住み慣れた地域で、彩りのある、自分らしい暮らしを長く送りたい。多くの方が願うことではないでしょうか。そのために、大切なこととして、早くから介護予防を意識し、社会参加等を通じて自分自身の生きがいづくりに取り組むことのほか、頼れる場所・相談先を知り、暮らしの選択肢を広げておくことがあります。
と、言われても「自分にはどんなことができるのか?」「誰に相談したらよいか?」「健康面や経済面が不安だな」という方もいると思います。今回は、そうした思い、悩みに寄り添うべく、いきいきと毎日を送っている富樫さん、地域包括支援センター、養護老人ホームの皆さんへのインタビューを交えながら、すてきなシニアライフを送るきっかけをお届けします。
【詳細】長寿社会課地域支援係TEL25・5273
いつまでも、自分らしく暮らすために必要なこととは
年齢を重ねると、筋力の低下や、退職などによる人間関係などの環境の変化によって、これまでになかった健康面や心理面の課題に直面することがあるかもしれません。健康な状態と介護が必要な状態の中間を「フレイル」と言いますが、フレイルは早期に対処することで、健康な状態に戻ることができる時期です。今後も長く自分らしく暮らすためにどのような取組みが大事なのか、新旭川・永山南地域包括支援センターの田中センター長にお話を伺いました。
■シニア世代が自分らしく生活していくために、どのようなことが必要ですか?
早めの介護予防活動が必要です。家でテレビを見たり横になって過ごす時間が多かったり、買い物や病院以外はどこにも行かない生活を続けると、ますます身体が動きにくくなってしまいます。
私たちは、その予防・改善に「社会参加」という言葉をよく使います。
生涯現役で仕事をする、畑などの趣味・余暇活動に励む、困っている家の雪かきをするなども、全て「社会参加」につながります。また、自分の特技を生かして活躍する場(町内会活動やボランティア活動など)もたくさんあります。このような「社会参加」は、まさに介護予防活動そのものと言えます。
活動的で、自分らしいシニアライフを始めてみませんか。
■フレイル予防で重要なことはなんですか?
「栄養・活動・社会参加」が重要なポイントです。フレイル予防は、生活習慣病の予防に似ていて、適度な活動と地域への社会貢献、適切な食生活が、予防・対策になります。フレイル予防は、生活習慣病の予防の延長線上だと考えると、分かりやすいですよ。
■地域包括支援センターではどのような相談ができますか?
生活での困りごと、医療や介護保険関連、認知症、消費者被害など相談内容は十人十色です。地域包括支援センターは市内11か所あり電話や来所のほか、来られない方は訪問しますのでご相談ください。
住み慣れた地域で安心して暮らし続けるため、地域へ一歩踏み出すお手伝いも含め、一人で悩まず地域包括支援センターをご活用ください。お住まいの地域によって、担当するセンターが決められています。
詳しくは市HPまたは長寿社会課(TEL25・5273)まで。
社会参加を通じた、いきいきとした暮らし
多くの高齢者が、自分で健康を維持しながら、趣味活動や社会貢献などを通じて、充実した人生を送っています。今回はボランティア活動や自身の介護予防活動を通していきいきと暮らす富樫昭子さんにお話を伺いました。
■現在の活動につながるきっかけは?
両親の介護をしていましたが、もっと誰かの役に立てればと思い、旭川市社会福祉協議会のボランティア養成講座を受けたのがきっかけです。その後高齢者サロンを手伝ったり、新旭川・永山南地域包括支援センターさんが紹介してくれた「ぷらっとカフェ」(認知症カフェ)や、「ふまねっと」(運動機能維持などの支援)に参加しています。
父がよく「小さなことでも社会に役立つのが一番いいこと」と言っていたこともあり、私の中で介護とボランティアは切っても切れないものになりました。
■ボランティア活動を始めて良かったことはありますか?
人とのつながりが増えたことが一番です。お世話した方の生きざまを見たり人生を語っていただけると、お手本にしたいと考え、気持ちが豊かになりました。ボランティアは私自身の心身の健康維持にもつながっていますね。
■ボランティア活動のやりがいや向き合い方は?
さまざまなお手伝いで急に呼ばれたこともありますが、頼られることがうれしいし、困っている方にほんの少し手を差し伸べるだけと思ってやっています。だから自分が困ったと感じたことはなく、逆に立派なことをしている意識もありません。夫も理解してくれて何かあれば同行してくれますし、周囲に支えてくれる人がいるのが一番心強いですね。
■ボランティアを始めたいと思っている方へアドバイスをお願いします
気負わないことです。自分の家庭環境に合わせて無理せずゆっくり、ささやかなお手伝いの意識でいいと思います。一歩外に出れば、地域包括支援センターなど相談できる窓口があります。新しいことを始める時は不安ですが、仲間が優しく受け止めてくれますので大丈夫です。私もそうした方々に「生かされている」と感じますし、皆さんのお力添えで歩みを止めず続けられていることに感謝しています。
ボランティア登録を希望する方は、旭川市社会福祉協議会ボランティアセンター(TEL21・5550)にご相談を
旭川市の介護予防教室
介護予防の大切さを楽しく学んでいただくため、2種類の介護予防教室を実施しています。
■あさひかわ健幸運動教室
週1回(全16回)の教室です。各地域で全33コースを開催しています。ストレッチや筋力トレーニング、バランストレーニングなどを行います。主に椅子に座った姿勢で弱い運動を行うコースと、主に立った姿勢で強い運動を行うコースがあります。教室終了後も参加者で活動を継続していくために自主サークルを立ち上げることを目指します。
■認知症予防教室
週1回(全16回)の教室です。各地域で全6コースを開催しています。認知機能の低下を予防するために、脳トレと参加者同士の交流を行います。教室終了後も参加者で活動を継続していくために自主サークルを立ち上げることを目指します。
※令和8年度の教室の案内は、令和8年4月号以降の「あさひばし」をご覧ください。
市の介護予防の取り組み
市では、これまで「住民主体の通いの場」の支援に重点的に取り組んできました。通いの場とは、住民同士が気軽に集い、運動や趣味活動などを行う自主サークルで、市内には600か所以上あります。健康づくりやいきがいづくりの拠点であると同時に、高齢者が時に担い手となり、時に支えられる立場となりながら活躍できる場であることから、地域づくりにとって大切な取組みであると言えます。そのため、通いの場の活動が継続できるよう、地域包括支援センターやリハビリの専門職と連携し、支援する取組みを実施しています。
通いの場に関しては、地域包括支援センターで情報提供をしていますので、お住いの地域のセンターへお気軽にご相談ください。
自分らしく、安心して暮らせる場所 養護老人ホーム
「在宅での生活に限界を感じている」「費用面で施設への入所は難しい」 そんな悩みを抱え、いきいきとした暮らしを諦めていませんか。高齢者の生活の場は自宅や有料老人ホームのほかにも経済的な負担を軽減し、安心して暮らせる環境を提供する「養護老人ホーム」という選択肢があります。 今回はその特徴や、実際に施設で過ごす方の声を通じて、自身にとって最適な施設を選ぶための参考となる情報をお届けします。
【詳細】長寿社会課高齢者支援係TEL25・6457
■養護老人ホームってなに?
家庭環境や経済上の理由などにより、家庭で生活することが困難な高齢者が自立した日常生活を営み、社会的活動に参加するために必要な指導および訓練、その他の援助を行うことを目的とする施設です。特別養護老人ホームと違い、介護保険施設ではなく行政による措置施設となります。
■ほかの施設と何が違うの?
〇要介護〇以上という条件は必要ありません
⇒要介護認定がない方から要介護1程度までの方が対象です
〇高額な費用負担は必要ありません
⇒収入に応じた費用負担となるため、収入が少ない方でも入所可能です
養護老人ホームへの入所は、施設との直接契約ではなく、市町村が入所の必要性を審査して決定します。入所費用の一部を、負担能力に応じて「負担金」として納入していただきます。入所には申請が必要で、生活状況等を調査した上で、定期的な審査を通じて入所の可否が決まります。
次のような方も審査対象となります
●要介護認定を受けていない方
●元気だけど在宅生活に不安を抱える方
●年金が少なくて施設入所を諦めていた方
●生活保護を受給している方 など
■費用はどれくらいかかるの?
本人の収入に応じた負担金(利用料)がかかるほか、場合によっては扶養義務者にも負担金がかかることもあります。
本人の負担金は前年の収入状況により決まるため、年金の範囲内での負担となり、費用面に不安がある方も施設入所が検討可能です。
負担金額の例
■入所対象となる可能性がある方はどんな人?
次の全てに当てはまる方は入所対象となる可能性があります。
□原則65歳以上で身の回りのこと(食事・入浴・排せつ等)に関して、ある程度自分でできる、または見守り、
軽い介助程度で行うことができる方
□自立または歩行器や杖等を利用して歩行が可能な方
□伝染性の疾患や感染症にかかっていない方
□常時一定の医療的行為を必要としない方
□本人の属する世帯が市民税均等割課税以下(「市民税非課税(生活保護含む)」
「市民税均等割のみ課税」以下)である方
※世帯の判断は住民票上ではなく、実際に居住・生計が同一の方がいる場合には、同じ世帯として判断します。
※所定の審査により入所の適否を決定しますので、身の回りのことが自立していても、認知症が進行している場合など、審査の結果によっては入所対象外となることもあります。
■入所のおおまかな流れ
1 まずは長寿社会課高齢者支援係(TEL25・6457)へ連絡してください
2 入所を希望する施設に電話連絡の上、見学をしてください
3 見学後、長寿社会課高齢者支援係へ連絡してください
4 入所に係る書類を交付しますので、書類がそろったら提出してください※1
5 書類受領後、自宅等へ訪問し、生活状況等の訪問調査をします
6 入所判定会議※2で、入所の適否が決定しましたら結果を連絡します
7 施設と相談して入所日を決め、入所となります
※1 入所に係る書類の提出期限は、入所判定会議の前月20日前後としています。
提出期限に書類提出が間に合わない場合は、次の入所判定会議を待っていただくことになります。
※2 入所判定会議は、原則2か月に1回(現在は奇数月に1回)開催しています。
■訪問調査ではどんなことを聞かれるの?
身体状況、健康状態、通院状況、家族構成、これまでの生活歴、住居の状況、経済的状況などをお聞きします。ほかにも簡単な記憶力の検査を行います。調査は概ね1時間程度です。
支える人暮らす人それぞれの声
市内に3か所ある養護老人ホームの施設長・入居者へお話を伺いました。
■養護盲人老人ホーム 旭光園(7の17)
養護盲人老人ホーム 旭光園 TEL24・1215 定員:50人
施設長 田尻誠司さん
道内2か所、道北で唯一の視覚障害高齢者のための養護老人ホームです。社会的孤立を防ぎ、視覚障害があっても気軽に買い物や公共交通機関を利用できるよう、利便性の良いこの場所に立地しています。園内は弱視に配慮した配色のほか、部屋の入口には点字が読めなくても、鋲の凹凸で部屋番号が分かる「手触りプレート」を設置しています。食事やお風呂は一人一人に合わせた対応をし、日帰り旅行などのイベントも実施するなど、心身ともに健康で喜びと希望のある生活を送っていただけるよう支援しています。視力と生活に不安のある方はお一人で悩まず、当園や市の担当課にご相談ください。見学もお待ちしています!
日帰り旅行
手触りプレート
入居者の声①
視覚障害があり生活に不安を抱えていましたが、ここでは趣味の歌や外出を楽しみながら、マイペースな生活が送れています。目に不安がある方も、ここに来れば仲間もでき、心配いらないですよ(笑)
入居者の声②
衣食住、特に食の心配がいらないのが一番の安心です。部屋で好きなお酒を飲んだり昔選手だったサウンドテーブルテニス(卓球)を楽しんだりして、毎日充実しています。街なかなので買い物も便利ですよ。
■養護老人ホーム 緑風苑(春光台4の11)
養護老人ホーム 緑風苑 TEL51・3148 定員:120人
施設長 西野徹夫さん
「入居者様に楽しんでいただくには、まず職員自身が楽しむことが大切」という思いのもと、館内を彩る装飾やオブジェのほとんどを手作りし明るくにぎやかな雰囲気作りを心がけています。また、同敷地内には「老健・愛善ハイツ」や「特養・愛善園」を併設しており、将来的に介護が必要となった場合もスムーズな連携が可能です。私たちは、ここでの生活そのものを社会参加と捉えています。全室個室でご自身の時間を大切にしていただきながら、一歩部屋を出れば1階にある運動器具なども自由に利用できる環境です。過剰なサポートは行わず、入居前と変わらない自立した生活を安心して続けていただけるよう支援しています。
共有スぺース
職員手作りのオブジェ(鯛車)
入居者の声
入居を考えたきっかけは免許の返納でした。車がない生活は想像以上に不便で、日々の買い物も苦労していました。でも、ここに来てからはその苦労からも解放され、毎日おいしい食事が用意されるので助かっています。正月はお刺身も出ましたよ(笑)。おかげで、92歳になった今も散歩やパークゴルフなど心から楽しめています。
■養護老人ホーム 敬心園(春光台1の7)
養護老人ホーム 敬心園 TEL51・5117 定員:80人
施設長 谷口大朗さん
当園では、「自分らしい生活」を何よりも大切にし、日常生活において過度な制限を設けていません。ご夫婦で一緒に暮らせる二人部屋を多く備え、消灯時間もなく、外出や面会、外での飲酒も原則自由としています。入居費用はご本人の収入に応じて決定されるため、生活にゆとりを持ちながら、地域での交流や楽しみを継続できます。また、グループの森山病院との連携により、通院支援や訪問診療、訪問リハビリテーションなど、医療との連携を図りながら日々の体調管理を行っています。
さらに、睡眠中の体調変化を検知する見守り機器も活用しながら、安心と自由の両立した暮らしを支えています。
春の花見見学
夏の花火大会
入居者の声
ここに来て一番助かったのが、やはりお金の心配がいらないことです。収入に応じた費用なので、金銭面で不安を抱えている方には、本当に安心できる場所だと思いますよ。冬の悩みの種だった除雪の心配もありませんし、何よりお友達ができて毎日がにぎやかです。皆さんと交流しながら、心穏やかに暮らせています。












