も少ないからお金かけることないべさ、という理由で改修しないというのも分からない訳ではないが、故障箇所で児童がつまづきでもしたら、何のための歩道橋かということにもなりかねない。

橋の上から金星橋方面を望む

 

5方向から複雑に入り組む交差点。
画像、中心を左右に走る中央橋通は、市中心部と流通団地を往来するクルマが忙しく走るものの、他はのんびりとしたものだ。

歩道橋がかかえる課題について

これまで歩行者の交通安全に貢献してきた歩道橋。
しかし、その多くは1960年代から70年代に建設されたため近年、老朽化が問題となっている。
また、社会情勢の変化から
・歩道や信号機の整備が進み,歩道橋の利用者が減少していること
・児童の減少や歩道橋利用困難な高齢者の増加により,歩道橋の利用者が減少していること
・高齢者や障害者の利用が困難な歩道橋のバリアフリーが低下していること
等々、その在り方が問われている。
参考:国交省「横断歩道橋撤去に向けた取り組み」

旭川とて例外ではないことは、ここで取り上げた歩道橋の様子で察しはつくだろう。
利用減について筆者が「そりゃそーだ」と直感したのは、階段を自転車が利用するためのスロープがないことだった。
筆者個人の話となるが、自転車ユーザーのニーズとして、中心市街地などて、例えば、前編で紹介した日章横断歩道橋(市内4の6)など、自転車が通行できると有難い。


この記事のキュレーター

美味しいもの、旨い酒を味わう時間が何より大事。
不惑の呑兵衛を目指すべく、きき酒師の資格を取得。

・SSI認定FBO公認 きき酒師
・日本酒WEBメディア SAKE TIMES ライター