2021年02月27日
食べると病みつきカレー南。蕎麦にして多くのメニューと一線を画す独特な存在感。今回も個性派ぞろいの味わいをマニアックにご紹介いたします。恒例、美味しさを可視化した味わいチャートもご覧あれ。
大人から子どもまで多くの蕎麦好きを魅了する蕎麦の一大勢力、そば源。前作(第4弾)の本店に続き、そば源末広店の登場と相成った。さて、同じ系列店だけに同じか、それとも店によって何らかの違いがあるのか興味深い。
やや透明感のあるおつゆは、そば源ならではというところか(本店に似ている)。が、具の構成がぜんぜん違う。その点は各店の任意となっているのかしら。
ちなみに下の画像が本店のもの。違いは一目瞭然、ネギの扱い方を比較してみて。
本店はいわゆる南蛮(ネギのこと)をたっぷりに、筆者の言ういかにもカレー南らしい体裁。対して末広店はネギは薬味として扱われ鶏肉にまみれているのは玉ねぎの細切りだ。
でも、それがいいじゃないか。同じ名でも出すそばが違うなんて面白い。そば源本支店だけで、この食べ比べ記事1本書けちゃうかも(笑)
ということで、まずはおつゆをずずっと味見。
カレー風味がすっと香るシャープな辛さ。それが程々に深くて丁度良く、つまり、これ以上辛いと蕎麦の風味を台無しにしてしまう、あまり甘いとカレーとしての楽しみ甲斐がないでしょ、という塩梅の良さがあるというわけだ。俄然、食欲をそそる。
本店の味はたしか『おつゆは何とまあ、とてもあっさり風味。辛さも控えめでおつゆのダシと微妙な加減で交わっている』(前作引用)だから大きく違う。
程よい辛さに加え、とろみもなかなかである。これがそば源のふくよかな麺にからんで、あとを引く美味しさとなっている。
こってりおつゆに溶け込んだ玉ねぎと鶏の細切れ肉は、食感、風味とも相性良く、総じて食べやすい印象だ。
本店と比較することはナンセンス。これはこれでとても良く出来ている。
店名:そば源 末広店
住所:旭川市末広東1条10丁目
電話:0166-57-3420
営業時間:11:00~20:00
定休日:月曜日
駐車場:あり
あれ、五条と思って来てみれば、暖簾には四条と(暖簾も新しい)。
???
箸袋には五条美登利と。まあ、いいか。
ともかくは、店内は家族連れや高齢ご夫婦などで賑わう。まちの老舗は入りやすいんだろうね。
また出前の注文も多いようで、忙しく出入りするスタッフさんの様子が、いかにも地域に親しまれているという感じがしてよそ者(笑)も心地よい。
と、そこへ店員さんの明るい声とともにそばが到着。
おおっと、ちょっと意表を突く見映え。これはこれで今までになかった気がする。
鶏とタマネギ。誰が見ても鶏とタマネギ。さっと焼きを入れて煮た具たちが、店の手際の良さを思わせる。家庭的というか何というか、いい意味で朴とつ。
それにしても、青い薬味の長ネギもない。タマネギ直球勝負。この自信満々な具のやりとりが美登利流なんだろうか。
軽く衝撃(笑)。これだからカレー南の食べ比べは面白い。
さらりと、そしてスパイシー。香辛料はよく効いて確かに辛いことは辛いのだが、そこはかとなく優しい味がする。
それは、さっと煮たたっぷりな玉ねぎのせいだろうか。
逆に、おつゆのまろやかなコクが甘味あるタマネギの食感と風味を、よく引き立てているとも言えるかもしれない。
穏やかな風味のそばもおつゆの中で美味しくなったように、さらりさらりと食べ続けられる。
箸が止まらない。
これも一つの個性的カレー南。他にはないタイプかもね。
店名:美登利5条店
住所:旭川市5条通21丁目
電話:0166-35-4623
営業時間:11:00〜20:00
定休日:不定休
駐車場:あり
しばしば立ち寄る動物園の帰り道。動物園通りに面しているが店舗は少々奥まっているので、この看板が頼り。
以前は四条庵の支店だった店がリニューアル。季白だなんてこだわった名前。何やら格調めいたものを感じさせるが、店の雰囲気およびメニュー構成は至ってフレンドリーなのでご安心を。
浮きつ沈みつするもも肉と、いかにもシャキッとしていそうなネギ。
盛ってあるというか散らしてあるというか、こういうネギこそカレー南。個人的にはもう既に及第点だ。
それにしても大きな肉。
肉たるものいかにも肉らしく大きくあるべき、という理念をお持ちなのか、店ならではのスタイルを主張するのは好ましい。
コクのあるカレーの香味が、甘辛なそばつゆと溶け合って美味。とても親しみやすいおつゆだ。美味しい。
とろみは程々。柔らかな麺によくからむ。
すするだけで麺におつゆが絡みついてきて、飲んだわけじゃないのに自然とおつゆが減っていくこの感じ、実に頼もしい。
肉を頬張り、箸休め的にネギをつまみ、気づけばつゆまで完食。とても心地よい一杯であった。
美味しいネギが載っていたものだから、添えられた薬味には手をつけるいとまがなかった。
食べ物を残すのは失礼。そばが運ばれてきたときに、不要と言えばよかった。
店名:そば処 季白
住所:旭川市東旭川南1条5丁目
電話:0166-73-9699
営業時間:11:00~20:00
定休日:火曜日
駐車場:あり
さていかがでしたか。
今回も、個性的なカレー南に出会え、美味しく楽しい食べ比べとなった。
ということで、味わいの印象を以下のように表現してみた。
まず、程々にスパイシーでこってりとした食べ応えという点では、そば源末広が印象的。
スパイシーという点ではそば源に近いが、おつゆがさらりとしていたのが美登利。面白い食べ応えだったことを思い出す。
それらに対して、平均点といったポジションで味わいをまとめていた李白。思えば、おつゆ、具、麺が絶妙に調和。
とまあ、どれをリピートしたいかと問われれば・・・
その日の気分(体調も含め)次第というところかな。
だって、これだけタイプが別れたら、その日に食べたい味が選べるってことですよ(笑)
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