2021年07月25日
今や〝おいしいブランド米″の代表格となった『ゆめぴりか』や『ほしのゆめ』。これらが旭川の隣、上川にある試験場から誕生していたこと、知っていますか?でも北海道には『不毛の大地』と呼ばれていた歴史があるんです。どうしてここまでおいしくなったのか?全3回にわたって、おいしさの秘密を徹底解説します!記事の内容は2019年10月2日当時のものになります。
旭川で新米が収穫されるのは、9月下旬から10月上旬。水分量が多くみずみずしいとりたての新米を食べられるのも、残り数ヵ月なんです。
今回はそんな『新米』をテーマに、歴史・種類・現場の3つの面から北海道米の魅力を探ります!魅力を知れば、いつものご飯もおいしく感じるかも?
取材協力:JAあさひかわ/北海道米販売拡大委員会/上川農業試験場
※回答は2017年10月時点
ズバリ、新鮮だから!!!
お米は生鮮食品なので、古くなると酸化により味が落ちてしまうんです。最近は保管技術の向上により通年でおいしく食べられるようにはなりましたが、それでも収穫されたばかりの新米は、空気に触れる時間が少ないので、水分量を多く保っているからおいしいんです。
とにかく、甘くてもっちもち!
水分を多く含んでいる新米はみずみずしさがあって、柔らかくて粘りも強いんです。食感はふっくら・もちもち♪炊き上がりのツヤも良くて、ほんのりと甘い香りがするのも特徴。このような新米のおいしさを存分に引き出せる炊き方も後ほどご紹介します。
北海道米の場合、3ヵ月間しかないんです!
新米が店頭に並ぶ時期は最も早い沖縄で7月下旬、新潟で9月上旬、北海道で9月下旬から10月初旬です。しかし!!!新米と呼べるのは基本的には収穫した年の12月31日までなんですよ。衝撃ですよね…。
つまり北海道で新米表記の米を食べられるのは、今の時期のたった3ヵ月間だけです。
急いで買いに行かなきゃ…!!!
とはいえ!せっかく鮮度の高い新米を買っても、正しい炊き方を知らなければまるで意味がないんです。通常よりも水分量の多い新米だからこそ、研ぎ方や炊き方、水の量までこだわるとさらにおいしくなります♪覚えておきたいコツを全部まとめてご紹介。
①計量カップに米をすくい入れたら、表面を平にして分量を量る(ミリ単位で分量を守るのが第一関門!)
②米をボウルなどの容器に移したらたっぷりの水を加えて、全体を3回ほど混ぜてすぐに水を捨てる(新米が水を吸う前に素早く捨てるのがコツ!)
③15秒ほどやさしく混ぜるように洗い水を取り替える、この作業を2~3回行なう(水が透明になるまで洗う必要はなし!)
④その後2回すすぎ、炊飯器に移して水を張って30分置き、米に吸水させる(新米は水分量が多いため30分でOK!)
⑤炊飯器の内釜に書いてあるメモリより、1割ほど水を減らしてスイッチオン(新米1合に対して水190cc程度に!)
⑥炊き上がったらすぐに掘り起こすようにふんわり混ぜ、余計な水蒸気を逃す(柔らかくふっくらした食感に!)
⑦炊飯器の蓋をしめずに濡れ布巾をかぶせておくと、おいしい状態で保存できる(じんわり水分を与えれば食感が保たれる!)
お米は空気に触れると徐々に鮮度が落ちる上に、高温多湿に弱く、虫やカビが付きやすいという性質を持っているので、おいしく食べるためには正しく保存することがめちゃくちゃ大切なんです。
オススメはジッパー付き保存袋や、ペットボトルなどの密閉容器に小分けにして、冷蔵庫の野菜室で保存すること。虫の発生を予防するために、鷹の爪を一緒に入れるとさらにいいんですよ。保存期間は夏場で2~3週間・冬場は2~3ヵ月が目安です。
新米のおいしさを知ったら、いよいよ本題!北海道米のおいしさに迫ります。先ほど述べたように、北海道は昔、寒い気候により『不作の大地』と呼ばれていたんです。実際に生産するお米も、「おいしくない」といわれ続けてきたそう。
それが今では、全国の有名ブランド米と肩を並べるような品種が続々と登場するまでに改良されましたよね。ここに至るまでの歴史をざっと振り返ります!
1869年
1692年より始まった米づくりが、「土地が稲作に適さない」という理由で一時禁止に…
1873年
『赤毛』という品種で北海道寒冷地稲作が成功!
1961年
米の収穫量が新潟県を抜き初の日本一に!!!
1979年
減反政策により政府買い入れ価格に銘柄間格差が導入されるが、北海道米はほとんどが最低ランク…
1980年
優良米の早期開発に取り組む
1988年
『きらら397』が誕生!!!一躍ブームとなり北海道米が全国的に注目される
1996年~2008年
『ほしのゆめ』『ふっくりんこ』『おぼろづき』などブランド米が続々誕生!!
2011年
『ゆめぴりか』『ななつぼし』が、北海道米で初めて食味ランキング最高位『特A』を獲得!!
このように、最初は作ることすら制限され、そのうち大量に作れるようにはなったけれど、「おいしくない」と酷評され…優良米の早期開発に取り組んだ結果、『きらら397』が爆発的ヒット!!!それからは、ヒットを連発し今では北海道米=おいしいというイメージがしっかり根付きましたよね。
この優良米の開発ってつまり何をしたの?何を変えたの?って思いますよね。これについては第3弾で詳しくお話します…!こうご期待!!
おいしくなった!というのには、目に見える根拠があります!
お米には『おいしさのランク』があるんです。一般財団法人 日本穀物検定協会が外観・香り・味・粘り・硬さ・総合評価の6項目から決定するもので、北海道米はこの『ランク』でかなりの高評価なんですよ!!
最初に革命をもたらした『きらら397』はAランク、全国的に人気となった『ななつぼし』と『ゆめぴりか』は2011年に最高ランクの『特A』を獲得!!!新潟魚沼産『コシヒカリ』と肩を並べたんです。その後もこの2つの品種は6年連続で『特A』をとり続け、2014年には『ふっくりんこ』もその仲間入りを果たしています。
今回は新米のおいしさ、そして北海道米がおいしくなった歴史についてお届けしました。
次回は『ゆめぴりか』や『ほしのゆめ』のように、「旭川近郊で生産される北海道米」の種類を、徹底解説してご紹介します!そして第3弾では「北海道米をおいしく変えた品種改良」について、たっぷりとお伝えしますので、お楽しみに~♪
【北海道米のヒミツ②】旭川近郊でとれる最強の北海道米6選【推し米をさがせ!】 | asatan
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【北海道米のヒミツ③】北海道米をおいしく変えた神ワザ!品種改良って?【完成まで8年】 | asatan
https://asatan.com/articles/95今や〝おいしいブランド米″の代表格となった『ゆめぴりか』や『ほしのゆめ』。これらが旭川の隣、上川にある試験場から誕生していたこと、知っていますか?でも北海道には『不毛の大地』と呼ばれていた歴史があるんです。どうしてここまでおいしくなったのか?第3弾となる今回は、おいしくなった理由である「品種改良」の全貌をお届け!
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