この感動を伝えたい!【まちなか】旨いもん備忘録

この感動を伝えたい!【まちなか】旨いもん備忘録

誰かに伝えたい「おいしい!」瞬間。筆者が実際に訪ね、食べて、出会って、記憶に残ったおいしいものを一堂に紹介します。気になる味が見つかったら、ぜひ足を運んでみてください。


いったい何屋さん? だけど、そんな店ほどおもしろい

この夏、まちなかにオープンした小さな店「カボス」。さて、ここはいったい何屋さんなのだろう。
お弁当屋さん? 惣菜屋さん? 定食屋さん? かと思えば、ちょい呑みもできる。
いろいろな顔を持つ店だが、筆者としてはもうひとつの肩書きを付けたい。
「なんだか、妙にハマる店」。

若い女将は大分県出身。そんなこともあって、メニューには大分由来の料理や食材がちらほら。定食を食べてもよし、気になるおつまみを並べて酒を飲んでもよし。使い方の自由さも、この店の魅力だ。

'26.9月末現在

上が、ランチメニューとは別に用意してある、フード系のメニュー。
オープンから若干の紆余曲折を経て、今はこんな感じに落ち着いている。
これらのほかに、ポテトサラダや煮物といった小料理が、いわゆる「その日のメニュー」として提供される。

ということで、まずはちょい呑みの折に頂いた、料理の数々を紹介したい。
酒のアテとしては実におもしろい。

スタッフおすすめとある『山芋鉄板 750円』は、大分ではおなじみの一品(らしい)。すった山芋に卵と出汁醤油を合わせて焼き、さらにチーズとマヨネーズをのせてオーブンで焼いたもの。

ふわり、とろり。
山芋の滋味と出汁の穏やかな旨味が重なり、何ともほっとする味わいだ。これはまさに“癒し系つまみ”。大分出身の女将だけでなく、スタッフもおすすめするというのも納得だ。

そんなアテに合わせたのは、大分の麦焼酎。
大分の料理には、大分の酒だろうという極めて安直な発想であるが、これが優勝。
本格麦焼酎ならではの香ばしさと、深い旨味。そしてふわり感じる甘味が、山芋の美味しさを引き立てる。

一方、『ししとう 550円』は、スペインの定番おつまみスタイル。
ニンニクとオリーブオイルで揚げ焼きにし、ブラックペッパーと塩で仕上げる。
とメニューにあるが、料理の説明というより、もはやレシピそのものでは(笑)。
でもシンプルな料理だからこそ、ししとうの香味がしっかり生きる。酒のアテとしても実に優秀だ。
当日に仕入れていたししとうは、肉厚でみずみずしく、「にがウマ」が絶妙なのだった。

バルっぽい『海老のアヒージョ 750円』も。
熱々のニンニクオイルに海老の旨味が溶け出し、添えられたフォカッチャを浸せば……これがまた酒を呼ぶ。
ちなみに、このフォカッチャは女将の御尊父の手作り。焼き上がったものが実家から届くのだとか。
家族の味まで店の一皿になっているのが、なんともいい。

そして、ひょっとすると女将の十八番なのでは?と筆者の思うのが『キッシュ 550円』。
面白いのは、予定のことか、果てまた気まぐれか、その日ごとに主材料が変わるため、様々なテイストのキッシュが提供されることだ。
共通する特徴は、卵の存在感が豊かな、ふわり、ぷるんとした食感。

上、「豚肉とトマトソースのキッシュ」は、肉のボリュームをトマトのフルーティーな香りが包み込む。
中、『豚肉とサツマイモのバジルソースキッシュ』は、上とはひと味違うふくよかな香味をバジルの香りが引き立てる。
下、「チキンとほうれん草のバジルソースキッシュ」は、ほうれん草の深い風味とバジルが溶け合い食べるほどに食欲が増す美味しさ。
いずれも、ほんのりとスパイスが効いたその風味は絶妙。
もちろん酒にもよい。

ところで、キッシュって何だ。惣菜?スイーツ?
と女将にたずねるのも恥ずかしいので、こっそり調べてみた。
フランス発祥の何とかかんとか・・・・の「おかずケーキ」です。
なんだそりゃ(笑)。

ともかくは、キッシュとはあまり縁のなかった筆者に、新しい楽しみが加わったことは確か。

いろいろ並んでる中、左下のからあげにご注目。

大分出身の女将と聞けば、やっぱり『大分からあげ 1個150円』も外せない。
国産鶏を使い、下味は穏やかながらもしっかり。鶏肉そのものの旨味を引き立てる味付けで、肉は柔らかく食べやすい。

「大分からあげの定義って?」と尋ねると、女将から返ってきたのは「家の味がこんな感じ」。周りの人たちもそうだという。
なるほど。ご当地グルメの定義を難しく考えるより、「大分の家で食べてきた味」なら、それこそ大分の味に違いない(笑)。

ここで、話が長くなってきたので、休憩がてら、ちょっとさっぱりしたドリンクのことを。

大分といえば、やっぱりかぼす。
人気という『かぼすサワー』は、爽やかな香りとキリッとした酸味が心地よく、甘さ控えめなのも好印象。
筆者も、ビールや焼酎の合間に、しばしば頂いている。

酒のつまみには『ちりめんガーリックトースト 2枚550円』もハマる。
ふんわり柔らかな生地に香ばしいオイルがたっぷり染み、これがやたらと酒に合う。
「ちりめんも大分流?」と聞けば、こちらは女将の創作とのこと。大分の味を取り入れながら、自分なりの料理にも仕立てていく。その自由さも、この店の面白さなのだろう。

最後に、実は筆者がかなり気に入ったのが『ポテトサラダ』。
これが、すごい。
日によって具材が変わるのだが、たとえば自家製スモークチキンだったりスパムだったり、ともかく何を組み合わせてもいちいち旨い。
具材の持ち味を生かすさじ加減に、女将の料理の腕を感じる。
派手さはないけれど、こういう一品がうまい店は、また行きたくなる。

というわけで

お昼に定食を食べに行くもよし、あるいはお弁当。
ときには気になる料理をつまみながら一杯やるもよし。大分の味を楽しむもよし、女将の創作料理を楽しむもよし。

何屋さんなのかと聞かれると、ちょっと答えに迷う。でも、そんな店ほど面白い。
そして一度ハマると、またふらりと立ち寄りたくなる。目下、筆者にとっては、そんな一軒である。

お店情報

店名:カボス
住所:旭川市7条通8丁目
電話:080-9275-5279
営業時間:11:00~18:30
定休日:日曜、不定休
駐車場:なし

小洒落た小路のイタリアンバルで発見! 酒が進む料理とパスタもイケる

さんろく「パリ街」にある「くいものやヴィーコロ」へ。
肩肘張らずにくつろげる店の設えと、旬の食材を生かした料理が魅力の店だ。
料理の価格も比較的手頃で、気軽に一杯、ゆっくり会話……のつもりが、料理を眺めているうちにすっかり本気の食事になってしまった(笑)。

この日は確か暑かったので、一杯目はやはりビールか(画像を見て思い出した)。
お通し500円がセットされる。

まずは『砂肝のコンフィ 880円』。
砂肝といえば、あのコリッとした独特の歯応えを思い浮かべる。が、ひと口食べてみると予想は見事に裏切られた。
しっとりと柔らかく、砂肝とは思えないほど穏やかな食感だ。
ハーブの香りだろうか、香味がほどよく効いていて、砂肝そのものの旨味を引き立てている。
これはビールが進む。いや、進まないわけがない。

続いて『つぶのアヒージョ 990円』。アヒージョ好きとして、これまでいろいろな具材を味わってきたが、実はツブ貝は初めてだ。

ツブといえば刺身や貝焼きが定番という印象だが、熱々のオイルに浸されたツブも、これがなかなかオツ。
火が入ることで貝の旨味がふくらみ、独特の食感も楽しい。
もちろんアヒージョのお約束、ニンニクの香味とも相性抜群だ。

そしてパスタは、相方と相談してタイプの違う2品を注文。
アヒージョで食欲が目覚めたか、迷うくらいならどっちも食べようということに。これは相談と呼ばない(笑)。

ひとつは『ベーコンとナスのトマトソース 1,045円』。
見た目からしてこってり系だが、口にしてみるとその印象どおり、ソースは濃厚でしっかりとした口当たり。
一方でトマトの甘みが感じられ、味わいそのものは意外とさらり。ナスがソースをたっぷり抱え込み、ベーコンの旨味も加わって、もう一品あるというのについついフォークが伸びる(笑)。

もうひとつは『カラスミのペペロンチーノ 1,650円』。
こちらは口当たりこそ軽やかだが、味わってみればカラスミの濃厚なコクがしっかり。
ペペロンチーノの軽快さに、日本三大珍味のひとつであるカラスミを合わせるとは。イタリアンの懐の深さ、そして料理人の創造力に感心してしまう。

この頃にはアルコールもワインにチェンジ。
とはいえ、元来日本酒党の筆者としては、カラスミのコクを味わっているうちに「これは日本酒でも…」と、ちょっとうずうず(笑)。

そして忘れてはいけないのが『ガーリックトースト 440円』。
個人的にこの手の店では必須アイテムだ。ざっくり言えば大好物。前掲の店でも食べている(笑)。
なので、注文の折、パンはアヒージョにも付いていると店が告げるも、「いや、これはこれで」と断言する始末(笑)。

店ごとに仕立てが違うので、それを味わうのも楽しみのひとつ。こちらのガーリックトーストは、やや厚めにカットしたバゲットを使用。外側の香ばしさと、中のふかふかとした食感が心地よく、じゅわっと染み込んだガーリックオイルとパンの香りが実によく合う。

気軽なバルのつもりで入っても、料理を一品、また一品と頼みたくなる。酒を飲む人にも、しっかり食べたい人にも、使い勝手のよい一軒である。
ちなみに、たしか今年の冬の頃だったか、20名程でお邪魔した。
コース料理の実に良い味、そしてもてなしを頂いた。

お店情報

店名:くいものやヴィーコロ
住所:旭川市4条通6丁目 パリ街2F
電話番号:0166-22-2282
営業時間:月~木、祝日 17:30~0:00
※ラストオーダー23:00
金、土、祝前日 17:30~翌3:00
※ラストオーダー翌2:00
定休日:日曜日、不定休
駐車場:なし

その名も明解! ホルモン食べ放題から「超牛レバー」まで肉好き必食の焼肉店

商店街沿いのビル2階。大きな窓が目を引く焼肉店で、まず気になったのが、そのユニークな店名だ。

肉と酒 道北スタミナ商会。

肉と酒だと?
酒池肉林を人生の目標としている筆者の心を射抜く。
また、主力商品と店のコンセプトを、そのまま店名にしてしまったような潔さ。いやはや、こちらとしても何を食べさせてくれる店なのかが一目瞭然で、なんとも気持ちいい。これはもう、店名そのものが「なんとしても入店したい」と思わせる呪文ではないか(笑)。

同業系の仲間との宴。
皆、焼肉は久々と、ちょっとテンションが高い(笑)。
いかにも呑みそうな面々なので、飲み放題(一人2,000円)で。

ともかくは食べようと、空腹のヒトたち一同が「まずはコレ」と選んだのは、ミックスホルモンが驚きの1,500円で食べ放題という太っ腹なメニュー。

豚タン、豚ハツ、豚サガリ、脾臓、豚ガツ、豚マルチョウ、豚直腸と、なんと7アイテム!!
地元産の豚肉を使ったホルモンがずらりというミックスぶり。

味付きなので、まずはそのままパクリ。ホルモンといえばクセや臭みを想像する人もいるかもしれないが、ここの肉は臭みがなく、鮮度の良さが伝わってくる。
しかも部位ごとに歯応えが違い、噛むほどにそれぞれの旨味が顔を出す。これぞミックスの醍醐味か。

味付けの妙もあるのだろう、とにかく食べやすい。時折タレにつけて味を変えながら、気付けば箸が止まらない。
ひと皿目は秒殺。もちろん、お代わり(笑)。

当然ながら、ホルモンだけに満足できるはずもない面々。
ほかに何か食べましょう。牛サガリ?ハラミもあるのね。どっちにしよう。

面倒だからどっちも!! と、いい意味でおおざっぱで、いいヤツらなのである。
上の2枚がサガリとハラミ、どちらも1,000円。

牛サガリは、ほどよい脂と柔らかな肉質が心地よく、タレとの相性も抜群だ。
対するハラミは赤身肉らしい肉感を楽しみつつ、噛むほどにじわっと旨味が広がるのが魅力。

同じ「焼肉」でも、部位が変われば食感も旨味の出方も変わる。その違いを気軽に楽しめるのが、肉好きにはたまらない。

そしてもう一品、名前からして気になりすぎるのが『超牛レバー 1,000円』
一見してわかるシャープな切り口。いかにも鮮度が良さを思わせる。

はい、レバーが美味しく焼けてますの図、撮り忘れました。
何せ強火でガンガン行こうぜ、というノリなもので、焼くのに食べるのに忙しくて(笑)。
唯一、上画像、向こう側がそれ。

SNSでも「美味すぎて衝撃」と話題になっているというが、いったい何が“超”なのか。そんな疑問を抱えつつ口に運ぶと……なに?このふんわりやわらかな食感!

レバー特有の濃厚な旨味を感じながらも、舌触りは驚くほどなめらか。
思わずよくあるギャグを。「コレは飲み物だな(笑)」。

お店情報

店名:肉と酒 道北スタミナ商会
住所:旭川市3条通7丁目 ヨシタケパークビル 2F
電話番号: 090-6169-1736
営業時間:17:00〜25:00 土曜日11:30〜25:00 日曜日11:30〜23:00
定休日:月曜
駐車場:なし

この記事のキュレーター

美味しいもの、旨い酒を味わう時間が何より大事。
不惑の呑兵衛を目指すべく、きき酒師の資格を取得。

・SSI認定FBO公認 きき酒師
・日本酒WEBメディア SAKE TIMES ライター

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