2023年12月20日

食べ応えあり!! 【餅が決め手】の旨いそば 3杯

そばの食べ応えを断然パワーアップ!! そんな力強いトッピングが「お餅」だ。心して味わえばしみじみ旨い、そんなお餅がのったそばを特集します。 ※情報は取材時のものであり、現在、料理の内容や価格が変更されている場合がありますので、予めご了承ください


ごまそば鶴㐂 末広店

 

今や老舗に数えられるようになった人気店。休日ともなれば家族連れで大賑わい。
親しみやすいメニューが多いものね。

ってことは、餅のメニューもきっと・・・

餅のおそばといえば「力そば」、とかそんな名前と思ってメニューを物色してみるが、ない。
ひょっとしてコレ? 見つけたのは「雑煮そば」なる珍品(?)である。

雑煮そば(980円)

 
 

見た目、ちゃんと雑煮だ。紅白のかまぼこを使った、いかにも縁起良さそうなお正月に食べる雑煮。かつ、テイストは鶏肉、切り餅という北海道でお馴染みの雑煮だ。
ちょっと意表を突かれたな。
しかも、おつゆに沈んで分かりにくいが、2個の餅、1個は白、もう1個はうっすらピンクという紅白仕立て?
なんとも目出度いことよ。

 

おお~っ。餅が柔らか~い。
しなやかに伸びる餅がまた旨い。やっぱ北海道の雑煮は切り餅だよね。

 

かまぼこプリプリ、鶏むねムチムチ。
程よい大きさに切り揃えられた具のおかげで、すっかり雑煮気分。
待て、これはソバだよ、蕎麦。夢中になって上の具ばかり食べる筆者だった。

 

鶴㐂といえばコレ、ごまそばだよね。
パワフルなトッピングのせいで、いつもよりあっさりと感じるのは筆者だけだろうか。
ともあれ、いつものこの蕎麦であるが、おつゆが雑煮にスゴク合う。

年越しそばと新年の雑煮をいっぺんに味わった気分に大満足。日本の伝統バンザイ!なのである。

お店情報

店名:ごまそば鶴㐂 末広店
住所:旭川市末広4条3丁目
電話:0166-51-0877
営業時間:11:00~20:00
定休日:不定休
駐車場:あり

そば処 名人傍

 

堂々たるまちなかの老舗。
餅入りはベーシックなメニューだもの、ないはずはない。
と、勝手な自信を抱き、いざ店内へ。

力そば(900円)

 

あったよ、あった。
しかも名前も期待通りの「力そば」。お餅そばの定番ネーミング。
であるが、それはさて置き何て素敵な盛り付け。
これこそ「お雑煮」っぽく、かつ、具の大きさや量にムリ無駄がない。さすが年季の入った老舗の技だな。
この画像、何度見返しても、うっとりしてしまう。
餅はもちろん、しいたけ、とり、ほうれんそう、かまぼこ、大きく切ったネギなど、雑煮を演出するにふさわしい彩が素晴らしい。

 

ふわりと柔らかな餅。
餅の厚さ、大きさが控え目なので、口に含めば滑らかに喉元へ流れていくような、そんな食べやすさ。
餅の味って、言葉で表現するのは難しいけど、この餅、そばつゆに浸って風味を増して旨い。前述の食感も手伝って「ああ、餅って美味しいものなんだ」とじんわり実感。
※説明になってないな(笑)

 

餅にばかり感心していて忘れてた。元来、同店のそばはちょっと太めで、一杯の食べ応えは比較的ボリューミー。
これに餅って、けっこうなボリュームアップ。おなか的に食べ応えが欲しい方にもおすすめである。

お店情報

店名:そば処 名人傍
住所:旭川市1条通8丁目
電話:0166-23-1929
営業時間:11:00~19:30
定休日:日曜日
駐車場:あり(カーレストと提携)

そば処 四條庵 東

 

さてさて、こんどは更科そばと餅の相性を堪能すべく、四條庵へ。
メニューはバラエティーに富む人気店。餅入りのそば、きっとあるに違いない。

が、品書きにはそれっぽいものがみあたらないぞ。
よくよく吟味してみれば、「ぞうに」と記したものが。さらに「鶏もも、練り物」と追記してある。
筆者もっぱらの御用達「はま長本店」には、「雑煮」というメニューがあるんだよね。そばの上に餅じゃない、いわゆる本当の雑煮が。
ひょっとして、四條庵にも雑煮が?
ならば、それならそれで面白いから(ネタになるから)えーい、頼んじゃえ。

ぞうに(1,150円)

 

ちょっとワクワクしたのも束の間、やって来たのは雑煮がのったそばだった(笑)
でも、それなりに手がかかっていて、さすが老舗な感じがうれしい。

 

たとえば餅。
分かるかなぁ、これ、炙ってあるんだよね。
ちょっとこんがり焼けていて、ぷくっとふくれてる。
もちはこうするのが旨いんだ的な演出がニクイねえ。これはきっと美味しいぞ。

 

たまたま訪れたお昼どき。
ランチタイムはおにぎり付きということで、餅+おにぎりで炭水化物まつり絶賛好評開催中!!と相成る(笑)

 

おつゆの下からすくいあげてみれば「鶏もも」も見た目以上のボリューム。
おつゆの上に浮かぶ脂はこれ由来なのか。この肉を、そばつゆでさっと煮たものか、普段のものより旨味が増したような口当たりに感じる。

 
 

餅は歯応え喉越しともに、その旨味がたっぷり。いたずらにトロトロしてない、いわゆる本物だ。
年齢を重ねると、こういうものがますます美味しく感じるんだよね。素朴な味わいに、より親しみを感じるお年頃とでも言おうか(笑)。

餅の香ばしさのおかげもあって、ふわりとした更科の旨さもひときわ。
餅って、いい仕事するなと、何やら新たな気づきを得たような気分の筆者である。

お店情報

店名:そば処 四條庵 東
住所:旭川市東4条8丁目
電話番号:0166-76-6930
営業時間:11:00~20:00
定休日:金曜日
駐車場:あり

お餅な後記

時代の流れとともに姿を消してきた、あまたの伝統文化。
そんな中、生き残っている「餅」。

筆者はふと思う次第であります。それはとても素敵なことだな、と。
さらには、同じく伝統食である蕎麦がそれを食べる機会となっていることに。

旭川のそば屋も、なかなかやるものである。

お餅なんぞ正月くらいだな、というご家庭も多いかと思うが、たまにはいかがだろうか、餅。
そば屋に行けば簡単だ。
いちいち難しく考える必要はないが、しみじみ旨いはず。それが餅の味わいだ。


この記事のキュレーター

美味しいもの、旨い酒を味わう時間が何より大事。
不惑の呑兵衛を目指すべく、きき酒師の資格を取得。

・SSI認定FBO公認 きき酒師
・日本酒WEBメディア SAKE TIMES ライター