2026年03月07日
開店から数年で多くのファンを獲得した、筆者もハマった人気店から、好物「しょうゆラーメン」をピックアップ。何かと老舗をリスペクトすることの多い筆者だけに、若いお店は発見が盛りだくさん。
'19年開業。
もしもあなたが魚介系の香り、とくに煮干しに興味をお持ちなら、おすすめは富いちだ。
富いちファンの多くも、そう言うだろう。
まずは、メニューにビックリぽん。
醤油、旭川醤油、焦がしうま醤油と、出汁とスープの使い分けが3種類。さらに辛醤油まである。
ご覧のように同店、醤油には並々ならぬこだわりがあるご様子。
という中から、筆者が今回選んだのは『醤油』。煮干し+鶏清油のあっさりスープというタイプ。
同店には時々お邪魔し色々と頂いているが、醤油の中ではこれだけ食べていなかったかも、というのもありまして。
ちなみに鶏清油(とりちんたん)とは、鶏ガラ、丸鶏を弱火でゆっくり時間をかけ煮出したスープのこと。濁ごりがなく透明感あり、あっさりしながら奥深いコクがある。ちなみに、同じ鶏のスープでも白濁したのがよく耳にする「鶏白湯(とりぱいたん)」。
お汁の表面を霞のように覆う脂。
あっさりスープと言いつつ、それだけじゃない食べ応えを期待させる。
おつゆ。
おお〜っ、濃厚な煮干しの旨味。独特なまるみある酸味に、あごの付け根がきゅ〜っとなる(美味しいのサイン)。
香ばしく力強い風味に、改めてここが富いちだということを思い知る。
で、煮干しの輪郭をくっきりと整えているのは鶏清湯の仕事ってことでしょうか。
ともかくは、煮干し香るラーメンは市内でもしばしば出会うが、ここまで特徴的風味にこだわったラーメンは稀だ。
口に運んだ麺は、熱い脂とともに歯応え良好。
おつゆの絡みもよく、素材の香りが引き立って美味。
そして、食べ終えてもなお、鼻腔に残るおつゆの香りと、舌や喉元に残る食感の記憶。まさに、食べた「甲斐」がある。
店名:中華そば 富いち
住所:旭川市新富2条1丁目14-15
電話番号:0166-76-6114
営業時間:11:00~21:00
定休日:水曜
駐車場:あり
'23年開業。
色調を黒で整えた店内はどことなく凛としていて、居心地も良い。
オープン後、時を置いてメニューを増やした他、限定メニューを定期的に展開するなど、客を飽きさせない工夫を継続中。
メニューにはもともとあった『醤油』と、一昨年加わった、自家製魚粉を使ったという『特醤油』が。
今回紹介するのは、いわゆる定番の『醤油』を。
多様な素材をふくよかにまとめた出汁、巧みにブレンドした醤油の香味、口当たりにまろやかなアクセントを添える脂。それらがバランスよく一体化したおつゆは、濃いというよりひたすら穏やか。
その上、どことなく懐かしさを覚える優しい味に心身が癒える思いがして、もうひと口、もうひと口と続くほど、その旨さに我が身が取り込まれる。
見て。ぷりぷりとしていて、いかにも食感良さそうな中太縮れ麺。
歯応え、喉越しとも良好なのはもちろん、その上、おつゆの脂を引き連れてくるものだから、口の中があつあつ。
箸でほぐれるとろとろチャーシュー。
味しみっしみの煮卵は、絶妙な半熟加減。
おまけに、気づけば脂で唇はまったり(笑)。
そんなふうに、あの手この手で食べるものを楽しませる魅力がいっぱいだ。
店名:麺屋 柊
住所:旭川市永山3条19丁目
電話: 0166-76-7130
営業時間:11:00~15:00 / 17:00~20:00
定休日:水曜
駐車場:あり
'22年開業。
物静かな店主の、冷静沈着な仕事ぶり(席からよく見える)は、とても清々しく、ラーメンをいただく側としては安心ででき居心地がよい。
このメニューは見やすくて良いですね。
うちの味はこうです、という気持ちがよく伝わってくる(こっちも選びやすい)。かつ、どのラーメンにするか、トッピングはどうするか、サイドメニューと追加するか、順に決めていけるレイアウトもグッジョブ。
で、2種ある醤油ラーメンのうち、その日の選択は『豚骨醤油』。何となくこっちの方が「濃いかな」という理由で(当日はそんな気分)。
いつもながら、同店のラーメンは盛り付けが良い。白髪がいつもキレイ。
まずひと口。出汁よりも醤油が先に、舌に味を伝えた。それは濃く極めて深い。
と感じたのも束の間、豚骨のまろやかな香味が口に広がった。出汁の旨味を得て、醤油の濃厚な香味がいっそう冴える。醤油派は序盤でイチコロだ(笑)。
また、豚骨と言っても、重量感あるこってりタイプでなく、ごくすっきりとしていて、口あたりはスムーズ。
加えて、脂のコクがおつゆの味わいに艶を出している。
素材感たっぷりな麺。醤油が絡めば旨味倍増。
すすり込むのと同時に、おつゆの圧倒的な醤油感が喉元や鼻に香る。おかげで、ひと口ごとに食欲が増す思いがする。
おつゆにまみれて、香ばしいチャーシューの味わいが、ラーメンと同化する。
口の中で脂がとろけ、筆者も心がとろける思い(笑)。
店名:麺屋あさひ
住所:旭川市豊岡15条7丁目
電話:0166-76-6074
営業時間:11:00~14:30 / 17:30~20:00
定休日:月曜日・隔週火曜日
駐車場:あり
いかがでしたか。
いずれも開店からまで10年未満というお店が並びましたが、なんとなく特徴的に感じるのが、どこのメニューも品数少な目なこと。
つまり少数精鋭。あれこれ手を変え品を変えズラリ何十種類も売り出すより、一品毎に情熱を注ぎたい。そんな思いが伝わってくるというもの。
そんな一杯のラーメンは格別なのでした。
この記事のキュレーター
醤油(850円)