2022年06月08日

辛味噌じゃない辛いラーメン【実食ルポ】3店4杯

辛いラーメンの定番といえば辛味噌!だが醤油や塩味の辛いラーメンはないのか、果たしてそれは旨いのか。麺好きライターの筆者が突撃取材(テレビか)してきました。 ※情報は取材当時のものであり、料理内容や価格が変更されている場合がありますのでご了承ください


こぐまん

 

たしか、ここに味噌以外にも辛いラーメンがあったはずだなと訪問。
これまで食べたものは大体うまいので、辛いラーメンもハズレはないだろう。同店に限らず、今回の取材はそうした考えで店を厳選している。

で、醤油ラーメンに辛口と表示があるのを発見。
ちなみに塩味の辛いのはメニューになし。

辛口正油ラーメン(800円)

 

おおっ、赤い!
なるほど、ラー油で攻めてきましたか。
でも、ラー油もいろいろある。香ばしいのやら激辛のやら。
同店はどんなふうに辛口を演出するのか。

 

ラー油は辛すぎるという事もなく、スープの旨味を端的に引き立てている。
唇にこびりつく油の質感が、舌とは別に辛さを伝えてくる。
そのようにして、口もとにはまったりとくるが、スープの口当たりは思いのほかすっきりとしている。

 

ご覧の様にスープは麺にこってりと絡むこともなく、麺も食べやすい。
するりといけて、辛い香味がさらりと追いかけてくる、総じてそんな食べ応えか。

普段は食べないけど、たまに辛いラーメンに挑戦してみようかしら、なんてお方はこういうのから入門しては。

お店情報

店名:こぐまん 
住所:旭川市錦町15-2963-43
電話:0166-74-4539
営業時間:05:00~08:00/11:00~14:00/17:00~20:00
定休日:月曜
駐車場:あり

富いち

 

日頃から、一杯を創り上げるそのテクニックには一目も二目も置いてる店。
辛味噌ラーメンの非凡な様が実に印象的だったので、他の味だってきっと・・・
と期待大。

醤油編

辛醤油(900円)

 

あ、一味唐辛子がかかってる。
余談だが、カップヌードル(醤油)には唐辛子をたっぷりかけて食べるのを好む筆者である。

でもまさか、この唐辛子で、はい辛いラーメンですよなんて言わないよね、ご亭主。
と思うも束の間、食べようと顔を近づけると、スープから辛い何かがほわほわと。

 

素人の予測だが、唐辛子油的なものを加えたか、もともとスープを煮出す際に唐辛子を入れてあったか。
スープ自体がしっかりと辛い。かつ、その辛さは深い。
これは驚きだ。
かかってる唐辛子は見た目と香りの演出だ。

 

その辛味は醤油の香味をきゅっと締め、その旨さは後を引く。
さらには、しこしことした麺の素材味をも引き立てる、ラーメンとしての完成度はいつもながらお見事としか言いようがない。

 

加えて、辛つゆは、とろとろのチャーシューとも相性が至極良い。
いやはや、これはハマった。

塩味編

辛醤油の旨さが病みつきとなり、ほどなく塩味の辛いヤツも食べたくなった筆者。

辛塩(900円)

 

辛醤油とは見た目に大きな違いはない。
醤油は醤油味の色がして、塩は塩味の色だ(当たり前だ)。が、塩の辛いのっていったいどんな味になるんだろ。
醤油のそれはカップヌードルで実証済みだが(参考になるか?)、家でラーメンを作るとき、塩味ラーメンに唐辛子をふったことはない。
また余談だが、マルちゃんラーメン「しお味」には黒コショウとラー油をかけるのを好む筆者である。

 

あ、辛い。旨い、美味しい。ひょっとして辛醤油より好きかも、コレ。
と、いきなり引き込まれた筆者。

その辛さは、前掲の辛醤油と同じに深く鋭いが、塩の旨味が引き立ったその旨さはこの上ない。
逆に言えば、塩の旨味が引き立てるその辛味は鮮烈。すっきりとしていて後味も良い。

 

なので食欲が後押しされ、すいすいと食べ進むこと至って軽快。
額にうっすら汗をにじませ、完食した時の解放感は、辛味噌のそれとは違う軽やかさなのだった。

お店情報

店名:中華そば 富いち
住所:旭川市新富2条1丁目14-15
電話番号:0166-76-6114
営業時間:11:00~21:00
定休日:火曜
駐車場:あり

羅 漢 らかん

 

さて、お次は緑町から。独創的なラーメンで注目される人気店だ。
期待通り辛いラーメンも、辛味材料はラー油でもない、唐辛子でもない、他にはないスタイルだった。

ワサビ正油ラーメン(880円)

 
 

トッピングの昆布とともに、ふりかけられているのは何と山わさび。これは筆者もお目にかかったことがないが、ともかくは、ふわっと山わさびの香りがとても心地よい。
山わさびは日頃から口にしているから、これが醤油ラーメンに加わるとどうなるか、味は何となく想像できるが、果たしてそれは旨いのか。

 

おおっ、なんと鮮烈な。
その味わいは、唐辛子の辛さとはまったく違う清涼感。
山わさびは本来とても辛く、多く口にすると息が止まるほどに鼻がツーンとするものだが、同店のラーメンには程よい量(ちょっと控えめか)が加えられているので安心。また、その辛味も唐辛子のようにヒリヒリという刺激的な辛さではない。
また、山わさびの魅力は、辛さというより香りにあると思う。

 

スープには山わさびが溶け込んで、麺にからめばこれまた旨し。
わさび効果か、食欲が増し箸が止まらない。あっという間に間食、完ツユに至る。

山わさびは時間が経つと辛味も飛んで味わい穏やかに。特におつゆは最後のひと口まで美味しかった。

お店情報

店名:らーめん道場 羅漢(らかん)
住所:旭川市緑町23丁目
電話: 0166-53-5858
営業時間:11:00~15:00 / 17:00~19:30
定休日:水曜日
駐車場:あり

辛かった後記

いかがでしたか。ひと言で辛いラーメンといっても、辛さの演出は色々あるものですね。
また、今回のラーメンは、辛さに挑戦!というものでなく、辛さを楽しむといった出来映えのものばかり。
ラーメン好きのアナタ、未体験なら一度ハマってみませんか。


この記事のキュレーター

美味しいもの、旨い酒を味わう時間が何より大事。
不惑の呑兵衛を目指すべく、きき酒師の資格を取得。

・SSI認定FBO公認 きき酒師
・日本酒WEBメディア SAKE TIMES ライター