2020年04月09日
【彫刻のまち】とも呼ばれる旭川。市内の街中や公園には約100基もの彫刻が設置されているんだそう。でも、身近であるがゆえに「あまりじっくりと見たことがない」なんて方も少なくないのではないでしょうか? 今回は常磐公園にある4つの彫刻を紹介しますよ!
まず初めに紹介するのは、北海道立旭川美術館の目の前にある『行列』という名前の作品です。
パッと見が壁や仕切りのようにも見えるので、「えっ! これ彫刻だったの!?」という方もいるんです。
この作品で注目してほしいのは、【上の部分】です。
出典:asatan
上部には小さな「人の彫刻」がずら~っと並んでいます。よく見るとひとつ1つの姿が全然違い、【躍動感】すら感じさせるたたずまい。
作者の三木さんがインドへ行った際に、たくさんの人々が行列をなしている様子から着想を経たものなんだとか。
地球という星でたくさんの人が暮らしている…そんな【自然の雄大】さと、【人間のちっぽけさ】を感じさせてくれ作品です。
噂によると120体もの”人”がいるそうなんですが、私が数えた時は103体…(笑)。友だちと数え合ってみるのも楽しみ方のひとつといえますね。
【作品情報】
『行列』 三木俊治
1989 ブロンズ・コールテン鋼 300×600×150
旭川市常磐公園内
出典:asatan
2つめは空充秋さんが手掛けた『生きる』という石造の作品。高さはなんと【4m以上】もあります!
子どもの頃は「バナナのような変わった形」という程度の認識でしたが、こうしてじっくり見てみると、じわじわと迫り来るかのような感覚に。
というのもこの作品は、「人と自然との関わりの移ろいを、らせん状に石を組むことで表現」した作品なんだそうです。
この石たちが「誇らしげな表情」だったり、「怒っている表情」だったりと、見方や見る人によって受ける印象が変わるのが魅力ですね。
【作品情報】
『生きる』 空充秋
1989 青木石 435×300×130
旭川市常磐公園内
出典:asatan
続いて紹介するのは『風雪の群像』。高い台座の上に5体の人物が、様々なポーズをとっています。
この作品、実は【北海道開拓100周年を記念】して製作されたもので、北海道の歴史をテーマとしたものなんだとか。
5人の人物は、北海道の自然のなかで飢えと闘いながらも開拓に尽力した3人の若者と、アイヌの老人、若い女性です。
制作終盤には「アイヌの老人の像(手前左)が切り株に座ることで低い位置にいる。これは差別だ!」といった反感もあり、1972年ごろには作品が爆破されるという事件もあったようですが、作者の本郷さんにはもちろんそんな意図はなかったようです。
こういった【作品の制作背景】を知ることで、【さらに味わい深く鑑賞が楽しめる】のも美術の醍醐味です。
【作品情報】
『風雪の群像』 本郷新
1970 ブロンズ 230×301×241
旭川市常磐公園内
出典:asatan
7条緑道側にあるのが、『永山武四郎之像』。
永山武四郎は、屯田兵本部長・北海道庁長官・第七師団長を歴任した人物で、北海道開拓、そして旭川周辺地域の開拓に大きく貢献した人物です。
この作品は北海道100年を迎え、【武四郎の偉業を後世に伝える】べく作られたものなんですね。彼の貫禄や優しい人柄が感じられます。
ちなみに、”永山”という地域も彼の名前にちなんで付けられたものなんですよ。
旭川開拓の歴史を知るなら、この記事も要チェック!↓
旭川ができて130年! 旭川の歴史を振り返ろう【①明治時代編】 | 旭川のことならasatan
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【作品情報】
『永山武四郎之像』 北村西望
1967 ブロンズ 294×107×129
旭川市常磐公園内
今回は常磐公園にある4つの彫刻を紹介しました。
市内のあちこちに彫刻が設置されていて、【彫刻のまち】とも呼ばれる旭川。でも身近過ぎるからか、じっくりと見たいことがない」なんて方きっと多いはずです。
公園を始め、街中や橋の上など至る所にに彫刻があります。近くに通りかかった時にはじっくり見てみると、意外な発見があって面白いかもしれませんよ♪
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