2022年05月02日

雪まつりは旭川が最初だった?旭川の歴史を振り返ろう【②昭和初期~中期編】

2022年の今年は、旭川という地域ができて132年、市政は100周年の年。パート2となる今回は昭和初期から中期編をお届け! 知れば知るほど、このまちをもっと好きになれるはず!※掲載時より記事の一部を変更しています


※以下敬称略

旭川にも路面電車が走っていた!【1927年(昭和2年)】

1900年代中期の市内を路面電車が走る光景
画像提供:旭川市中央図書館

 

1918年までは旭川駅から現在の護國神社あたりまで、線路上の車を馬が引く『馬鉄』が走っていましたが、これに代わって1927年に路面電車が登場。

市内はもちろん、現在の東川町まで開通しており、徒歩で4時間の道のりがわずか40分に短縮されたことは、大いに喜ばれました。

利用者は延べ1,000万人を超え、農産物や日用品の輸送にも力を発揮した路面電車でしたが、自動車の普及に押されて、1972年にはすべての運行が廃止されました。

音楽のまち旭川を象徴する音楽大行進【1929年(昭和4年)】

1900年代中期の音楽大行進の様子
画像提供:旭川市中央図書館

 

開催のきっかけは、当時の地方新聞社 北海道タイムスの旭川支局長が、東京での音楽隊パレードを見て感激したことでした。

その後支局長は、楽器の指導者としても活動していた楽器店を営む知人らの協力を得て、1927年に『慰霊音楽大行進』という名称で第1回を開催。10団体・約200名が参加しました。

戦後、軍事色が薄れてからは『北海道音楽大行進』と改名。現在では約100団体が参加する、北海道有数の音楽イベントとなっています。

もともとの名前は旭川“雪”まつり【1946年(昭和21年)】

初回の開催では名古屋城の大雪像が登場
画像提供:旭川市中央図書館

 

冬の風物詩『旭川冬まつり』。誕生の発端は、除雪後の雪の処理に困ったことでした。

当時の観光協会長は彫刻家 加藤顕清の助言で、雪を芸術に利用できることに気付き、1946年に冬まつりの元祖となる『旭川雪まつり』を常磐公園で開催しました。

その後、札幌市でも雪まつりが始まったことで、混同を防ぐため1960年に現在の『冬まつり』に名称を変更。

1987年には、大雪像『ガリバー城』が世界最大の雪像として、ギネス記録に認定されました。

日本最北の動物園が誕生!【1967年(昭和42年)】

1987年の様子 当時は象がいた
画像提供:旭川市中央図書館

 

旭川市旭山動物園はまちづくりの一環として1967年に誕生しました。

建設地の候補には神楽岡・嵐山・近文公園・鷹栖公園もありましたが、調査を重ねた結果、緩やかな斜面がある旭山が選ばれました。

旭川市旭山動物園は北方特有の動物が多いことが特徴で、開園日には9,000人もの客で賑わいました。

一時は経営の存続が危ぶまれたこともありましたが、行動展示を軸に施設の改修が進められ、2004年には日本一の月間入園者数を記録。今では北海道を代表する観光スポットとなっています。

【年表】昭和初期~中期の旭川の主なできごと

1927 旭川電気軌道の電車の運行が開始
1929 第1回慰霊音楽大行進が開催/旭川市街軌道の電車の運行が開始
1930 市立診療所が開所(現市立旭川病院)
1931 北鎮小学校に道内小学校初の水泳プールが完成
1932 旭川市営球場完成/丸善三番舘が創業
1933 NHK旭川放送局放送開始/サカエヤ百貨店が開業(現マルカツ)/銀座通りが完成
1934 大雪山が国立公園に指定される/招魂場が完成(現護國神社)/日本製鉄株式会社が設立
1936 常盤ロータリーが完成
1937 日中戦争が始まる(~1939年)
1939 第二次世界大戦が始まる(~1945年)
1940 国策パルプ工業株式会社旭川工場の操業が開始(現日本製紙)
1944 道北バス株式会社が創立
1945 旭川上空に米軍グラマン機が来襲
1946 日本国憲法が公布/旭川雪まつりが開催(旭川冬まつりの元祖)/市立図書館開館
1950 旭川市で北海道開発大博覧会が開催、40日間で入場者51万人
1951 旭川市立天文台が開設(道内初の天文台)
1952 旧偕行社を利用し、市立郷土博物館開館(現彫刻美術館)
1953 旭橋上流にて国内初の人工降雪実験が行なわれる
1954 昭和天皇皇后が来旭/永山・神楽に町制施行
1955 旭川市に神居・江丹別村を合併/神居古潭・嵐山地区を北海道自然博物園と命名
1957 旭川駅地下道完成
1958 東京タワーが完成/旭川市庁舎が完成/旭川丸井全館完成(地下1階・地上6階)/全国唱歌ラジオコンクールで啓明小学校・北星中学校が全国優勝
1960 3代目旭川駅が完成/第1回旭川冬まつりが開催
1961 上川支庁舎が完成/旭川市に永山町を合併/旭川郵便局が市庁舎跡地に新築完成
1962 ブルーミントン市と姉妹都市宣言を議決
1963 旭川市に東旭川町を合併/旭川市青少年科学館が開館
1964 東京オリンピックが開催/旭川市の人口が25万人突破/第1回北海道アイヌまつりが開催/朝日新聞の懸賞小説に三浦綾子の『氷点』が当選
1966 旭川空港が開港
1967 旭川市旭山動物園が開園
1968 昭和天皇皇后が来旭/旭川市に神楽町を合併

参考文献

『旭川80年のあゆみ』(旭川市総務部市史編集事務局/旭川市/1970年)
『旭川自分史ノート』(平間順一ほか/あいわプリント/2010年)
『旭川 街並み今・昔』(北海道新聞社/2002年)
『旭川魅力発見伝』(旭川大雪観光文化検定編集委員会/旭川大雪観光文化検定運営協議会/2009年)
『(雑稿)旭川’小史点話』(玉井正利/2005年)
『写真が語る旭川 ~明治から平成まで~』(北海道新聞社/2015年)
『知らなかった、こんな旭川』(NHK旭川放送局/中西出版/2013年)
『我が青春の街角へ 旭川 昭和ノスタルジー』(ぶらんとマガジン社/2016年)

おわりに

2022年の今年は、旭川という地域ができて132年、市政は100周年の年ということで、今回は昭和初期~中期編の旭川の歴史を振り返りました。

最終回となる次は、昭和後期から平成時代までのできごとを紹介しますよ! お楽しみに!

旭川ができて130年! 旭川の歴史を振り返ろう【③昭和後期~平成時代編】 | 旭川のことならasatan

https://asatan.com/articles/891

2020年の今年は、旭川という地域ができて130年の節目です。そこで3日間連続で旭川の歴史を振り返る記事をアップしていますよ~♪ ラストとなる今回は昭和後期から平和時代までのできごとを紹介! 知れば知るほど、このまちをもっと好きになれるはず!

こちらの記事もチェック!

旭川ができて130年! 旭川の歴史を振り返ろう【①明治時代編】 | 旭川のことならasatan

https://asatan.com/articles/889

2020年の今年は、旭川という地域ができて130年の節目です。そこで3日間連続で旭川の歴史を振り返る記事をアップしますよ~♪ パート1となる今回は明治時代編! 知れば知るほど、このまちをもっと好きになれるはずです!

【ねぇ、知ってる?】姿が変わった『旭川常盤ロータリー』のヒミツ | 旭川のことならasatan

https://asatan.com/articles/591

旭川常盤ロータリーといえば、たくさんの自動車が行き交う円形の道路。旭川市民なら誰もが知っていると言っても過言ではありません。しかし、このロータリーが時代の移り変わりとともに様々に形を変えてきたことはご存知でしょうか? いつ、何のために作られたのかも合わせて、【写真付き】で紹介しちゃいますよ!


この記事のキュレーター

asatan公式アカウントです。
旭川とその周辺地域に関連するイベント、グルメ、観光、くらしに役立つ情報などなど、ドシドシご紹介しますのでお楽しみに!