「昼時でもしっかりごはんを食べたい人ばかりではないのでは?」という気づき
昼時でも、朝ご飯のような軽めの食事を提供するお店があります。お店の名前は、いちにちじゅうあさごはん~cafe sunao。銀座通商店街にひっそりと佇んでいます。
同店では、朝食のような軽めの食事を営業時間中、いつでも食べられるのが特徴です。
一日中朝ご飯のような軽食を食べられる店という発想の原点は、オーナーの谷越亜紀さんの前職での勤務形態にありました。
シフト勤務をしていたカフェの店長時代、遅めの朝食を取ろうとしても、周りにはしっかり系のランチを提供する店ばかり。軽めのご飯を食べられるお店が少なくて不便に感じていたといいます。
「昼時だからといって、必ずしも昼ご飯としてご飯を食べる人ばかりではない。いつ来ても軽めの食事を食べられる店があると助かる人もいるのでは?」と考えたことがお店づくりのきっかけになりました。
靴を脱いであがる席。今はお隣との距離をしっかり保っています。
こだわりの素材を手間ひま惜しまず調理
ごはんのあさごはん。量によって価格が変わります。少なめ500円、ふつう650円、多め800円。
同店のメニュー「あさごはん」はごはんとパンの2種類。ごはんメニューは、ごはんかおむすび、それに具だくさんのお味噌汁とおかずのセットです。
食材は、近郊の生産者の顔が見えるものにこだわり、安心、安全な食事を提供。
お米は、東旭川のななつぼし、卵は、比布町の大熊養鶏場「かっぱの健卵」、味噌は、東旭川産の古谷農園から仕入れています。
味噌汁に使う鰹節は谷越さん自ら削ったものを使ったり、飲み物を手作りしたりと手間も惜しみません。
生産者の顔が見える食材を使っています。自家製ジュースやオーガニックジュースの文字も。
さまざまな立場の人が利用
今年オープンしたばかりの同店。朝7:30から営業しているとあって、仕事前に立ち寄るサラリーマンや、年配の方、親子連れなどざまざまな人が訪れているそうです。
「先日は、お子さんを連れたお父さんが来店してくれました。子どもに安全な食事を食べさせられるので、お父さんに子どもを預けたお母さんも安心するのではないでしょうか。」と、谷越さん。
社会的活動にも積極的に参加
谷越さんは、様々な社会的活動もしています。
子ども食堂の手伝い、子ども縁日の開催、不用品を持ち寄って交換し合う会の企画など、幅広い活動に携わっています。
社会的な活動をする理由は、「社会にお返しをしたいから」だそう。実は、成人した息子さんがいらっしゃる谷越さん。
「子育中、たくさんの人たちに助けてもらったおかげで私は幸せに暮らしています。幸せがあふれているので、今度は私がお返しする番なのです。」と話してくれました。
名刺の裏に印刷された活動内容、「お手伝いいろいろ…」とは?
不用品を持ち帰りできるコーナー。時にはカフェで使わなくなった食器などが置かれることもあるそう。
社会へお返しの1つが谷越さんの名刺の裏に印字された、「お手伝いいろいろ」の文字です。
「これは何?」と聞くと、「子育て中のお母さんのお手伝いなんかもしています。」とのこと。
例えば、お店に遊びに来た友人のお子さんをカフェで短い時間預かることもあるのだそうです。
お店でお子さんが宿題をしている間、少しの間お母さんが外出できるように取り計らうのだとか。
店内には、カフェで使わなくなった不用品を自由に持ち帰りできるコーナーや、子ども食堂への協力金の募金箱などがあり、谷越さんの社会へ貢献したいという想いを至る所に感じられます。
おいしいご飯だけではなく、谷越さんの人柄にも触れてみて
谷越さんにお話しを聞く前は、一日中朝ご飯を食べられるというコンセプトの面白さや、こだわりの料理ばかりに注目していました。
でも、実際にお話しをすると谷越さんの生き方や人柄に強くひきつけられてしまいました。
やりたいことは「とにかくやってみる」という彼女の前向きな姿に、たくさんの気づきをもらったのです。
おいしいご飯と谷越さんの穏やかな人柄に触れにぜひ足を運んでみてください。きっとそこには心癒される空間が広がっていることでしょう。
昔ながらの風景が残る銀座通りにあるお店。若い世代の人もこの地域に訪れてくれれば、という想いもあるそう。
■店舗情報
【cafe sunao】
住所:旭川市4条通15丁目823-8
電話番号:0166-64-6447
営業時間:7:30~18:00(金、土曜日は10:30~23:00)
定休日:日曜・第1・第3月曜日
駐車場:なし
インスタグラム:https://www.instagram.com/cafesunao