2022年02月19日

「素材へのアプローチ -中原悌二郎賞受賞作家の金属彫刻から-」

中原悌二郎賞は戦後日本の彫刻界を牽引してきた彫刻家たちが歴代の受賞者として名を連ねてきていますが、本展では,受賞作家の作品群から金属を素材とした彫刻を取り上げ,それぞれの作家がどのように素材を扱い、作品を制作しているか,そして,素材の扱い方が作品の性質にどのように反映されているかを紹介します。


展覧会概要

令和3年11月に選考した第42回中原悌二郎賞は,西野康造氏による<Walking in the Sky>が受賞作品となりました。西野康造氏の卓越した熔接技術や電解着色などの手法を駆使し素材を巧みに取り扱ったこの作品は,チタン合金の軽さと強さを生かした鮮鋭な作品に仕上げられています。
戦後の現代彫刻は,高度経済成長に伴う産業構造や生活様式の変化と歩調を合わせるように新しい素材や表現方法を獲得しながら表現の幅を拡大し,新素材と新技術が持つ特質や特性が作品の性質を決める大きな要因となるに至りました。
中原悌二郎賞は戦後日本の彫刻界を牽引してきた彫刻家たちが歴代の受賞者に名を連ね,賞の歴史は戦後日本彫刻史の縮図となっています。
創設初期の1970年代には奨励賞的位置付けの中原悌二郎賞優秀賞に金属を使った作品が見られ,1990年代以降は中原悌二郎賞の受賞作品にも金属を素材とする彫刻が多数見られます。
これらの金属を素材とした彫刻たちは,使われている金属の種類も加工の技法もそれぞれ異なり,そのために作品の性質もまた多種多様なものとなっています。
本展では,旭川市彫刻美術館が収蔵する中原悌二郎賞受賞作家の作品群から金属を素材とした彫刻を取り上げ,それぞれの作家がどのように素材を扱い、作品を制作しているか,そして,素材の扱い方が作品の性質にどのように反映されているかを紹介します。

基本情報

会場

中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館 1階展示室(旭川市春光5条7丁目)

会期

令和4年2月11日(金)~同年7月3日(日)

時間

午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)

観覧料

一般450円/高校生300円/中学生以下無料
※上記料金は常設展観覧料を含む金額
※各種減免規定あり

休館日

毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日)

主催

中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館(℡0166-46-6277)


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