2024年02月23日

【ぷるんと美味】おすすめ『ワンタンめん』3選

ギョウザとはひと味違う滑らかさと軽やかさ。これが浮かぶラーメンは、味わいもひときわ膨らんで豊かな食べ応えが楽しめる・・・、というワンタン麺だが、意外にもこれを出している店は少ない。ということで、筆者が探し当てた3店から、その美味しさをご紹介。ラーメンのお味の方も味噌・塩・醤油と食べ分けてレポートです。 ※情報は取材時のものであり、現在、料理の内容や価格が変更されている場合がありますので、予めご了承ください


こぐまん

何たってメニューのバラエティーにかけちゃ旭川屈指と、呼び声高い店。
ワンタンの文字は、期待通りメニュー表に発見。しかも味噌・塩・醤油すべての味に対応。

そういや、味噌のおつゆでワンタン麺、というのをまだ食べたことがなかったかも・・・。

ワンタンメン(醤油・塩各1,050円、みそ1,100円)

 

ということで「みそ」で注文。

おっと、おつゆがたっぷりなので肝心のワンタンが水没(笑)
どれどれ?とおつゆの中を捜索してみると・・・

 

レンゲですくい上げてみれば、薄皮ひらひら、とろんとしたワンタンが。
うむ、期待通り。こういうのが食べたかった。
ワンタンって、中身の肉がメインなんだろうが、美味しさの演出に欠かせないのは薄皮の食感だ。

 

まずは試食とばかりに、薄皮の食感を楽しみつつ半分頂いてみる。
中にはひき肉のあんが。ちょっと小ぶりだけど味の存在感は十分。
ちゃ~んとワンタンの中身としての任務を果たしている。

薄皮という言葉を使ったが、意外に薄くないのが同店のワンタン。
スーパーなどで小売りされている、スープで煮て食べてください系の、お手軽な品に比べると皮はしっかりとしていて厚みもあるように思われる。
何ミリ厚かは分からないが、食感がそうだと言っている。だから、ラーメンを食べ進んでもワンタンがくたくたとほぐれたり千切れたりしない。
その様は、中盤以降でも下画像のとおり。

 

そんな中、筆者は改めて思う。やっぱ、ここの「みそ」味は旨いなあ。
ちょっと意識して味わってみれば、コクの深さに圧倒される。
で、これがワンタンにもよく合っているというから嬉しさこの上ない。おつゆの中でのワンタン、ワンタンと味わうおつゆ。どちらからアクセスしても、両者には一体感がある。
これまで食していた「ワンタンスープ」から、こういうもののおつゆは塩味か醤油味と、固定観念を抱いていたが、見事に打ち砕かれた。
さすが、こぐまん。

お店情報

店名:こぐまん
住所:旭川市錦町15-2963-43
電話:0166-74-4539
営業時間:05:00~08:00/11:00~14:00/17:00~20:00
定休日:月曜
駐車場:あり

 

龍 宝

ラーメンになぜワンタンなのかは知らないが、昔からある、ラーメン店ではベーシックな存在だもの。老舗には是非ともあってほしい。
との願いをぴたりと叶えるかのように、品書きに「ワンタン麺」の文字が。

ワンタン麺(各味 900円)
 画像はしおラーメン

 

ああ、いいですねえ。
味がどうこうという前に、どんぶりの中の、具材の納まり具合。
何かが出過ぎたり少なすぎたりせず、それでいて食材それぞれが主張しながらひとつのラーメンとなる、さすが老舗の仕事って感じがする。

 

なつかし系のラーメンに出会うと、つい我を忘れる筆者(笑)
同店にはけっこう久しぶりということもあって、ワンタン取材を忘れ、その美しいラーメンをすすり上げる。
今回、こちらでは「しお」を頂くことに。
おおっ、塩気の効いたおつゆに、細目のしこしこ麺。昔ながらの旭川ふう、やっぱ好きだなあ。

 

では、お待ちかねのワンタンを。
ラーメンに夢中になっていたその勢いのまま、景気よく1個ペロンと口に運べば、ハフハフ、ホフホフ、アツ、アツ・・・、束の間ちょっと大変なことに(笑)
うんうん、味わいのしっかりとしたラーメンだからこそ、ワンタンが調和してるね。

 

中身のあんはむっちり系。ぷるぷるの皮にまみれ程よい弾力を返す。
ワンタンの醍醐味、ここにありというところでしょうか。
食べやすい大きさということもあり、もう一つ、もう一つと箸が進む。
このワンタンなら、みそ味や醤油味のおつゆでもよく合いそう。

お店情報

店名:龍宝
住所:旭川市2条通18丁目
電話:0166-33-6723
営業時間:11:30~14:00 / 17:00~20:00
定休日:R4年より月曜定休に
駐車場:あり

 

永来軒

さーて、味噌、塩と来たあとは、おまちかねの醤油の登場だ。
旭川のラーメンだもの、やはり醤油味にはこだわりたい。となれば、頼りは老舗。
永山エリアでは指折りの人気店を訪ねた。ここは暖簾をくぐる度、懐かしいムードに癒される。

ワンタンラーメン(880円)

 
 
 

懐かしいのは店だけじゃない、醤油出汁の効いたおつゆとラードの旨み、細麺の喉越しも何もかもがノスタルジック。
数か月のご無沙汰で、こんなに心地よいって、ある意味ご無沙汰も悪くない(笑)。

それはさて置き、よく見てみれば・・・

 

ワンタン、でかっ!!
お上品に「大きい」と言いましょう(笑)

 

でもって、生地はつるんつるんのプルンプルン。
中身のあんはちょい少なめながら、風味が実に良い。いや、少ないわけじゃない。皮が大きいので小さく見えるだけ。ともかくは、効かせているのはごま油だろうか、豊かな香りが食欲をそそる。
その割にはお腹を邪魔しない、程よい量でラーメンと調和する、さすが老舗の一杯。

お店情報

店名:永来軒
住所:旭川市永山4条12丁目
電話:0166-48-3648
営業時間:11:00~19:30
定休日:月曜日
駐車場:あり

 

完食後記

いかがでしたか。
ちょっと独特な世界観、ワンタンめん。

小麦で製造した麺の上に、生地を小麦で調えたワンタンって、炭水化物増量(笑)って感じも否めなくはないが、その独特なボリューム感が堪らない。

食べ応え満点!! というより、愉快、オモシロイ。
そんな摩訶不思議なワンタンという食材、ラーメンと一緒に楽しんでみませんか。


この記事のキュレーター

美味しいもの、旨い酒を味わう時間が何より大事。
不惑の呑兵衛を目指すべく、きき酒師の資格を取得。

・SSI認定FBO公認 きき酒師
・日本酒WEBメディア SAKE TIMES ライター