2024年09月20日

醤が引き立つ【ジャン辛】なラーメン 3杯

ジャン辛と銘打つラーメンがある。ジャンって何? どんな辛さなんだろう!? と興味津々に、筆者が味わった醤油・みそ・塩味のジャン辛3杯を紹介します。


ジャン辛とは

この言葉、食品業界でがっちりと定義されている訳ではない。
が、ジャンは「醤」と書き、醤とは豆板醤や甜麺醤、コチュジャンといった中国料理・韓国料理でお馴染みのペースト状の調味料を指す。それらを用いて料理の香味に辛さを加えたものを一般的に「ジャン辛」としているようだ。
醤は概ね発酵・熟成しているので、独特のコクや旨味が特徴。これを生かした辛さは、単に唐辛子を加えたものは味わいが違う。

ラーメン・カリー 大門

 

市中心部から向かうなら、平成大橋を渡ってすぐ、店舗の見映えそのものが分かり易いので、すぐに発見できる。
という店に「ジャン辛」があった。

醤油ジャン辛ラーメン(800円)

 

注文したのは醤油ジャン辛ラーメン。辛さは店が指定する1辛~3辛から2辛を選択。

ほんのりと赤く、いやいや、真っ赤に、唐辛子をもろに想像させるおつゆ。
しょうゆラーメンだというのに、まるで辛みそラーメンと見紛うほどに、筆者が想像していた、いかにも「醤(ジャン)」のイメージがコレだ。

ちなみに、ジャン辛は味噌(850円)もある。同じく1辛~3辛を選択。

 

おつゆは、まず唐辛子の鮮烈な辛さが前面から積極アピール。
そこにおつゆのまろみが後方から覆うように追いかけてくる、口中はそんな展開が。これが、思うに豆板醤等のコクとか旨味なのだろうか。ただ唐辛子を加えたものとは香味の深みが違う。
辛さレベルを言うなら、ちょい辛~中辛。いかにも2な感じ。また、ベースのスープがさらっとしているせいか、口当たりは至ってスムーズだ。
※味わいの評価は個人の印象によるものです

 

いわゆる「さっぽろ系」に近い感じのつるしこ麺。 これがまた旨みに富んでいるものだから、食感全体をマイルドに仕上げてくれる。
そのおかげか、辛いんだけど辛くない甘い不思議な感じで箸が進む。コレすなわち、食べやすいってことだ。 

 
 

食べやすいとはいえ、この唐辛子はどうだ。
頭のてっぺんにある我が辛味探知機(頭頂にかく汗のことw)が時間とともに反応を強くする。
でも、こういうのは悪くない。店を出た時の、風の有難いことと言ったらもう。ああ美味しいものを食べたという満足感を体いっぱいに感じる筆者であった。

お店情報

店名:ラーメン・カリー大門
住所:旭川市神居2条21丁目
電話:0166-61-5557
営業時間:11:00~15:00
定休日:月曜
駐車場:あり

らーめん蔵

 

筆者のラーメン記事においては、常連レベルの店。
何せメニューがバラエティーに富んでいるからだ。うまそうなあれやこれやが筆者をワクワクさせてくれる。
ちなみに同店、スタンプカードを発行していて、筆者のそれがこの度めでたく満欄を達成。
500円引きで1杯頂いてまいりました。

で、取材案件に関しては、醤油・みそ・塩すべての味にジャン辛があって、どれも1,050円となっている。

みそ味編

ジャン辛らーめん・みそ(1,050円)

 

前章では醤油のジャン辛を紹介。
読者様的には醤油が続くとつまらないでしょ。
ということで「みそ」。ちなみにメニューにはゲキジャン辛(1,150円)というのがあり、ゲキは「激烈に辛い」の激か、「劇的に辛い」の激か分からないが、100円お高い分ジャンが多い(つまり大辛)のではないかと思われる。豆板醤とか、安くないからねえ。

さらにちなみに、辛いみそラーメンとしては、これとは別に「旨辛みそ(1,250円)」というのがあり、こちらは特製マー油で辛さを高めたものとのこと。
なるほど、辛いのを食べたいなら、醤(ジャン)かマー油を選べということか。こういうこだわり、蔵のスゴイとこ。

 

まずはおつゆを。
たしか蔵のみそラーメンは、味がちょい濃いめだったはず。
それにジャンが足ささって(方言?)、香味がより深く濃いめな感じ。「ゲキジャン」があるからか、こちらはびっくりするような辛さではない(あ、辛いものダメな人はダメだと思うけど)。

 

そんな辛いおつゆにまみれ、素材味豊かな麺の旨さが引き立つ。
口当たりの良い麺がするすると、ジャンを引き連れ喉を下っていく瞬間は、何とも刺激的じゃん。

刺激的じゃん?

じゃんとジャンでしゃれてみましたが、筆者の努力伝わりましたか。

しお味編

醤油、味噌ときたら、読者様的には「当然、次は塩だよな」と期待されているとお思いでしょう。

ジャン辛らーめん・しお(1,050円)

 

はい、こちらが蔵のジャン辛「しお」であります。

いつもなら白濁している蔵の塩ラーメンが、うっすら赤身を帯びている。
これがジャンの色? 豆板醤などを使えば、こういう色になりますよね。

 

まず、おつゆ。
とんこつの旨み豊潤な本来の旨うまスープにジャンが溶け込み、おっ!! これはイケる。旨味と辛さがぎゅっと引き締まった感じが喉元に心地よく、筆者にはかなりツボである。
しお味のアレンジではこれまで、梅とか柚子とか甲殻類とか色々味わってきたが、蔵のコレに関してはかなり上位にランクしたい。

 

麺との相性は前章のとおり。

手を抜くな~(笑)

とはいえ、ふと気づいたことには、しお味の場合、ベースのおつゆがみそよりマイルドなので、その分、ジャンの特徴(辛味だけじゃない旨味やコク)が引き立って感じられる。
なので、麺の素材味とも同じことが言えるのか、食べ応えがとても豊かで刺激的。

 

さらに、ふと気づいたことには、チャーシューとジャンの相性もバツグン。
ジャンは脂の旨みを引き立てるのか、ほろほろほぐれる肉片の端っこまで美味しく食べつくした。
みそだと、その味の濃さで気づかなかったのかも。

お店情報

店名:らーめん 蔵
住所:旭川市豊岡5条2丁目
電話:0166-32-2345
営業:9:00~21:00
定休:不定休
駐車場:あり

ジャン辛後記

いかがでしたか。
辛いラーメンを探求するうち辿り着いたジャン辛という美味しさ。
ほんと、ラーメンもいろいろですね。

まあ、辛いラーメンは、調理手技を問わずひと括りにしても人生困りはしませんが(笑)、あえてジャン辛という店主のこだわりを味わうのも、これまた格別です。


この記事のキュレーター

美味しいもの、旨い酒を味わう時間が何より大事。
不惑の呑兵衛を目指すべく、きき酒師の資格を取得。

・SSI認定FBO公認 きき酒師
・日本酒WEBメディア SAKE TIMES ライター