近文駅スポットの見どころは、まず歴史を感じさせるモチーフがあること、市内の他の路線に比べ往来する車両が多いこと、機械マニア垂涎の保線基地であること、等々だ。
2021年01月24日
撮り鉄さん、見る鉄さんにおすすめ。筆者がもっぱら通うスポットの中から、JR近文駅(ちかぶみえき)をご紹介。特急から普通列車、さらにマニアックな保線機械まで、色々とオイシイのだ。
近文駅スポットの見どころは、まず歴史を感じさせるモチーフがあること、市内の他の路線に比べ往来する車両が多いこと、機械マニア垂涎の保線基地であること、等々だ。
話を始める前に、まずは、近文駅のプロフィールをざっくりと。
現在はJR北海道とJR貨物による函館本線の駅として存在する。
同駅が誕生したのは明治時代。旧日本陸軍第七師団の兵営地建設に係る軍用引込線の設営のため開設された。
戦後は同駅と旭川市内大町を結び石炭や木材などの貨物支線として利用されるが、今は貨物の発着はなく、普通列車の乗降のみの無人駅となっている。
構造は島式1面2線。ホーム上には明治時代より使われてきた待合室がある。
上の画像では線路が多数あるが、実際に使われているのは島式ホームに接する上下線の2本だけだ。
下り線の外側にはかつて使われていた貨物支線や、同駅と企業(石油会社やホクレンなど)を結んだ専用線の名残が見られる。
上り線の外側は近文保線基地の敷地となっていて、一般人は立ち入ることはできない。
まず、前項で記したように、産業遺産、鉄道遺産的な雰囲気があること。これが他の駅にはない魅力だ。かつて使われていた支線の名残が数本残っているほか、特にホーム上の待合室は明治に流行した洋風建築の趣きにあふれ、フォトジェニックなことこの上ない。
ちなみに、Googleの写真モードで同駅に照準を合わせ、ここから支線跡がどこまで続いているか見てみるのも面白いですよ。
同駅を通過・停車するのは比較的運行の多い札幌・旭川を結ぶ特急列車をはじめ、札幌から稚内や網走に向かう特急列車、さらには滝川・旭川間の通勤列車などだ。また札幌ターミナルと北旭川ターミナル間の貨物列車、札幌同と北見ターミナル間の貨物(通称たまねぎ列車/臨時運航)も。
同駅を往来する車両は次のとおり
■電 車 【特急形】789系0番台・789系1000番台 【通勤形】721系
■気動車 【特急形】キハ261系0番台・キハ183系 【国鉄型】キハ54形500番台・キハ40形 【貨物】DE200型
カメラの立ち位置は、駅のホーム入口、島式ホーム上、駅エリアと線路向こうの町内を結ぶ跨線橋(見晴らしバツグン)の他、駅駐輪場から柵越しに構内を狙うポイントもある。
789系1000番台
特急カムイ(札幌~旭川)に使用
721系
札幌~旭川間、滝川~旭川間で運用
キハ261系0番台
特急宗谷(札幌~稚内)に使用
キハ183系
特急オホーツク(札幌~網走)に使用
キハ54形500番台
キハ40形
DE200型(愛称レッドベア)
たまたま貨車を引かない単独走行を撮ったもの。なんか可愛い(笑)のでアップ。
同駅敷地にはJR北海道旭川保線管理室の近文保線基地が併設。保線のための大型保線機械を見られることもある、マニアには垂涎のスポットでもある。
一例として、筆者が遭遇したものをアップしてみました。
上の画像は、バラスト散布用のホッパ車と、それを牽引する保線モーターカー。バラストとは線路の下に敷き詰める石のこと。基地内にはバラストが一定量ストックされ、ここでバラストを積み込み工事箇所に向かうようだ。
そして、下の車両(残念ながら車両フロントでなくリア側のアングルだが)が、通称マルタイと呼ばれるマルティプルタイタンパー(北海道軌道施設工業所有)。列車が走ることによって生じるレールのずれを検出して修正する大型保線機械だ。
ある日、忽然と停まっていたのを撮影。
ちなみに、この機械はレールの上を自走できるが、車両として扱われていないため、動かせるのは他の車両が路線にいない状態の時だけ(閉鎖が必要)と決められているらしい。その時間はおのずと列車が走らない真夜中となるため、動くこれにお目にかかれるのは稀だ。
駅から程近くにローソンや飲食店もあるので、料飲の調達はラク。なので、その気になれば1日中粘ることもできる。
思いっきり蛇足だが、駅には利用可能なトイレがあるが、大便器(女子用?)にはトイレットペーパーがないので要注意。
撮影に当たっては、線路内に立ち入らない等の法の順守はもちろんのこと、駅および保線基地関連エリアには無断で立ち入らないようマナーを徹底すること。
また、車でお出かけになるなら、ご近所迷惑にならぬよう十分に配慮されたい。
誰かの迷惑行為が、多くの撮り鉄の肩身を狭くします。
この記事のキュレーター
789系0番台
特急ライラック(札幌~旭川)に使用