2023年06月02日

【15丁目界隈】ラーメン事情 '23最新版

銀座通りと呼ばれたり人によっては15丁目と言ったりする、あの辺りの麺情報。歴史あるエリアの昔と今を感じるラーメンの香りをお届けします。 ※情報は取材時のものであり、現在、料理の内容や価格が変更されている場合がありますので、予めご了承ください


エリア感慨

おっさんの昭和話で恐縮。
昔は今よりもずっとずっと賑わっていたように思う(思うというより事実)。そのエリアは3条通15丁目を中心に2条、4条まで、そして14丁目、16丁目と広かった。周辺に町工場や問屋が取り巻くその中で、商店や飲食店、飲食ビルが軒を連ねていた。
飲兵衛目線で言うなら、さんろくに行かなくても銀座でひと晩、たっぷりと楽しめたものだ。
ラーメンが食べられるところで言えば、懐かしいところでは三条食堂を始め食堂があちこちに。16丁目には中華のお店もあった。
若い頃の筆者の活動エリアはもっぱら買物公園方面だったが、たまに15丁目方面に出向くと、ムードの違う賑わいがあって面白く、楽しかった記憶がある。
あまり語ると、大先輩たちからお前なんぞガキだと言われそうなのでこのへんで。

らぁめん はち麺

 

のっけから昔話をしてしまったので、逆に、エリアのニューフェイスの情報から始めましょうか。
ところは3条本通りの14丁目。5年ほど前に開業した居酒屋「酒と肴はち」が昨年春より昼の営業「はち麺」を展開。
今は夜も居酒屋と並行して、ラーメンを提供しているご様子。

醬油らぁめん(880円)

 

行儀よく並べられたトッピングが洒落ている。
丁寧な仕事ぶりに、良いお店ができたなと好感を抱く筆者。
で、このラーメンは見た目だけじゃない。

 

おつゆは、きりっと出汁の効いたしっかりとした味わい。店主の考えがバランスよくカタチになったものとお見受けする。
これが茹で加減絶妙な麺にからみ、口の中がしみじみとした旨さでいっぱいになる。

旭川ラーメンの良いところを踏襲しつつ、新しさを織り込んだ「今」を行くラーメンだ。
これからの15丁目麺シーンの担い手として、勝手ながら大いに期待したい筆者である。

お店情報

店名:らぁめん はち麺
住所:旭川市3条通14丁目
電話番号:0166-56-1295
営業時間:11:00~14:00
定休日:日曜、月曜
駐車場:なし

蜂屋 本店

続いては、老舗の登場だ。
あの百貨店の向かいに鎮座する、15丁目の顔とも言うべき店。

 

あまりに有名なこの店の、今さら何を語ればよいものやら(笑)。

えーと、今は社長が本店の釜にいて、相変わらずの手さばきで麺を茹でております、とか?
先代の頃は、メニューに醤油とか塩とか味の選択がなくて「ラーメン」のみ。
ほかにメニューは「かけラーメン」「チャーシューめん」とか、オプションでネギとかメンマとかがあって、そうそう味の選択という意味では「野菜タンメン」ってのがあったね、あれ塩味。
そういや旭川駅の地下にもお店があったんだよね。

・・・等々、昔馴染みと話題が蜂屋ネタになるといつもこんな感じ(笑)。

しょうゆラーメン(900円)

 

失敬しました。昔話をしても埒が明かないので、今の話をしましょうね。

まれにいる「実は蜂屋って行ったことないんだよね」という方のために最新情報を。
同店には季節ごとに訪問、というペースの筆者であるが、上画像は、つい最近訪ねたときのもの。
見た目は昔と大きな変化は感じられない。黒い煙幕もいつもどおりだ。
※筆者の言う昔とは昭和の頃の話です

それにしても900円ですか。
時代ですねえ。500円で釣りがくる頃からの者には、まさにカルチャーショック。

 

魚介と豚骨のWスープ、焦がしラードがクセになる・・・という昔からの展開も昔のままだ。

ただ、巷では「昔より味が薄くなったんでないかい?」とか「前はもっと濃かったべさ」という意見もごく一部で囁かれるが、筆者にその実態は分からない。
が、味に変化があったとしても、長い歴史の中で何某かの店主の考えが反映されたものかも知れないし、時代の流れに合わせたものかもしれないし(塩分を抑えたとか?)、いずれにせよ、今が旨ければそれでいいのだ。

ファンの筆者としては、いつまでも焦がしラードによる中毒患者でいたいだけである。

お店情報

店名:蜂屋 本店
住所:北海道旭川市3条通15丁目
電話:0166-23-3729
営業時間:10:00~15:20
定休日:水曜日
駐車場:あり

そば源 三番舘店

この辺りで、ラーメンが食べられるとこ、他にないかなぁ・・・。
という時、まさに穴場なのがココ。
三番舘にレッツラゴー(死語w)

 

サンプルがぎっしりのショーケースに、わくわく感がアップ。
まるで百貨店のレストランのようなムードだが、そば屋である。
そば屋ながら、ラーメンが充実しているのが嬉しい。

特筆すべきは、このそば屋が昨年来、著しく変化している件。IT化がすごいのである。

 
 

注文にはスマホが導入された!! (従来通り店員さんへの注文も可)
しかも、支払いはセルフレジ。当節、スーパーやコンビニなどで導入が盛んであるが、まさかここでも。
客層を伺うとどことなくご高齢の方が多い同店。大丈夫かなあと心配にもなったが、今では概ねすんなりと機能しているご様子。
加えて、キャッシュレスにも対応しており、クレカはもちろん各種バーコードや電子マネーでの決済が可能となっている。
何につけレトロとか言われるこの地域だが、それは勘違い。そんなこと言ってる奴が置いてかれるぞ(笑)

 

この日は、自身マイブームの辛味噌をオーダー。
ラーメンは醤油・塩・味噌はもちろん、辛味噌、チャーシューメンも。さらにミニサイズも対応していて、至れり尽くせり。

 

その味わいは市民にも馴染みある、いわゆる「旭川ラーメン」タイプ。
多くのお客の口に合いそうだ。

また同店は、カレーや丼ものとラーメンの、セットメニューも充実のラインナップ。もう、そこらのラーメン屋には引けをとらない、いや、それ以上かも。

お店情報

店名:そば源 三番舘店
住所:旭川市3条通15丁目 三番舘3F
電話:0166-24-0213
営業時間:10:30~18:30
定休日:不定休
駐車場:指定あり(買物で優待)

あとがき

かつて隆盛を極めたご当地であるが、残念ながら現在はずいぶんと静か。
でも、外から入って来た若手経営者による新しいムーブメントもあり、面白いまちになりそうな機運も。

昔より規模は小さくても、その分個性ある店が揃う、美味しく楽しい15丁目になればいいなと願う筆者であります。


この記事のキュレーター

美味しいもの、旨い酒を味わう時間が何より大事。
不惑の呑兵衛を目指すべく、きき酒師の資格を取得。

・SSI認定FBO公認 きき酒師
・日本酒WEBメディア SAKE TIMES ライター