中華そば 富いち
市内では比較的新しい店ながら、独自の感覚で確実にファンを増やしているご様子。
嬉しいことに醤油にも力を入れてくれている。
富いちの旭川醤油(750円)
メニューには「醤油」ラーメンがありつつも「富いちの旭川醤油」という品ありけり。
ご店主の並々ならぬこだわりが伝わってくる、筆者もお気に入りの1杯だ。
同店の特徴といえば何といっても煮干し出汁。つんと香り醤油の風味を引き立てる。
「コレだよ、コレ」と納得の筆者。やっぱ醤油だな。
ちぢれ麺が旭川ラーメンらしさを演出。
すすり上げると、醤油のおつゆの香ばしい味をたっぷりと連れてくる。
ふと思うに、旭川ラーメンの麺って、醤油のおつゆがよく馴染む。
もとより、醤油のおつゆに合うように調えられたものか、旭川の醤油ラーメンは確固とした味の調和があるね。
なんてことを気づかせてくれるのが富いちのラーメンなのだ。
出汁と醤油ダレがしっかりしてるから、最後まで美味しさが変わらない。
流行りの言葉でいえば、持続可能な旨さ、ってやつか(笑)。
とか考えてるうち、どんぶりは空になっていた。
ついでに言うと、どんぶりの絵柄も素晴らしい。
最初の画像を見てもらうと、綺麗な色の生麩もサクラの形だ。
きっと何か理由があるのだろうね。
お店情報
店名:中華そば 富いち
住所:旭川市新富2条1丁目14-15
電話番号:0166-76-6114
営業時間:11:00~21:00
定休日:火曜
駐車場:あり
熊ッ子ラーメン 東旭川店
辛味噌のしみた体を醤油でリセット(笑)なんて思った時、外せない味はその元祖とも言うべき熊っ子のラーメン。
今回は東旭川を訪ねた。
ラーメン 正油(800円)
「コレだよ、コレ」と、ここでも筆者。
ラーメンの(盛り付けの)見本のような、シンプルなスタイル。
そして、誰がどう見たって醤油にしか見えない、美しき褐色のおつゆ。
たっぷりと加えた脂も、いかにも旭川ラーメンらしい。
醤油のおつゆには昔から変わらぬまろやかさとコク。久しぶりに食べてみれば、ああ何とほっとする味。もう心は「ただいま〜!」と言っている(笑)。
前掲「富いち」でも話したが、もっちりとした麺に馴染む醤油の香味。
これがたまらない。
あるいは、時間が経ち、麺が微妙にのびていくことで、溶け出した麺の旨味でおつゆの味わいが深くなる、そんな展開もラーメンの醍醐味。それが熊っ子のラーメンにはあるな。
むっちりとした食感のチャーシューもお気に入り。
いかに時間をかけて煮込んだか、チャーシューの端(かたまり肉で言うなら外側)に醤油の色が染みている。
これがまた旨そうで、ああ、よだれが・・・
お店情報
店名:熊ッ子ラーメン 東旭川店
住所:旭川市東旭川町上兵村452−2
電話番号:0166-36-3124
営業時間:11:00~20:00
定休日:不定休
駐車場:あり
緑橋カウンター
今、旭川の醤油ラーメンを語るなら、外せないのがこのお店。旭川ラーメン本来の味にこだわり、それを見事に体現している。
ふと思い出して食べたくもなるが、週に1日だけというのが悩ましい。
※ラーメンの提供は毎週月曜日のみ
正油ラーメン(770円)
前掲「熊っ子」もそうだったが、トッピングはこの3種のみ。これもひとつのこだわりか。
それにしても、撮ったものを改めて見てみると黒い!
醤油のおつゆは褐色を通り越して、漆黒の海の如し。
器も黒だからなおさら黒いが、醤油ラーメンはこのくらいのイメージでないとね。
近頃は、何の味だか分からない色のおつゆが多い中、実に頼もしい。
「コレだよ、コレ」と、またもや筆者。
色だけじゃない。
おつゆは、旭川ラーメン定番Wスープと相まって、醤油のコクと香りが華やかな、いや、とても濃厚で、いい意味でしょっぱい。その冴えた味わいはひたすらに醤油、だ。
食べる毎に「懐かしい」という言葉が頭の中でリフレイン。
その懐かしさは、昔住んでいた町の食堂のラーメンだったり、学校帰りに友達と食べた学生ラーメンの味だったり、就職の面接の待ち時間に食べた(そんな時に?)定食屋のラーメンの味だったり。
とかく、うまいラーメンというのは、何かしら心に刺さるものだ。
お店情報
店名:緑橋カウンター
住所:旭川市3条通8丁目緑橋ビル1号館
電話:090-2876-4771
営業:11:30~14:00
定休:土曜、日曜、祝日
駐車場:なし
醤油な後記
いかがでしたか。
見事なまでの醤油の競演。
冒頭でも語った通り、あえて醤油ラーメンを食べ歩いて(食べ直して)みた筆者。
おかげさまで原点回帰を果たせたように思います。
と、そこまでは筆者の個人的な話。
もしも旭川でいかにも醤油ラーメンらしいラーメンを、あるいは旭川ラーメンらしいラーメンをお求めなら、今回の3杯は好適例になると思います。
機会があれば、ぜひ。
美味しいもの、旨い酒を味わう時間が何より大事。
不惑の呑兵衛を目指すべく、きき酒師の資格を取得。
・SSI認定FBO公認 きき酒師
・日本酒WEBメディア SAKE TIMES ライター