2021年01月05日
旭川市が1970年に創設し、今では日本彫刻界の最高栄誉とも評されるようになった中原悌二郎賞の50周年を記念し、第1回から第41回までの受賞作品(代替作品含む)を展示し,時代の流れとともに変化し、多様化しながら発展を続ける日本彫刻界の変遷をご紹介します。
1970(昭和45)年,旭川の開村80周年の記念事業の1つとして創設された中原悌二郎賞が本年で50周年を迎えました。これを記念して,中原悌二郎賞の半世紀にわたる歴代の受賞作品を紹介する特別展を開催します。
中原悌二郎は1888 (明治21) 年に釧路に生まれ,9歳の時に旭川の養家のもとに移り住みます。5年間を旭川で過ごした後,札幌中学校を経て画家を志して上京します。やがて本格的に彫刻制作に取り組みますが,1921 (大正10) 年,わずか32歳の若さで死去します。現存する作品は12点のみですが,いずれも近代彫刻の歩みを振り返る上で,たいへん重要な作品となっています。
旭川市は,1962 (昭和37) 年から市民の協力も得ながら中原悌二郎作品の収集と保存に努めてきました。そして1970(昭和45)年,日本の近代彫刻史に大きな足跡を残した中原悌二郎を顕彰するとともに,日本の彫刻界の大きな発展に貢献することを目的として中原悌二郎賞を創設しました。
国内で発表された日本人作家の彫刻作品のうち,最も優れた作品に中原悌二郎賞を,それに次ぐ作品に中原悌二郎賞優秀賞を贈呈し,これまで41回の実施を数えて参りました。延べ88名の受賞者には,現代日本を代表する彫刻家の方々が名前を連ねており,中原悌二郎賞は国内彫刻界における最高栄誉であるとの評価もいただいています。
歴代の受賞作品(あるいは代替作品)は旭川市が購入し,中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館に収蔵するほか,旭川市内の公共空間や公共施設に展示され,優れた彫刻作品に日常的に親しむことのできる環境を形成しています。
なお,中原悌二郎の32年の生涯と同じ32回目の実施を節目として,第33回からは隔年実施のビエンナーレ方式へと移行し,第36回からは中原悌二郎賞1点のみに贈呈しています。
本展では、1970年の第1回から2019年の第41回までの受賞作品(代替作品含む)を、展示し,時代の流れとともに変化し、多様化しながら発展を続ける日本彫刻界の変遷をご紹介します。
偉大なる彫刻家・中原悌二郎の名を冠するこの賞が,今後とも多くの人々の支持を得て,彫刻を志す方々の励みとなり,彫刻界をリードし続けていくものと期待しています。
中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館(旭川市春光5条7丁目)
第Ⅰ期 令和3年1月5日(火)~令和3年2月27日(日)
第Ⅱ期 令和3年3月3日()~令和3年5月9日(日)
午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
一般450円/高校生300円/中学生以下無料
*上記料金は常設展観覧料を含む金額*各種減免規定あり
毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日)
中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館(℡0166-46-6277)
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