2022年06月05日

3年振り開催の北海道護国神社祭は常磐公園の彫刻にも注目しよう!

【彫刻のまち】とも呼ばれる旭川。市内の街中や公園には約100基もの彫刻が設置されているんだそう。でも、身近であるがゆえに「あまりじっくりと見たことがない」なんて方も少なくないのではないでしょうか? 今回は常磐公園の彫刻第2弾! 前回紹介できなかった6つの彫刻を紹介しますよ!


Part.1【常磐公園編】はコチラ!↓

旭川市内の”野外彫刻”を巡る旅Part.1【常磐公園編】 | 旭川のことならasatan

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【彫刻のまち】とも呼ばれる旭川。市内の街中や公園には約100基もの彫刻が設置されているんだそう。でも、身近であるがゆえに「あまりじっくりと見たことがない」なんて方も少なくないのではないでしょうか? 今回は常磐公園にある4つの彫刻を紹介しますよ!

EIA・ブールデル『雄弁』

出典:asatan

 

初めに紹介するのは、常磐公園内の道立旭川美術館入り口横にある、高さ約4mの彫刻『雄弁』です。

この作品を手掛けたのは、近代彫刻の三大巨匠のひとり、フランスのブールデル。『考える人』の作者ロダンの助手だった経歴を持ちます。

この作品は当時のアルゼンチンの将軍の【権威】や【力強さ】などを擬人化したもので、実は4体で1組なんだそう。

巻物を持っている旭川の『雄弁』のほか、樫の木を持つ函館の『自由』、剣と盾を持つ帯広の『勝利』、獅子の毛皮をまとう札幌の『力』が各道立美術館に設置されています。

ブールデルの4つの作品を見るために、【美術館巡り】をしてみるのも面白いかもしれませんね。

【作品情報】
『雄弁』 EIA・ブールデル
1923 ブロンズ 375×108×98
旭川市常磐公園内

空充秋『地』

出典:asatan

 

続いてはパート1にも登場した【空充秋】さんの作品。前回紹介した『生きる』という作品同様に、【らせん状に石を組む】ことで、人と自然との関わりを表現しています。

大地が意志を持ってじわりじわりと起き上がっていくような様を、白御影石の質感をいかして見事に表現しているように思います。

作品の高さは1.5m。登ったり座ったりしないようにしてくださいね。

【作品情報】
『地』 空充秋
1984 白御影石 150×250×120
旭川市常磐公園内

O.ザッキン『人間の森』

出典:asatan

 

見れば見るほど不思議な感覚にとらわれる、とりわけ複雑な『人間の森』。

制作者は自然に作品を溶け込ませた先駆者とも呼ばれるザッキン。この作品は人の手足などを、木の幹や枝のように配置することで、【人間と植物の融合】を表現しているそうです。

曲線と直線のメリハリもポイントとなっており、その【幾何学的な構成】がついつい見入ってしまう理由のひとつでしょう。

ちなみに、この作品は1975年に西武デパートがオープンしたことを記念して、旭川市に寄贈されたものだそう。天に向かってたくさんの手が差し伸べられている様から「旭川のまちに元気を!」という願いが込められていたのかもしれませんね。

【作品情報】
『人間の森』 O.ザッキン
1957 ブロンズ 230×120×80
旭川市常磐公園内

大成浩『風の塔 No.8』

出典:asatan

 

こちらは【大成浩】さんの『風の塔 No.8』。"No.8"とありますが、シリーズ的に作られているものなのかは不明です。

『人』の字型に、2つの大きな石が組まれている作品で、常磐公園内のやや小高い丘に置かれています。

丘の下から見ると日の光を鈍く反射し、雄大で力強く誇らしげな印象。しかし、近くに寄って見てみるとヒンヤリとした質感で孤独感さえも感じてしまいます。

作者の意図はわかりませんが、作品の佇まいの通り、『人』の姿を現しているようにも思えてしまいます。非常に感慨深いですね。

【作品情報】
『風の塔 No.8』 大成浩
1987 御影石 240×200×120
旭川市常磐公園内

田村史郎『岩村通俊之像』

出典:asatan

 

続いては常磐公園内の千鳥ヶ池付近にある、岩村通俊のブロンズ像。

岩村通俊は1885年に上川盆地を視察し、【上川地域の可能性を見い出した人物】です。後に初代北海道庁官を務めるなど様々な業績を残したことから、像が建てられました。

なお、初代の像は戦争の武器などを作るために回収されてしまい、2代目はコンクリート製だったために風化。現在の像は3代目だそうです。

【作品情報】
『岩村通俊之像』 田村史郎
1990 ブロンズ 150×77×60
旭川市常磐公園内

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2020年の今年は、旭川という地域ができて130年の節目です。そこで3日間連続で旭川の歴史を振り返る記事をアップしますよ~♪ パート1となる今回は明治時代編! 知れば知るほど、このまちをもっと好きになれるはずです!

山口牧生『傾くかたち'84』

出典:asatan

 

最後に紹介するのは、石材作品を多く手掛けた山口牧生さんの作品。

表面に【自然な風化を感じさせる溝】が彫られており、斜めに立っていることなどから、「ずいぶん昔からそこにあったもの」「とある日に空から降って来て地面に突き刺さったもの」といったなんとも言えない”しっくり感”を感じさせます。

この作品は、作者が小さい頃に『地面にくぎを刺して遊んだ記憶』から着想を得て作られたものだそうです。

シンプルに思える作品こそ近づいて見てみるのがおすすめですよ。間近でじっくりと見ることで、質感や形など、意外な発見ができますから♪

【作品情報】
『傾くかたち'84』 山口牧生
1984 黒御影石 350×60×45
旭川市常磐公園内

おわりに

今回は常磐公園にある6つの彫刻を紹介しました。

市内のあちこちに彫刻が設置されていて、【彫刻のまち】とも呼ばれる旭川。公園を始め、街中や橋の上など至る所に彫刻がありますから、たまにはじっくりと見てみるのも良いものですよ。

旭川市内の”野外彫刻”を巡る旅【パート3】もお楽しみに♪


この記事のキュレーター

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