小川けんいちさんってどんな人?キッカケは1枚のイラスト
出典:小川けんいち
編集部が旭川で活動しているアーティストを探している時、1枚のイラストが目に止まりました。
赤いキッチンカーを中心に、たくさんの人が笑顔で楽しそうにコッペパンを食べていて、優しさや人の暖かさを感じるのと同時に『どこか放っておけない1枚』と感じました。
みなさん、どう感じますか?
『どこか放っておけない1枚』と言うのが、作品の感想として適切な表現かわかりませんが、私にとっては学校のクラスに1人はいる『気になる女の子』のような存在に近い感覚に感じます(笑)
旭川にお住まいの方や、asatanをよくご覧になっている方は、もしかしたらピンと来たかもしれませんね!
このキッチンカーはasatanの人気記事、旭川市内のキッチンカー出店情報で紹介している『コッペパン専門店TAN★TAN』のキッチンカーです。
出典:コッペパン専門店TAN★TAN
■『コッペパン専門店TAN★TAN』のキッチンカー製作秘話
出典:コッペパン専門店TAN★TAN
このキッチンカーを初めてみた人の中には、車両の塗装の上にラッピングフィルムを張っていると思われた人もいるのではないでしょうか?
実は小川さんが直接ペンキを塗ってイラストを描きました。
依頼が来たときには赤いキッチンカーが用意されていて、一度ペンキを塗ったら修正ができないので、最初の一筆はとても緊張したとのこと。
A4サイズの紙にイメージ絵を描いてオーナーさんと打ち合わせを繰り返してきたものの、いざ車両に描くときは紙と縮尺が違うのでバランスをとったりするのが大変だったのだとか。
イラストのテーマは『いろんな人が食べている、いろんな人が見て楽しめる』。
オーナーさんから「小川さんの好きに!小川さんの世界観で描いてください」という依頼を受け、打ち合わせを重ねて決めたそう。
編集Yも買いに行きました。
出典:asatan
キッチンカーは新車で作ると1台400万~500万円はします。
仕事をしていく上で大切なキッチンカーに、なぜ小川さんに絵を依頼したのかをオーナーさんに聞いてみたところ。
「どこにいても目を引くインパクトと優しさが溢れるキッチンカーを目指すのに、小川さんの絵が必要でした。その甲斐あって、今では多くの人がコッペパンを買いに来てくれて、商品を受け取るときには満面の笑で「ありがとう」と言ってくれるお客さんが多いです」と語ってくれました。
絵を描くようになったキッカケ
出典:asatan
こんなにステキな絵を描く小川さんが、絵を描くキッカケは何だったのか気になりました。
小川さんが初めて絵を描いたのは幼少の頃。
親戚が集まる中、テーブルの裏に潜り込み絵を描いたのが始まりでした。
なんとも衝撃的なデビューですが、今でも実家にはそのテーブルがあるとのこと。
その後、小学校にあがってからも次々と絵を描くようになり、子どもながらの絵も描いていたのですが、描いた絵に対してダメ出しや指導をする大人がいませんでした。
よく子どもがクレヨンでぐるぐると円を描きますよね?
その絵を見た大人が「その絵なに?」と聞くと子どもが「自転車!」って答えたとします。
そこで大人は「自転車はハンドルがあってね…」とか「もっとこう描きなさい」とつい描き方に口を出してしまう。
そうなると多くの子どもって絵を描くのが楽しくなくなって止めてしまうことが多いのですが、小川さんの場合はそれが無く周りの友達や大人たちが笑って喜んでくれました。
それが嬉しくて大人になっても絵を描き続けてこられたと言います。
大人になり絵を通して人と交流をするようになる
出典:asatan
大学でデザインを学ぶために地元の釧路から旭川へ。
旭川の印刷会社に就職し10年ほど印刷物の作成をして、30代で現在の会社に所属。
会社員時代は頻繁に絵を描いていませんでしたが、ある日イラストレーターの永沢まことさんの本に出会いました。
絵としてもすごく魅力的で、なかでも絵は上手い下手じゃないという考えに共感をし、自分の絵を永沢さんに送りました。
それから永沢さんと交流をきっかけに、毎日のように文庫本サイズのスケッチブックに絵を描くようになりました。
SNSを通じて自分の絵を人に見せてたり、ハガキに絵を描いて友達に送ってみたりすると「ポストカードにして販売しないの?」とか「絵の描き方教室しないの」と言われて始めてみると、少しずつ生徒さんが集まり始めました。
■「私の絵、幼稚園児みたい」は最高の褒め言葉
出典:小川けんいち
イラスト教室を開くと子どもからお爺さんお婆さんまで、幅広い年代の人たちが集まります。
生徒さんの中には、自分の絵を「私の絵、幼稚園児が描いたような絵みたい」と言ってしまう人がいるのですが、教室では描いた絵が上手いか下手かよりも、絵を描く楽しさや『自分の描いた作品を認めてあげる』ことを大切にされています。
小川さんが言うには「その人が被写体を観察して、想像して、感じて、自分らしい絵を描くことが素晴らしい」とのこと。
子どもの頃、誰かに褒められたいワケでもなく、絵を描いていた時の楽しさを皆さんに思い出してほしいと伝えています。
冒頭で紹介した絵を見たとき『どこか放っておけない1枚』と感じたのは、子ども心をもって絵と向き合う小川さんの作品だからこそ、そのように感じるのかもしれませんね。
そして人と交流しながら絵を描くことを続けていると、転機が訪れました。
ある男性を描いたら飛行機にイラストを手がけることに
出典:小川けんいち
仕事の繋がりで、本州で行なわれたパーティーに出席したときのこと。
そこでたまたま横にいたおじさんが良い雰囲気の方で、声をかけて文庫本サイズのスケッチブックに似顔絵を描きました。
その絵をブログに掲載するために名刺交換をすると、全日空の総合研究所の所長を務めていた方で、3ヶ月後に仕事の依頼が!?
「我が社の媒体にイラストを…」と依頼が来たときは「機内誌のことかな?」と思っていたら「飛行機の機体に絵を描いてください」と依頼で、とても驚いたとのこと。
自治体名とお花のイラストを担当され、そのイラストをラッピングした飛行機は10機ほど全国各地を飛び回っていました。
その後も人の縁が仕事につながっていき、ドラマセットの話がくるまでに…。
ドラマで使うセットのイラストを手がけることに
出典:小川けんいち
小川さんのFacebookに掲載されている絵を見た大学時代の友達から「まだ絵を描いていたんだ!なんだか嬉しいな!」と連絡がきたそう。
小川さんが「そうだよー。久しぶり!」なんて話をしていると「今度ドラマのセットにイラストを提供してくれないか」と言う話に。
友達がそんな仕事をしていることに驚きつつ「みんなが喜んでくれるなら」という想いで了承した小川さん。
ドラマとひとことで言っても、深夜の番組やゴールデンタイムの時間帯など様々ですが、小川さんが担当したドラマは、人気アイドルグループ嵐の松本潤さんが主演を務める『99.9-刑事専門弁護士- SEASON1~2』という人気作品。
作中に出てくる居酒屋『いとこんち』という店内のポスターなどに多数使用されています。
シーズン2の6話では、小川さんご本人も登場しているので、気になる方はぜひ確認してみてください。
自分の好きなことを自由に表現をしてみてはいかがでしょう?
取材をする偽浜田省吾と取材を受ける偽浜田省吾
出典:asatan
インタビューを通じて、小川さんが自分の好きなことを好きなように表現している人なんだなと感じました。
小川さんの表現は絵に留まらず、写真や動画までも!?
Facebookでは『なりきり勘違い浜田省吾シリーズ』という写真を投稿されていました。
このシリーズも小川さんが浜田省吾さんの大ファンで、浜田省吾さんがやりそうもないことをやって写真にすると面白いかもと始めたのがキッカケ。
お客さんの中には「偽浜田省吾で納品しに来てください」というコアなファンもいるみたいですよ!
今回、取材をした編集Yも偽浜田省吾をやらせていただいたのですが、すごく楽しかったです(笑)
みなさんも自分の好きなことを自由な発想で表現してみてはいかがでしょう?
イラストだけに留まらない、小川けんいちさんの活動は下記のFacebookでぜひチェックしてください♪
プロフィール
出典:asatan
小川 けんいち
1974年北海道釧路市生まれ。
みんなを笑顔にする「小川ブランド」を目標に日々奮闘中。
株式会社 昇夢虹(しょうむこう)所属。
取材協力
出典:asatan
『コッペパン専門店TAN★TAN』の出店情報は、下記の記事からご確認ください。
【随時更新・8月18日更新】旭川市内・近郊キッチンカー出店情報!! | asatan
https://asatan.com/articles/2780大人気のキッチンカー!!見かけたらお財布を片手についつい買いに行っちゃう人は多いのではないでしょうか?でもキッチンカーって、次はどこで出店するのか知りたいですよね♪そこでasatanがキッチンカーの店主さんと連携して、キッチンカーの出店情報を皆さんにお届けします!!気になるキッチンカーがあれば、ぜひ買いに行ってみてくださいね!
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