2021年07月23日

【JR】美瑛町の撮り鉄スポット

フォトジェニックな美瑛町。もちろん“鉄”な見どころも色々あります。美瑛ならではの鉄道風景を狙ってみませんか。


美瑛町のJR概況

同町を通過するのはJR富良野線(旭川-富良野)。ここで運用される車両はキハ150形1車種のみでどの便も1両か2両編成での運用となっている。

運行数は旭川→富良野12本(うち1本休日運休)、富良野→旭川13本(うち2本休日運休・1本休日運行)、旭川→美瑛7本、美瑛→旭川7本(うち1本休日運休)。

上記の他、夏期(2021年7/10~9/20の土日祝)は臨時列車として、トロッコ列車「富良野・美瑛ノロッコ号」が運行。2021年はDE15形ディーゼル機関車が展望客車510系3両をけん引する。
機関車は美瑛側にあり、富良野方面に向かう便では、先頭客車にある運転台からの遠隔制御による推進運転の様子が見られる。

森の中を行く列車を撮る

美馬牛発・美瑛行き キハ150形
Canon PowerShot SX60 HS

 

DE15形によるノロッコ号
EOS 5D MarkII/EF70-200mm f/2.8L IS USM 焦点距離160mm(トリミング)

 

山林地帯に入ると列車は森に隠れて見えなくなり、美瑛町内に列車が走っていることすら気づかない観光客は多い。つまり走る列車を見られる場所が少ないというロケ状況であるが、美瑛-美馬牛間にある跨線橋から上のようなシーンを捉えることができる。

 

現地の状況は上画像のとおり。
跨線橋の上からは、どちらの方向も列車を撮ることは可能であるが、美馬牛方面には歩道があるものの、反対の美瑛方面にはそれがないので、道義的に言って道路上に立つことはおすすめしない。何しろ車がけっこう飛ばして来る危険な場所でもある。撮るなら富良野方面、歩道の上を立ち位置とすべし。

 

しかし、跨線橋ゆえこうした防護柵はお約束。
冒頭の画像は、これを避けて防護柵の横から撮ったものだが、線路真上から、つまり線路がセンターに写り込むように撮るには、レンズ径の小さなレンズを用意すべし。
網の隙間からレンズを向け、何とか下画像のようには撮れる。

Canon PowerShot SX60 HS

 

うーん、抑揚のない日の丸画像でつまらないですね。
ということで、跨線橋の脇道に入って撮ったのが下の画像。

ま、どっちが映えると思うかは、お好み次第ですが。

EOS 5D MarkII/EF70-200mm f/2.8L IS USM 焦点距離70mm

 

映える丘の風景を行く列車を撮る

EOS 5D MarkII/EF70-200mm f/2.8L IS USM 焦点距離70mm(トリミング)

 

人気の撮影スポット「赤い屋根の家」、列車の上は「新栄の丘」という構図。
多くの人が赤い屋根の小屋を撮る、美瑛市外から拓真館方向に行く道(停車スペースがある)から列車が見えるのだが、他に立ち位置はないかと探索し見つけ出した場所がここだ。

立ち位置を上のGoogleで記しておいたが、その道、どうもGoogleさんは道として認識してないようで、市街地図には載っていない。が、航空写真では確認できるので、航空写真モードの画面をご参照されたい。
美瑛町が発行するロードマップにも載っているので、通行可能な道路と思われる。ただし道幅は細いのでトラクターなどとすれ違う時は要注意。

EOS 5D MarkII/EF70-200mm f/2.8L IS USM 焦点距離150mm

 

上は、赤い屋根の小屋を回避しズームで少し寄って撮影したみたもの。
列車2両の色の違いも分かるし、冒頭のアングルよりしっくりくるかも。
ちなみにノートリミング。

EOS 5D MarkII/EF70-200mm f/2.8L IS USM 焦点距離70mm(トリミング)

 

ノロッコ号も走る。
この辺りは乗客が景色を堪能できるように列車が速度を落とす「ゆっくり走行区域」となっていて、これは撮る側にとっても好都合。

美馬牛では列車交換が

EOS 5D MarkII/EF70-200mm f/2.8L IS USM

 

美馬牛はいかにも北海道らしい地名。「びばうし」と読む。
駅舎はご覧の通り、のんびりとした田舎駅である。学生などわずかな利用だったが、近所にユースホステルができるなどして近年は旅行客の姿もちらほらと。
ちなみに、駅舎とプラットホームはTVドラマ「北の国から98帰郷」のロケに使用されたというシロモノ。

EOS 5D MarkII/EF70-200mm f/2.8L IS USM

 

2面2線、相対式ホームであるが、互い違いに配置された千鳥式となっている。画像向かって左が駅舎および美瑛方面乗り場。
右側が富良野方面乗り場。跨線橋はなく向こう側へは横断用踏切を渡って行く。

対して、下画像が富良野方面。緑がぐっと濃くなって、秘境駅っぽさたっぷりに撮れる。

EOS 5D MarkII/EF70-200mm f/2.8L IS USM

 

EOS 5D MarkII/EF70-200mm f/2.8L IS USM

 

上は、ふたたび美瑛方面。
2線と1線の分岐、くねくねとした線路が面白い。
左側にある引込線は、ラッセル車の退避のためだろうか。

とかなんとか言ってると、来ましたよ(下画像)。美瑛から富良野行きが。

EOS 5D MarkII/EF70-200mm f/2.8L IS USM

 

EOS 5D MarkII/EF28-80mm f/2.8-4L USM

 

ほぼ同時に富良野方面から美瑛行きが到着。

そう、ここは交換駅。1日に数度、列車交換(単線区間の中で対向列車が行き違いすること)のタイミングがある。
なので、鉄道施設や線路(カーブやポイントなど)に萌えるという撮り鉄にもおすすめ。
実は筆者も、何かしらポイントに惹かれるものがあると感じているひとり。ポイントって鉄道の創意と工夫のたまものというか、人類の英知を感じるというか(言い過ぎだろ)。

EOS 5D MarkII/EF28-80mm f/2.8-4L USM

 

ちなみに、この撮影は美瑛行きも富良野行きも美馬牛を同時刻12:17に出発というもの。
同時刻だが、まず富良野行きが発車。ほどなく美瑛行きも発車して無事に列車交換は終了。
ちなみにこの逆の場合もあり、どっちが先に出るかは見ている側には分からない。何か決まりごとがあるんだろうか。

列車交換のタイミングは1日に数度あるので、時刻表を探索してみて。

美瑛駅を撮る

EOS 5D MarkII/EF28-80mm f/2.8-4L USM

 

美瑛駅舎は地域資源「美瑛軟石」を使用した石造りとなっていて、これ自体が美瑛町観光スポットのひとつとなっている。何とトイレ(右側)まで石造りというこだわりようだ。

EOS 5D MarkII/EF28-80mm f/2.8-4L USM

 

駅構内。
跨線橋もさすが美瑛らしい造りになっているようだ。特に階段入口には、美瑛町が建築物に対して推奨している三角屋根のデザインが施され洒落ている。

この跨線橋の内部から撮影したのが下の画像。

EOS 5D MarkII/EF28-80mm f/2.8-4L USM

 

右が駅舎。ホームは相対式2面2線となっている。

線路の向こうにある三角屋根の建物は、駅の表と裏のまちをつなぐ跨線橋。人はもちろん、階段には自転車を運びやすいようスロープがついていて、とても立派。また、自転車は広々とした駐輪場に留置できる。
鉄道のある町として、そうした工夫を施す行政の手腕はお見事。

ちなみに美瑛駅は有人駅。構内には乗降客しか立ち入ることはできない。

撮影に際しては

にわかに観光スポットとして脚光を浴びた美瑛町。
カメラを持ったツーリストがわんさと訪れ、特に地元農家さんとのトラブル(私有地への無断立ち入りなど)が絶えないとも聞いています。
撮り鉄も、そうでない人も、とにかくルール厳守。お互いに気を付けたいものです。


この記事のキュレーター

美味しいもの、旨い酒を味わう時間が何より大事。
不惑の呑兵衛を目指すべく、きき酒師の資格を取得。

・SSI認定FBO公認 きき酒師
・日本酒WEBメディア SAKE TIMES ライター