2024年06月16日

美味爽快!! 【山菜そば】 おすすめ3杯

そばメニューの中で、独特な滋味と清涼感が香るものといえば『山菜そば』。暑くなるこれからの時期、清涼感たっぷりに味わえる冷たい山菜そばは堪りませんね。そんなのどこで食べても同じでしょって?いえいえ、さすがの名店はどこもひと味違う。という、多彩な山菜そばの表情をご紹介しましょう。


はま長本店

粋な味わいを堪能できる、筆者も年中、何十年もお世話になっている店。
そばメニュー定番のひとつ、山菜そばも期待を裏切らない。

山菜(1,052円)

 

はま長本店の山菜そば。そばつゆを自分で好きなだけかけて食べる、ぶっかけスタイルだ。
ちなみに、同価格で温かい山菜そばもある。
盛り付けは、山菜のほか、天かす、大根おろし、海苔という顔ぶれ。
山菜にはおろし。このコンビは不滅、というか、多くの店がそうしていて、「山菜おろし」というメニューも珍しくはない。

 

今どきのそば屋の山菜は、水煮を使用(以降の章で紹介する店も同様)。
え、採れたてじゃないの?とか言うなかれ。
採れたてじゃなくでも品質よく保存できる水煮のおかげで年中うまい山菜そばが食べられるのだよ。
わらび、たけのこ、なめこ、きくらげなど、数種が混在するせいで、その味わいにはふくらみがある。

 

香ばしい天かすが、山菜そばの旨みを引き立てる。
そもそも、この店の天ぷらは旨い。と来れば、天かすも然り。だから役者に例えるなら名バイプレイヤーのような存在感(ほめ過ぎかな)。

 

山菜、すなわち野趣。なので、そばは(麺は)田舎そばがお似合いというイメージもあるが、生憎、はま長は更科だ。
が、むしろ更科の方が山菜には好適ではないかと思う筆者。更科の穏やかな旨味が、山菜の滋味を清涼感たっぷりに引き立ててくれている。

お店情報

店名:はま長本店
住所:旭川市3条通6丁目
電話:0166-22-2731
営業時間:11:00~翌1:30
定休日:日曜
駐車場:なし

 

和佳亭

ゴハンものや、そばとのセットメニューもバラエティーたっぷりなそば処。
席もゆったりしているので、家族連れも多いと拝察致す次第。

冷やし山菜そば(950円)

 

前掲、はま長本店のそれと比較すると(決してどっちが旨いかという話ではない)、あ、こちらは天かす抜きで勝負に出たか。
そのせいか、前掲よりぐっとクールで硬派な感じがしますな。

で、こちらも前掲同様、つゆをかけて頂く、ぶっかけスタイル。
ちなみに、「温」もあり。

 

ちょっと太めなそばとともに、景気よく頬張ってみれば、素朴な香りが口の中に充満。
うむ、これぞ山菜そばの食べ応え。
和佳亭おなじみのむっちりしたそばの食感と、山菜のシャキシャキが合わさって、この感覚は差し詰め、よい日和に野山の風や香りを体いっぱいに感じている・・・ちょっと話を盛り過ぎ(笑)ている感もあるが、山菜そばとは、そうしたもんですよ、本来。

 

しょっぱなからワサビをどんぶりにINしてはいけない。
わさびは食べている途中に足して、味変を楽しむべし。
とは、法律で定められたそばの食べ方、なはずもなく、あくまで筆者の考え。ではあるが、ワサビが良いアクセントになり、そばの旨みが引き立つ。その香りが山菜の滋味とより相性を高める。そんな流れを楽しめるかも。

お店情報

店名:北のそば 和佳亭
住所:旭川市1条通20丁目
電話番号:0166-38-6188
営業時間:11:00〜15:30 / 16:30〜20:00
定休日:第1・第3・第5木曜
駐車場:あり

 

そば処 四條庵 東

筆者の記事ではお馴染みの店。
何度も掲載しているが、えこひいきではない。だって、紹介する価値あり!!な品が多いんだもの。

山菜(1,000円)

 

ほらね、前掲2店とはまた違った山菜そばでしょ。
掲載に加えたくなるのもお分かりいただけるかと。

まず、盛り付け情報を整理すると、山菜(当たり前)、天かす(はま長にはあったが和佳亭にない)、おろし(両店にあり)と、2店のそれを足したような山菜そばの見本ともいうべき品。
しかし、前掲2店にあって、四條庵にないものはなんでしょう。

チッ チッ チッ チ・・・

はい、正解は「海苔」です。
前掲2店にあるから、海苔はスタンダードと思いきや、四條庵には・・・。
ねっ、山菜そばなんてどこも同じと思ってたあなた、いろいろあるでしょ。

と、それはともかく

 

すでにお気づきと思うが、前掲にはない最大の特徴は玉子(卵黄のみ)。
そば屋用語では「玉(ぎょく)」というが、黄身ひとつがスゴイ存在感を放っている。

実は筆者、そばに関してはすっきりとかさっぱりという味わいを好むので、卵が付くメニューにおいても「玉抜きでね(訳:玉子抜きでね)」と注文することが多い。
この山菜そばも、すでに何度か頂いているのだが、いずれも玉抜きだ。

しかし、何かを欠いては商品の正確なレポートにならないので、今回は・・・

 

まずは黄身をからめずピュアな状態で。
歯応えの良い細麺と山菜、これにおろしを和えて頬張れば、口の中は鮮烈な食感が充満、シャキシャキ祭り大好評開催中となる。
いやホント、四條庵そばは何を食べてもそのボリューム感に圧倒されるが、これも期待を裏切らないクオリティー。

 

で、違いを知るために、黄身は途中から絡めて味見する。

うーん、

黄身がからんで味わいはまろやかになることは確か。かつ、口当たりにこってり感も。
ので、普段からTKGが日課とか、そばなら月見というお方には嬉しいトッピングと思う。
なんか、興味なさげなコメントで申し訳ないです(何せさっぱり派なもので)。

画像は、あえてこってり感を伝えるために、露骨に黄身を絡めているが、どんぶり全体に溶かして広げてみれば、こってり感はほんのりとしたコクとなり、山菜そば全体の風味がふくよかに。
最初からそうして食べればよかったか(笑)

そうそう、この山菜そばに海苔がないのは正解。これに海苔が加わったら、食感がちょっと忙しくなっちゃうかも(玉子丼には海苔要らない派)。

お店情報

店名:そば処 四條庵 東
住所:旭川市東4条8丁目
電話番号:0166-76-6930
営業時間:11:00~20:00
定休日:金曜日
駐車場:あり


この記事のキュレーター

美味しいもの、旨い酒を味わう時間が何より大事。
不惑の呑兵衛を目指すべく、きき酒師の資格を取得。

・SSI認定FBO公認 きき酒師
・日本酒WEBメディア SAKE TIMES ライター