2021年01月18日

個性派揃い! 【カレー南】人気そば屋食べ比べ 第4弾

カレー南の美味しい季節となりました。冬はもっぱらカレー南という筆者が食べ歩いた美味しさをマニアックに解説しています。さて、アナタの好みにハマるでしょうか?!


第1弾~第3弾もぜひご覧ください。

スタンダードな美味しさ【まる八そば】

 

動物園通り沿い。丼ものメニューも揃う人気店だ。休日は家族連れの客も多く店内は賑わっている。
さてさて、そんな蕎麦屋が出すカレー南とは。

 

おっと、思いのほかシンプル。具材は薬味のネギを除けば鶏肉だけだ。が、鶏肉も厚からず薄からず、食べ良く切ってあって量は程よい。

カレーの香るおつゆは、めんつゆにカレールウを溶いたような(個人の推測)味わいであるが、同店の甘辛なつゆの旨味が引き立って美味。とろみは軽め、さらりとしているのでとても食べやすい。

 

また、おつゆはやや太めのもっちり麺とよく絡み、カレー感と蕎麦の風味の相性も良好だ。
するすると完食してみれば、おつゆ、麺、具、これらのバランスがとてもよい、良く出来た一杯と納得。

お店情報

店名:まる八そば
住所:旭川市豊岡13条4丁目
電話:0166-32-0808
営業時間:11:00~19:00(L.O)
定休日:金曜日
駐車場:あり

きわめてあっさり【そば源本店】

 

この名前を聞けば、市民の誰もが「知ってる」と言う、あるいは、「どこの?」と返してくるほど、市内のあちこちにある、まさに蕎麦の一大勢力のごとき有名店。その中から今回は、曙にあるそば源本店を訪問した。

 

おおっ、ネギがたっぷり。これぞカレー南。同店のメニューはカレーそばとなっているが、これは正統派カレー南だ。ちなみにカレー南の“南”は南蛮のことで、南蛮は本来、長ネギを指す。
そして片栗粉でとろみをつけたと思しきおつゆ。これも正統派。

 
 

さらに、お約束の鶏肉もたっぷり。なんで鶏肉なのかって?
古くから蕎麦にはカモ肉を使うべきという慣例を鶏肉で代用したという説。明治時代にできた日本のカレーの原型はネギと鶏肉が使われていたから、など諸説ある。
これという確信はないが、ともかく鶏肉はあっさりしているので、そばによく合うじゃないか、ということにしときませんか(笑)

 

で、お味の方はというと、おつゆは何とまあ、とてもあっさり風味。辛さも控えめでおつゆのダシと微妙な加減で交わっている、そんな味わいだ。

そうか、あっさりおつゆは、更科そばの淡い風味に合わせてのことなんだろうか。とは、自分のみの憶測であるが、本来これは蕎麦。その美味しさを引き立てるという意味では、このあっさり加減は大いにありなんだろうなとか思っているうちに、するするっと完食。
カレー南食べ比べ史上、最もあっさりとした一杯と思う。

お店情報

店名:そば源本店
住所:旭川市曙一条7-1-8
電話:0166-22-6261
営業時間:11:00~19:00
定休日:木曜日
駐車場:あり

何たる透明感 【名人傍】

 

JR旭川駅のほど近く。とりもつそばが旨いと人気の、そば通にも良く知られた店だ。

とまあ、店の紹介はさて置き、ともかくは出てきたカレーそばにびっくり仰天(笑)

 

何たる透明感!まさに摩周湖のごとし(笑)
これも前掲同様、カレー粉と片栗粉による正統派カレー南には違いないが、まずは恐る恐るおつゆを探ってみる。

 

何たるとろみ!
レンゲでかき混ぜてみれば、揺れるおつゆはまるでスローモーション。これほどまでに強いとろみに未だかつて出会ったことがない。

 

箸で麺を持ち上げようにも苦労が要る(笑)。無理して力を入れたら麺が千切れそうなのである。この食べ応え、カレー南食べ比べ史上、最強かも。
肝心の味わいであるが、まずカレー風味はおつゆの透明感のイメージそのままに、あっさりタイプ。とろみはスゴイが、案外するすると食べられるのはそのおかげ。これで思いっきり辛かったらたまったもんじゃないね(笑)

 

とろとろおつゆは麺によく絡む。
なので、麺を食べるたびにおつゆはどんどん減っていく。
麺を完食すればおのずと完ツユ。恐れ入った(笑)

お店情報

店名:そば処 名人傍
住所:旭川市1条通8丁目
電話:0166-23-1929
営業時間:11:00~19:30
定休日:日曜日
駐車場:あり(カーレストと提携)

美味しさをチャートで比較

さて、いかがでしたか。今回の食べ比べは前回にもまして個性派揃い。それぞれに作り手の思いの伝わる美味しさでありました。

ということで、その美味しさを図式化してみたのが下のグラフ。

 

今回、何と言っても特徴的だったのは、透明感ある強いとろみの名人傍。カレー風味はやや辛。
その一方、辛さは中辛、とろみ程々、というカレー南の平均点的食べ応えだったのがまる八そばだ。
これらに対して、ぐっととろみがゆるく、カレー風味がライトだったのがそば源本店。これはこれで、他にはない個性的一杯であった。


この記事のキュレーター

美味しいもの、旨い酒を味わう時間が何より大事。
不惑の呑兵衛を目指すべく、きき酒師の資格を取得。

・SSI認定FBO公認 きき酒師
・日本酒WEBメディア SAKE TIMES ライター